seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

登山での遭難時に適用される事務管理とは?

また登山で遭難

2021年8月1日から登山に出掛けた60~70代の男女3人が戻らないということだ。

登山を行う人が増えているようで、特にコロナ渦では単独登山が増えたこともあり、遭難件数が増えているようだ。

f:id:seege:20210803052505p:plain

捜索は誰が?

遭難となれば、捜索を行うことになるが日本の場合、「警察」「消防」「民間」のいずれかの機関が行うことになる。

一般的には、居場所が不明で捜索を要する場合は「警察」

居場所が判明している場合の救助は「消防」へ要請することになる。

空からの捜索が必要になると民間に依頼した場合、ヘリコプターの費用(1時間50~80万円)が発生する。

f:id:seege:20210803052519p:plain

捜索の費用負担は?

警察・消防が発見した場合には費用は発生しないが、民間の救助隊や山岳ガイドが発見した場合には費用が発生する。

ここで注意しないといけないのが、民間には依頼しなければ費用が発生しないだろうと思うかもしれないが、「事務管理」という制度があって、遭難者の救助のために地元の住人や別の登山者が救助隊として活動してくれた場合には、「事務管理」扱いとなり救助を依頼されていなくても費用を請求することができる。

事務管理」とは、法律上の義務がないにもかかわらず、他人のために事務を処理することで、民放で定められている。

第六百九十七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。

第六百九十八条 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

第六百九十九条 管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。

第七百二条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。

【出典】民法 | e-Gov法令検索

このため、遭難者の友人が民間に救助を依頼した場合も「事務管理」扱いになるため、費用は遭難者に請求することができる。

このため遭難した場合には想像もしていないような費用が請求される可能性があるということだ。

f:id:seege:20210803052752p:plain

見つからない場合は?

それだけではない。

捜索の結果、見つからない場合は、7年間は死亡とみなされないので、遺族年金の支給や死亡保険を受け取ることもできない。

f:id:seege:20210803053134p:plain

今後は有料化?

今は民間による救助の場合だけが、有料となっているが、娯楽で登山に行って遭難し、捜索を行うのに税金を使用していることが問題になっているので、今後は警察や消防による救助の場合でも、それなりの費用が請求されるようになっていくものと思われる。

実際、埼玉県では2018年1月1日から県内の一部山岳において県の防災ヘリコプターによる救助を受けた場合に手数料を徴収するようになった。

飛行時間5分で5000円。

平均の救助時間が約1時間だということなので、この場合、60÷5分=12、12×5000円=6万円が請求される。

手数料とされているが、実際は過去の燃料費の実費から算出した金額とのこと。

近年、無謀な登山や安易に防災ヘリを要請する登山家が増えているという問題もあり、埼玉県での一部有料化というのは、このような問題も要因になっているようだ。

防災ヘリは救急車と同じ位置づけだとは言っても、安易に要請されたのでは、本当に必要な場合に、使えないということもあり得るので、費用以上に緊急時に必要となるものなので安易には要請するべきではない。 

 

f:id:seege:20210803060337p:plain

救急車も気軽に呼ぶ人が増えているようで有料化を要望する意見も増えているとか。

東京都では、救急車を要請する人の過半数は65歳以上で年間40万件を超えている。

現状、救急車も防災ヘリは無料だという認識があるので、気軽に要請してしまうのだろうが、そういう人が増えているのであれば、抑制は必要になるのは当然である。

登山で遭難すると、必ず莫大な費用が請求されるということになれば、無謀な登山はしなくなるのではないかと思うので、やはり、遭難救助の有料化というのは今後、避けられないのではないだろうか?

しかし、一部のバカな人達のために本来は税金で賄っていたことに別費用が発生するようになるというのは憤りを感じる。

警察官・消防隊の気持ち

あと、いつも思うが、捜索を行っている警察、消防隊の方達はどんな気持ちなのだろうか?

特に、横浜のアパートからニシキヘビが逃亡したときは、警察官が気の毒になった。

警察官といえど、人間なのでヘビが苦手な人も多かったはずだ。

それも、小さなヘビではなく、大きすぎるくらい大きいヘビが逃げたというのだから探しながらも見つかったらどうしようかと不安だったのではないだろうか?

f:id:seege:20210803061644p:plain

暑い中、どこにいるかもわからない、ものを探す。

それも、身勝手な行動の結果により、起きたことであれば警察官・消防隊の人も内心、複雑な感情があったことだと思う。

登山にしても、ペットを飼うにしても自己責任ではあるが、何かあった場合には、色々な人に迷惑がかかるということを、もっと強く受け止めて欲しい。

警察官や消防隊、自衛隊の方達が一生懸命に捜索を行っているところを見ると、迷惑をかけている人に苛立ちを感じる。