金沢市、百貨店地下の書店
2021年8月5日に金沢エムザ地下の書店で68歳の女性が本を見ていた50代の男性を後ろから刺したという。
二人に面識はなく、直前にトラブル等もなかったという。
女性は後ろから渡り15センチのナイフで刺しておいて殺すつもりはなかったと供述している。
しかし刺す前に犯人は男性の背中にナイフをあてて「ごめんなさい、あなたを殺して私も死ぬ。そのために人質がいるの」と話しかけていたという証言もある。
店員の証言では、犯人は、金沢エムザの地下１階によく訪れており、普段は車いすに乗っていたが犯行当日は使っていなかったという。
前日には地下1階 食品フロアの勤務者1名が新型コロナウイルスに感染していたとの発表があったが、最終出勤日が3日前の8月1日だったということ、濃厚接触者もいないということで8月5日は営業を継続している。
もしも、この時に休業となっていれば、事件は起きていなかったかもしれない。
東京都、小田急線の電車内
そして、翌日の2021年8月6日には、東京の小田急線で川崎市に住む36歳の男性が電車内で乗客を殴ったり切りつけたりする事件が起きている。
20代の女性1名が胸や背中を7か所刺されて重症、男女9名が打撲、切り傷の軽症。
藤沢発新宿行きの快速急行で、週末の20時30分ではあったが車内は空いていて全員が座っていたようだ。犯人は先頭車両(10号車）から7号車へと移動しながら、刃物で切りつけたり殴ったりした。電車は、祖師ケ谷大蔵駅近くで緊急停車すると男は、包丁や携帯電話を電車内に残し線路から逃走した。
小田急線は、特急ロマンスカー、東京メトロ千代田線との直通運転を含めて運行を中止し他社線への振り替え輸送を実施。
犯人は、1.5時間後に逃げるのに疲れたということで、祖師ケ谷大蔵駅から4Km離れたコンビニに現れて逮捕された。
コンビニの店員は、身体の一部に血がついている犯人が現れて更に、「ニュースに出ている事件の犯人は俺です。逃げるのに疲れた」と告げられて、さぞかし怖かっただろう。
犯人は1日前に新宿区内の食料品店で万引きをして女性店員に通報されていた。これを逆恨みして「女性店員を殺してやりたいと思い夜に店に戻ろうとしたが閉店していることに気付き電車で人を殺す計画に切り替えた」と自供している。
動機
どちらも、特定の者を狙っての犯行ではなく、偶々出合しただけの人に対しての犯行のように思える。
連日の猛暑、コロナ渦でのマスク生活、飲食店で酒類の提供が無くなったといったことで、ストレスも溜まる。
個人的には、職場や家以外で出会う全く知らない人に対して異常にストレスを感じることがある。
そして、それは、些細なことが多い。
歩いていると、ぶつかってきたり、前に強引に割り込んできたかと思えば、ゆっくり歩いたり、電車で足を必要以上に広げて座るといったものだ。
もっと、理不尽の思えることさえ状況次第ではストレスになってしまう。
いつも、出勤や帰宅の際に、同じ時間に出会う。そんなことが、こいつ、何で、いつも同じ時間にここにいるんだ？これまで、こんな奴はいなかったが、なぜ突然？
ジムの下駄箱でいつも自分が使っていたのになぜ別の奴が使うようになった？こいつらなんで、こんなに楽しそうにしているんだ？と自分に対して何もしていないことさえも、後ろ向きに捕らえてしまい、ストレスを感じる。
普段であれば、気にしなかったり、イラっとする程度のことが、その時に抱えている悩みやイライラが大きいほど、目の前の小さな事に対してもストレスが強くなってしまう。
このため、行った本人にすれば、これくらいのことであっても、行われた方にすれば別の要因が加わっているので、「これくらい」ではなくなっている。
コップに水が注がれていくようにストレスが注がれていくと、いつかは溢れてしまう。
キッカケがなければストレスは注がれない、そしてキッカケは他人が提供してくれるので、必ず人がいる時に起こる。
こんなことで水は溢れないだとうと思っていても、既にコップには水がスレスレまで注がれていると、水が1滴であっても溢れてしまうということになる。
コロナ渦で、これまでなかったストレスを毎日感じるようになった。
電車の中で咳をする、マスクを手で触る、接触してきた、飲食店で、アルコール消毒をしないで店内に入った、大声で話している、食事以外の時でもマスクを外している。
こういうストレスが少しずつ、毎日、蓄積されていく。
そして今は、ストレスを解消する術も奪われている。
ストレスを発散するために、仲間と飲みに行ったり、カラオケに行くということも今は控えないといけない。
酒なら家で飲めと言われるかもしれないが、仲間と騒ぎながら酒を飲むからスッキリするのであって、家で一人で飲むだけではスッキリしないものだ。
すると、ストレスを発散する場を奪われてしまったことに対して、またストレスを感じる。
なぜ、俺ばかりがこんな辛い思いをしないといけないんだ？
こうなってしまえば、完全に負のスパイラル状態だ。
総理だって都道府県知事だって
今の状態が続けば、間違いなく、「動機が不明な犯罪」が増えていくはずだ。
総理や都道府県知事、市長も自分たちが想像している以上のストレスを感じているはずで、彼らもいつ、コップの水を溢れさせてもおかしくない状態だと思う。
もしかすると、総理が書店で人を刺す、電車内でナイフで切りつけたり、殴ったりするということを起こす日が来るかもしれない。
