海自カレーで懲戒処分
2020年3月28日に、海自カレーを無償支給の対象外だった者、6名が長期間に渡り味見と称して食べていたとして懲戒処分となったという。
無償支給の対象外とは、どういうことなのだろう?
ネット検索してみた。
すると、以下のような見出しが出てきた。
NHK.JP
TBS系 JNN
- 海自カレーを2年間食べ続けた事務官に停職4日間の処分「規律違反を深く反省」
フジレテレビ系 FNN
- 「自衛隊カレー」食べて隊員停職 支給外なのに“味見”で2年間
読売新聞
- 金曜恒例の「海自カレー」3年間食べ続けた幹部処分…「重大な不正とは思わなかった」
- 海自カレー食べた事務官処分 支給対象外「味見と称し」
産経ニュース
- 海自カレー、「味見」の幹部ら停職処分
- 海自カレー、「味見」もダメ 支給対象外の幹部ら6人を懲戒処分 - 毎日新聞
日刊スポーツ
- カレーの誘惑に負けた? 青森の海自6人が「味見」して懲戒処分「慣例として実施されていた」
MBSニュース
- 味見を口実に「海自カレー」を食べ続けたことがバレ…幹部自衛官ら6人懲戒処分の赤っ恥
Yahoo!ニュース
- 海自カレー、2年間毎週食べて停職 対象外の事務官「慣例で味見」(朝日新聞デジタル)
- 海自カレー食べていた対象外事務官処分 倉田大誠アナ「2年以上の『味見』は少し無理が」
どれが正しいのか?
懲戒処分となったのは、40代男性と書かれていたり、52歳男性と報道されているメディアもある。
2年間食べていたとか、3年間食べていたと書いている場合もあるし、懲戒処分も4日
間だったり、5日間だったりもしている。
調べていくと、ようやくわかってきた。
まず、50代と40代は別の人のようだ。
50代の方は、3年間食べ続け、懲戒処分5日間、40代は、2年間食べ続け、懲戒処分4日間ということになる。
また、基地の食堂での無償支給の対象は以下のように決まっているようだ。
- 隊舎に住んでいる
- 任務上許可された隊員
また、疑問が生じてきた。
函館基地隊の食堂なのに毎週金曜日に青森や京都から食べに来ていたというのだろうか?
これも調べていくと見えてきた。
どうやら、無償で食べていた6名は函館基地隊に勤務しており、その時に行っていたようだ。
今は、異動となっているため、現在、所属している隊の名称で書かれていた。
海上自衛隊の函館基地隊に所属する53歳の幹部自衛官が、食事の支給対象ではないにもかかわらず、部下とともに3年間にわたって隊員用の食堂でカレーライスを無償で食べていたことが分かり、28日、停職5日の懲戒処分を受けました。
処分を受けたのは、海上自衛隊函館基地隊に所属する53歳の1等海尉です。
函館基地隊によりますと、1等海尉は、基地の中で生活する自衛官が無償で利用できる食堂で提供される給食について管理する立場にありましたが、食事の支給対象ではない部下が毎週金曜日に出されるカレーライスを無償で食べているのを黙認し、自らも支給対象ではないにもかかわらず無償で食べていたということです。
他の隊員が上司に報告し、発覚したということで、こうした行為は平成26年10月ごろから平成29年7月ごろまでの間、続いていたということです。
自衛隊員なのになぜ食べてはダメなのか?
国の税金で作ったカレーを同じ自衛隊員が食べて何が悪い?と思う人もいると思う。(自分も含まれる)
しかし、自衛隊の実情を知ると、とんでもないと思ったはずだ。
隊舎等で暮らす自衛隊員は隊舎の費用や食堂等での食費は給与から天引きされている。
つまり、金曜日のカレーを含めて、食堂で提供されるものは無料ではなく、隊舎で生活する隊員達の給与から支払われていることになる。
今回の6名は隊舎で生活しているわけではないので給与から天引きはされていない。
つまり、隊舎を利用していた人達がお金を出して提供されていたものを味見だと偽って、無料で食べ続けていたのだ。
その中には、このようなことが起きないように管理監督するべき立場の者がいたというのだから、とんでもないことが行われていたことになる。
これで、懲戒処分5日というのは罰としては軽すぎるように感じた。
海自カレーの歴史
海自の金曜カレーは、元々は、航海中は曜日の感覚がなくなるので、みんなが好きなカレーの日を毎週金曜日に決めて曜日の感覚を無くさないようにしようという目的からだというのは有名な話だ。
更に遡ると海上自衛隊では、明治時代から栄養不足解消のため、スパイスを多く使ったカレーを採用したという。
海自で歴史あるカレーで、今回のようなことが起きたというのは情けない。
しかも、その翌日には陸上自衛隊の東千歳駐屯地で大麻を使用していたとか、同僚の財布から現金を盗んだ者が懲戒免職となったという報道もされていた。
災害時に黙々と救助活動をしている自衛隊員の姿には感謝の気持ちで一杯になるが、中には、こんな人がいるのかと思うと複雑な心境だ。