未成年の政見放送出演が問題?
沖縄在住の不登校YouTuberとして知られる中学生が衆議院議員選挙の政権放送に出演したことが公職選挙法違反(未成年者等の選挙運動の禁止)ではないか?ということで騒がれている。
政見放送内でVTR出演したり、インタビューVTRでは、隣で話している内容のものが流されていた。
父親は自分の名前より前に「不登校Youtuberの父である・・・」と自己紹介をしていて、地元の選挙ポスターは二人揃った状態の写真になっているという。
子供の知名度を利用していることは明白だ。
選挙運動とは?
では、選挙運動とはどのようなことを示すのだろうか?
- 特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為
未成年者等の選挙運動の禁止とは?
そして、未成年者等の選挙運動の禁止とは、以下のように定められている。
第百三十七条の二
- 年齢満十八年未満の者は、選挙運動をすることができない。
- 何人も、年齢満十八年未満の者を使用して選挙運動をすることができない。
- ただし、選挙運動のための労務に使用する場合は、この限りでない
選挙管理委員会の見解は?
この件について、選挙管理委員会が以下のように答えていることについて疑問を感じた。
- 選挙管理委員会としましては個別の事案についてこれが運動にあたるか否かについての判断する権限がありません。選挙運動の違反については罰則等もありますので、具体的な事案ごとに、警察の捜査なりが行われたうえで事実を認定して、司法判断に委ねるということになります
総務省は既に見解を示していた
しかし、未成年者が政見放送へ出演できるかについて、総務省は2021年5月18日に総務省が見解を示していた。
政見放送内での言動が対象となり、不登校問題で意見を披露する程度なら法に抵触しないということだ。
出演するのはいいが「投票してください」と発言するのは違反ということになる。
今回は、「投票してください」という言動はなかったので違反には該当しないことになる。
この報道を行った出版社は、もっと調べて、記事にするべきだったと思う。
選挙管理委員会は何を行っているのだろうか?
選挙管理委員会なら、しっかり確認しておいて欲しかったが、選挙運動にあたるか否かについて判断する権限がない?という点が気になった。
そもそも、選挙管理委員会というのは、何を行っているのだろうか?
そして、選挙のない間は何をしているのだろうか?
総務省のホームページには以下のように記載されている。
選挙管理委員会の職務
選挙管理委員会は、選挙に関する事務の管理の他にも、選挙が公明かつ適正に行われるよう、あらゆる機会を通して選挙人(有権者)の政治常識の向上に努めることや、投票の方法、選挙違反など選挙について必要と認める事項を選挙人によく知らせることも、重要な職務です。 また、『選挙のやり方や当選人の決定方法が間違っている』という申し出の処理、地方公共団体の議会の解散請求、議員や長の解職請求の処置も、選挙管理委員会の役割なのです。
【出典】総務省|選挙管理機関
主な職務
衆議院小選挙区選挙、参議院選挙区選挙、都道府県の議会の議員および知事の選挙に関する事務を管理し、また、土地改良区の役員や総代の選挙に関する事務なども管理します。さらに市区町村の選挙管理委員会に助言・勧告します。
組織
委員数は4人、任期は4年。委員は、選挙権を持っている人で、人格が高潔、政治および選挙に公正な識見を持つ人のうちから、議会の議員による選挙で選ばれます。委員長は、委員の中から互選されます。【出典】総務省|選挙管理機関
市区町村の選挙管理委員会
主な職務
市区町村の議会の議員および長の選挙に関する事務を管理し、すべての選挙について投開票を行い、選挙人名簿の作成・管理を担当します。指定都市の区の選挙管理委員会は、市区町村選挙管理委員会の職務の多くの部分を担当します。
組織
委員数は4人、任期は4年。委員は、選挙権を持っている人で、人格が高潔、政治および選挙に公正な識見を持つ人のうちから、議会の議員による選挙で選ばれます。委員長は、委員の中から互選されます。【出典】総務省|選挙管理機関
都道府県の選挙管理委員会は、国、都道府県レベルの選挙に関する事務仕事、市区町村の選挙管理委員会は、市区町村レベルの選挙に関する事務仕事と選挙の投開票、選挙人名簿の作成を行っているだけのようだ。
選挙に関する事務処理・雑用担当という印象を受けた。
選挙は毎月あるわけではないので、これだけの仕事量なら1年を通して仕事があるようには思えない。
普段は何をしているのだろうか?
長野県須坂市のホームーページには以下のように記載されていた。
選挙管理委員は、選挙が行われない時でも、年4回(3月、6月、9月、12月)の選挙人名簿の定時登録や検察審査会委員候補者の選定、選挙啓発活動等を行っています。
これだけの仕事なら、都道府県、市町村の職員が行えば良いのではないだろうか?
また一つ、日本の無駄が見つかった感じがする。