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国のせいで金沢市の高齢者ワクチン接種は大混乱

金沢市の65歳以上の方(約12万人)への新型コロナウイルスワクチン接種の予約がゴールデンウィーク明けの2021年5月6日から始まりましたが、他の都市と同様に大混乱です。

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問題1:国からの連絡が遅い

2021年4月末になって、総務省からワクチンが確保できたので、2021年7月末までに接種を完了させろという文書が「総理大臣の名前」で地方自治体に届いたということです。

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ワクチン確保が見えないのはわかります。

では、2021年7月末までに接種を終えないといけない国側の理由は?というと以下になります。

  • 新型コロナウイルスによる死者や重症者をできるかぎり減らすために、重症化リスクが高い高齢者への接種をできるかぎり早期に完了する必要がある

それほど、重要なことであれば、確保が難しい海外製のワクチンより、確保が容易な国内製のワクチン開発を急ぐべきじゃないのでしょうか?

アビガンの例でもわかるように、厚生労働省は認可を受け身の立場で進めています。どうすれば早く認可できるのか?と協力することは関係なく、自分たちが責任を負わなくて済むように保身的な発想しかありません。

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ワクチンについても同じスタンスだと思います。

国はこんなにもノンビリと仕事をしておいて地方自治体には、時間的な無理難題を押し付けてきます。

こんなことを、していれば国と地方自治体側の信頼関係も崩れます。

今は、一致団結で臨まないといけないのに、マイナス要因ばかりを国は増やしてくれます。

4月末になって、7月末までに高齢者へのワクチン接種を終えるようにという通知が出されても、3か月しかありません。金沢市の場合は、12万人が対象ですから、1か月に4万人の接種を完了させないといけません。

医療機関がワクチン接種だけを3か月続ければ、可能な人数かもしれませんが、それでは他の診療が一切できなくなってしまいます。

そうするとワクチン接種に1日どれくらいの時間を割けるか?ということになります。

仮に1日8時間として、2時間を割り当てたとすると丸1日(8時間想定)の場合の4分の1の進度になるので、丸1日で3か月かかるとして、4倍だと12か月要することになります。実際には、そこまでは、かからないとしても、7月末で終えることができる人数ではないように思います。

しかも、金沢市では高齢者の前に行われている医療従事者のワクチン接種もまだ終わっていない状態で、多くのコロナ感染者の治療を行っている県立病院の看護師さんの中に、まだ接種が完了していない方がいたり、薬局の方が、2021年5月17日にようやく接種できるという話も聞いています。

このような状態でどうすれば7月末に12万人のワクチン接種を完了させることができるのでしょうか?

地方自治体側とすれば、情報が確定しなければ、医療機関などへの連絡もできませんし、印刷物の準備もできません。

大量の数の印刷物を短期間に郵送しないといけないのですから、たまったものではありません。

以下に問題として挙げていますが、国からの連絡がもっと早ければ、いくつかの問題は発生しなかったはずです。

問題2:接種券には予約開始日が未記載

接種券が2021年4月19日から始まりました。

送られてきた接種券には、予約開始日が記載されていませんでした。

このため、予約も始まっているのだろうと、接種券が届き始めたコールセンターへ、4月20日には約600件、4月21日には約700件の電話があったそうです。
また、コールセンター以外にも、医療機関直接電話された方もいて、4月20日移行、病院により異なりますが、数十件から数百件の電話がありました。

病院も接種日程は金沢市が公開していないので答えられるはずもなく、対応に困ったようです。

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金沢市以外の野々市市(ののいち市)等に予約の電話をしている人もいると聞いて驚いたのですが、この点も、わかりにくいのですが、石川中央都市圏(4市2町)の連携による接種というのがあります。(※4市2町:金沢市野々市市白山市かほく市津幡町内灘町

つまり、石川中央都市圏内であれば、住所地外の医療機関であっても申請不要で接種が可能になっているようです。

金沢市は、予約券の郵送を優先してしまったため、予約日が決まらない状態で、予約日を未記載のまま郵送したようです。

予約日が未定だということ、予約日の確認方法は記載するべきでした。

その後、4月21日は金沢市が会見を行い、以下のように述べています。

金沢市市長

  • 接種券が届いてもすぐに予約ができる状況にはないという記述は入れるべきだった。おわびをしたい。

金沢市福祉健康局(局長)

  • 予約開始日は医療機関とのさまざまな調整が必要で、注意書きの発送までに決定が間に合わなかった。

問題3:予約開始日が二転三転

僕の周囲では、2021年4月26日(月)AM9:00~予約だという情報が流れていました。

しかし、2021年4月24日(土)に確認すると、2021年5月6日(月)AM9:00~に変わっていました。(2021年4月21日(水)に発表されたようです)

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予約日が公表されたことを知らない高齢者が噂に基づき4月26日に一斉に電話をしますが、繋がらないということで金沢市が設置する特設会場(金沢広域急病センター)に直接行ってしまい混乱も生じています。

問題4:難しい予約方法

予約方法は3つあります。

  1. コールセンターへの電話
  2. LINEでの予約
  3. 医療機関へ直接電話

しかし、予約券と一緒に同封されていた文書にはコールセンターの電話番号のみが記載されていて、接種可能な医療機関についても、文書には記載されておらず、以下のURLへのQRコードだけが印刷されていました。

【参照】接種会場一覧 | 接種会場を探す | コロナワクチンナビ | 厚生労働省

予約券が送られてきても、いつから予約できるのか?どこで接種でできるのか?どこに予約するのか?いつ接種できるのか?とわからないことばかりで、電話以外の予約方法がわからない人にとっては、どうやって予約すれば良いのかもわからず、情報格差を感じさせる内容でした。

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かかりつけの病院での接種というのも内容が不明で、金沢市ではワクチン接種が可能な医療機関が全部で201か所あるのですが、2021年5月5日時点で「公表」されていたのは、115か所だけです。しかも、公表されている医療機関だからといって、医療機関に直接電話できるわけではなく、コールセンターを通してという医療機関もあります。

かかりつけの病院が公開されておらず、コールセンターにもつながらないので、結局、行ったこともないような公開されている医療機関に予約を入れたり、複数の医療機関にキャンセル待ちの予約を入れたりするので、かかりつけの病院で接種したくてもできない状態になっています。

「公表されていない病院」の場合は、直接電話をしたり、直接行って予約するといった方法のようで、これについても説明が記載されておらず、混乱を招いた要因の一つだと思います。

そして、そもそも行きつけの病院がない人にとっては、「公表されていない病院」での予約ができない仕組みになっていることになります。

医療費を普段、使いまくって、色々な病院を利用しているほど、「公表されていない病院」での予約が取りやすいということになるので、医療費を普段使っていない人が不利になる仕組みになっているのも疑問を強く感じます。

こういった説明がされていないので、あそこの病院は普段から利用している人しか予約を受け付けないと病院に問題があるかのような噂も流れてしまっています。

また、病院の中には、病院の先生が接種対応自体を嫌がり、接種に非協力的なところもあるので、この場合は、「かかりつけの病院」での接種自体ができないことになります。

問題5:1回目の接種が11月の人も

予約が始まり自分が聞いた中で一番、ワクチン接種の予約日が遅かったのは、2021年11月でした。

しかも、既にワクチンの割り当てがなくなり、予約を受け付けられない医療機関もありますので、全員が予約できているわけではありません。

高齢者だけでも来年まで要するのは間違いありません。

次の高齢者以外の方は更に増えるはずなので、金沢市の対象者全員のワクチン接種には2023年までかかるのではないかと僕は見ています。

しかし、菅総理は、2021年5月7日の緊急事態宣言延長に関する記者会見を行った際に以下のようなことを言われています。

来週より順次、全国の自治体で本格的な接種が始まります。この24日からは東京・大阪の大規模接種センターでも始まります。その後、1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてはあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートしてまいります。

【出典】令和3年5月7日 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

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どんな手段を尽くしてくれるのかの説明はこれまで同様、ありません。

目標を立てるだけなら誰でもできますが、目標を具体的にどのように実現するのか、それがなければ絵に書いた餅を国民に見せて、国民全員に餅を食べてもらいますと繰り返し言っているだけにしかなりません。 

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もっと言えば、絵にする餅さえイメージできていない可能性もあります。

日本の新型コロナウイルスのワクチン接種率ですが、2021年4月19日時点で、世界182カ国中131位です。

 2021年5月3日時点の日本の接種完了率ですが1回目の接種率は2%、2回目までの完了率は0.8%という状態です。

最も高いのはイスラエルで、1回目の接種率は62.5%、2回目までの完了率は58.9%なので差は歴然です。

日本は、ばら撒き外交を繰り返していましたが、このような場面でも効果はなく、何のためのばら撒き外交が効果がないことが証明されているのではないかと思います。

 

ワクチンが足りないのに、7月末までに完了させろという通達や、1日100万回という目標を立てられても物理的にワクチンがなければ、まず無理な話なので、まずはワクチンをいつまでに、どれだけ用意のするのかを明示したうえで、地方自治体が動けるようにしないといけません。

今後菅総理が先頭に立って、国民にどのような餅を食べさせてくれるのかに期待したいと思います。