昨年、唯一見たかった映画
昨年、映画館で見たいと思った映画が1つだけあって、それが「空に住む」でした。
映画館に行った時に予告編が流れていました。
- 両親を亡くしタワーマンションに住むことになった直美
タワーマンションに住むのを「空に住む」って表現、なるほどって思いました。
主演は「多部未華子」さん、そして、
そのタワーマンションからの景色、僕も角度は違いますが見覚えがあります。
晴れているのに、どこか靄がかかったような景色。
あの辺から新宿方向を見ると高い建物はありませんが、なかなか綺麗に澄んだ感じになりません。
渋谷の玉川通を三軒茶屋方向に進んだ渋谷と目黒の境目くらいの場所です。
なぜ見たいと思ったか?
予告編の最後に主演の多部さんが、タワーマンションの窓の前に立って肩甲骨のストレッチをしているシーンが流れます。
このシーンを見て、明日も頑張ろう!って気にさせてくれるような気がしたんです。
予告編は、確か、最初の緊急事態宣言の前、2020年3月頃に見に行った映画を見に行ったときでした。
この映画が公開される頃には、新型コロナも落ち着いてくるだろうと楽しみにしていました。
しかし、落ち着くどころか、緊急事態宣言が出されてしまって、映画館も休館です。
ついに公開
6月には、映画館も徐々に営業を再開していきましたが、GoToトラベルが始まり7月末から8月にかけて凄い勢いで感染者は増えます。
そんな状態だったので映画館にも行きにくくなってました。
そして、2020年10月23日に公開。
金沢でも上映されたのですが、映画館に行っても良いものかどうか?と様子を見ているうちに上映が終わっていました。
これは凄く悔やみましたね。
Amazon Prime Video で配信
そして半年くらいが経過しました。
2021年5月1日にAmazon Prime Videoで何か新しいものが配信されていないかとチェックしていると「空に住む」という文字が!
これは嬉しかったですね。
迷わず、直ぐにクリックしました。
待望の映画を見る。
実際に見てみると、最初のシーンから悩みました。
多部さんがタワーマーションにやってくるところから始まったのですが防犯カメラの映像を見ているような感じで斜め上からのアングルです。
入口にある庭池に背負っていたリュックを向けて「ハル、水だよ、凄いね」って言ってます。
そこにはリュックを背負った女性だけしかいません。
誰に話しかけているんだろうか?
これ実は、2分後位には答えがわかるんですが背負っていたのはリュックではなくてペット用のキャリーバッグです。
キャリバック中はペットが入っていて小さな窓から外を見れるようになっていました。
このシーンは、ゴダールの探偵という映画の冒頭のシーンを真似たということです。
冒頭のシーンというのは、建物の前を女性がウロウロしていて、それを向いのホテルから探偵がビデオカメラで監視しているというシーンです。
それを真似ただけでした。
説明がほぼない映画
この映画は、このようにストーリー設定に関してセリフやナレーションでの説明が、ほぼないので映像やセリフから読み取るしかありません。
このため、終わったシーンのことをいつまでも考えているとストーリーがわからなくなり完全に置いていかれます。
映画の舞台は、ほぼマンションと職場だだけです。
言い換えれば家とマンションを往復するだけの日常を描いた映画です。
東京とは別の場所に住んでいた両親が突然の事故で亡くなり、28歳の姪っ子をどういう経緯かはわかりませんが、叔父夫婦が自分達が住んでいるタワーマンションに、もう一つ部屋を借りて管理人として住まわせるというものです。
タワーマンションには有名な俳優が住んでいて、エレベーターで知り合い恋愛?に発展するというストーリーでした。
コロナ渦で撮影が難しかった?
2020年に入ってからの撮影でコロナ渦だったのでロケがしにくくて、思うようなシーンが撮影できず、見てる側に任せるような映画にせざる得なかったのかな?と思ったのですが、撮影は2019年の3月から4月と監督が話されていました。
コロナ渦の影響というわけではなくて、不要なものを削除していったら、こうなったということです。
なぜ、28歳の主人公が両親が亡くなって叔父夫婦のタワーマンションにやってきたのでしょうか?
職にも就ていて自立しているはずですから叔父夫婦が引き取るという必要もないはずです。仮に引き取るというなら管理を任せるという部屋の2階上のフロアになぜ、叔父夫婦が住んでいるのか?
謎ばかりがシーンと共に増えていくので見ている方はストレスが溜まっていくと思います。
しかし、そんなことで一々疑問を感じていたらこの映画では置いていかれます。
この映画は、疑問はさっと流してしまう覚悟が必要です。
仕事をしている女性を描きたかった
監督はこの映画は「仕事をしている女性」を描きたかったと答えられています。
これは、監督が映画を作り終わってから気が付いたことらしいですが、「三人姉妹」っていう映画をイメージしていたようです。
三人姉妹は、田舎町に赴任したロシアの軍人一家の三姉妹を主人公とした知識階級の閉塞感を描いた物語です。
空に住むと共通するのは「親が死んで自立していかなくちゃ」という部分だということなので、姉妹役ではなかったのですが、叔父夫婦の叔母さん、職場の後輩女性というのが代わりを担っていたのでしょう。
自宅と職場はどこ?
窓からの景色から自宅は渋谷と目黒の境にある実在する高級タワーマンション。
そして職場は田舎にある出版社ということは珍しく説明があったのでわかりました。
しかし具体的な地名等は省略されています。
東横線多摩川駅近くの陸橋が家と職場を切り替える際に頻繁に登場することから東横線を利用して通勤しているのだと思ってました。
そうなると横浜経由で神奈川県の古民家があるような場所に通っているのだろうと考えました。
しかし、あとから知ったのですが実は埼玉県南西部にある飯能市の古民家だということでした(笑)
まさか映像と設定が違っているのでまさか埼玉県だったとは思っていませんでした。
渋谷駅から埼玉県飯能市までは電車で1.5時間程度なので通えない距離ではないということを事前に確認はしていたということです。
主人公の成長で見る側も成長
主人公は両親を亡くしタワーマンションに引っ越してきて、叔母、後輩女性の話を聞いたり、同じマンションに住む俳優との恋愛、新たな別れを経験していくうちに何かが見えたのでしょうね。
1回だけ見ただけだと、説明も少なく、意味がわからないことが多すぎる映画なので「意味不明」で終わってしまう人も多いと思います。
でも、繰り返し見ている間に、色んなことに気づくことができる映画だと思います。
ゴールデンウィークのようにまとまった休みのうちの、1日という時間をこの映画に投資してみてはいかがでしょうか?