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PCR検査を希望しても受けられない石川県

石川県で死亡した男性が、検査で新型コロナに感染していたことがわかったという報道がありましたが、詳細にはついては、報道されていませんでしたが2020年12月6日になって、以下のような報道が県外から報道されるようになりました。

死後に新型コロナウイルス感染が確認されたとして、石川県が11月27日に発表した金沢市の男性は、県発熱患者等受診相談センターに電話してPCR検査を希望したが受けられなかったことが、本紙の取材で分かった。男性には、ぜんそくの疾患があったという。11月16日に強い倦怠感があり、自宅療養中の20日には39度台の発熱があった。21日に医療機関を受診したところ、インフルエンザの検査は陰性で、薬を処方された。
 本人は「近くの医院」と話していたという。妻や知人とのメール記録によると、高橋さんは21日、県発熱患者等受診相談センターに電話してPCR検査を受けたいと伝えたが、「かかりつけ医の判断がなければ検査は受けられない」と告げられたという。

【出典】PCR検査を断られた男性、死後に陽性判明…妻「入院できたら夫は助かった」:東京新聞 TOKYO Web

僕は、事故か何かで死亡された方の検査を行ったら、新型コロナに感染したことがわかったのかと思っていましたが上記の報道では、全く異なります。

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強い倦怠感、39℃台の発熱という症状があって、更にぜんそくの疾患があったので、近所の医療機関でインフルエンザの検査を受けて陰性。そして新型コロナではないと診断されたというのです。インフルエンザの検査だけでなぜ、新型コロナではないと診断できたのでしょうか?そもそも、強い倦怠感、発熱の症状があって、インフルエンザではないとなれば、この時期、誰でも新型コロナ感染を疑います。

死亡した男性は電話でPCR検査を希望していたにも関わらず、検査は受けられなかったそうです。

この件について、石川県は以下のようにコメントしています。

  • 受診相談センターにPCR検査を希望していたことについて、県健康推進課の相川広一課長は「個別の案件は把握していない」とし、「センターは通常通り対応した。検査するかは患者を診た医師が判断することだ」と話した。
    【出典】PCR検査を断られた男性、死後に陽性判明…妻「入院できたら夫は助かった」:東京新聞 TOKYO Web
  • 知事は、「コロナ特有の症状が出ていなかったので、検査は必要ないと医師が判断した。お気の毒だが、誰を責めるというわけにはいかない」「県発熱患者等受診相談センターに相談して、診療機関を紹介されたようだ」と述べた。
     症状のある人は積極的にPCR検査するよう、県から県医師会に言うべきでは、と記者団から問われると、知事は「全ての人を検査しようと言ったら、医師会は拒否すると思う。本来の仕事ができなくなる。コロナ特有の症状がある人、となってくる。すべて検査すると、県医師会の機能がパンクする」とした。

    【出典】「検査不要と医師が判断」 谷本石川県知事、死亡後 陽性判明に:北陸中日新聞Web

知事は、「誰を責めるというわけにはいかない」と言い、担当課長は、個別の案件は把握していない」という何とも気持ちが感じられないコメントです。

知事のコメントからは、診断した医師も責められないという内容に受け取れます。

これが、もし知事の家族だった場合でも、同じ対応、同じコメントをしていたのでしょうか?

今回は、症状が出ていないのに、PCR検査を希望したわけではないんです。

今回は、症状も出ていて更に、ぜんそくという疾患もある方でした。

更にはインフルエンザの検査で陰性となれば、強い倦怠感、39℃を超える発熱が風邪が原因だというのでしょうか?

この症状の方でPCR検査を行わないで、どんな症状が対象だというのでしょうか?

このようなことが起きていたのに、地元の新聞、テレビでは、大きく取り上げられることもなく、東京新聞の報道を受けて、12月8日(火)になって地元の新聞やテレビで報道されていました。

金沢市の病院ですが、発熱があると伝えると診療を拒否されて、まず保健所に電話して欲しいと言われたそうです。

長年、家族ぐるみでお世話になっていた病院なのに。

つまり、診察した人の中からコロナ感染者が出ると病院を2週間は閉めないといけなくなるからだと思います。

そしてそれが広まると、その病院に行く人は激減するからです。

今回、見殺しにした病院は、まさか死亡するとは思っていなかったのでしょう。

風邪の症状がある人が今、何人いますか?

PCR検査を全員に行うことはできないとか知事は発言していましたが、検査を受けたいのは発熱や風邪の症状がある人です。しかし、今、身の回りに風邪の症状がある人なんて、まずいません。

発熱や倦怠感のある人が1日にどれくらい、いるというのでしょうか?

逆に言えば、今、風邪の症状があれば、新型コロナ感染の可能性の方が高いということではないでしょうか?

医療機関の判断によるという曖昧な基準だから医療機関によるバラツキも出ますし、感染者を自分の病院から出したくないということから診療放棄する医師が出てくるのです。

検査体制を拡充したはずなのに?

では、石川県の1日あたりのPCR検査の可能件数はどれくらいなのでしょうか?

石川県では230の診療所で新型コロナウイルス検査ができるようになり、人口当たりの検査可能件数は全国トップクラスになるという報道が9月にありました。

  • 石川県と県医師会は2020年9月7日、県内の約230診療所が新型コロナウイルス検査に参加するための集合契約を結んだ。現在の6・5倍に当たる1日1500件の検査が可能になり、人口当たりの検査可能件数は全国トップクラスとなる。身近なかかりつけ医で、症状がよく似たインフルエンザとの判別ができ、コロナの早期発見で拡大を防ぎ、経済正常化にもつなげる。診療所名を公表するかは今後、両者で協議する。
  • 県庁で集合契約書に署名した谷本正憲知事は、コロナ対策に関わる医療関係者や医師会関係者らに謝意を示し「幅広に検査することで早期発見、早期治療、早期社会復帰が期待でき、社会経済活動の正常化にもつながっていく」と話した。県医師会の安田健二会長は「現場の医師の判断で迅速に検査につなげることができる」と強調した。
  •  集合契約によって医師の判断で行政検査や保険適用検査が可能になり、患者の医療費負担はない。230診療所は内科医を中心に県内4医療圏に分散して配置した。診療所名の公表について、谷本知事と安田会長は慎重に判断するとし、かかりつけ医を持たない県民が滞りなく検査できる体制が必要との考えを示した。

【出典】コロナ検査、230診療所で 石川県と県医師会が契約締結 - 石川県のニュース | 北國新聞社

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しかし、石川県ではどこの医療機関PCR検査を受診できるのかは公開していないようです。230カ所というのは予定であり、実際には180カ所だという報道もあります。

厚生労働省は今秋、見極めの難しい新型コロナとインフルの検査診療を主に地元の診療所などで対応してもらう方針に転換した。石川県は先月、感染の疑われる発熱患者らを検査、診療できる医療機関として180カ所を指定していた。

【出典】https://www.tokyo-np.co.jp/article/72663

現在、1日何件のPCR検査が行われているかを調べると、今回亡くなられた日に最も近い、2020年11月27日の石川県のPCR検査数は266件でした。

2020年12月8日が400件という検査数ですので、検査数については余裕があるように感じます。9月7日の報道内容から変更がなければ、1日1500件の検査能力があるのですから、PCR検査を行う余裕がないという状況ではないはずです。

【出典】都道府県別・PCR検査実施人数の累計

今回、死亡された方は、地元の診療所で対応してもらう方針に転換したあとです。かかりつけの病院がなかったので、相談窓口で医療機関の紹介をしてもらったようです。

紹介された病院が、このようなお粗末な診断しかできなかったということです。

知事は、「誰を責めるというわけにはいかない」とコメントしていますが、お粗末な医療機関だけでなく、そんな医療機関を紹介した機関、必要な情報を適切に公開しない石川県にも問題はあります。

 

これで、責める人がいないというのは、おかしな認識です。

石川の知事は、観光業以外は興味のない方なので、こういう時には全く頼りになりません。

発熱があると診察しない病院

石川県医師会が2020年7月29日に石川県に対して以下のような要望を行っています。

  • 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染患者の治療に当たる医療機関のみならず、通常の診療を行う病院、診療所においても感染を恐れての受診控えが広がるなど、多くの医療機関において医業経営が悪化するまことに憂慮すべき事態となっているところである。
    県におかれては、現下の厳しい状況をご賢察いただき、その到来が確実視されている感染拡大の第2波以降も、本県の地域医療を確保し、県民の健康と生命を守り抜くため、県として医療機関へのさらなる経営支援を図られるとともに国に対しても融資制度や助成制度等の一層の充実強化に係る早急な対応を要請されるよう、ここに要望する。

【出典】https://www.ishikawa.med.or.jp/covid-19/20200729.pdf

確かに、夏ごろ、定期通院で病院に行くと、待合室は閑散としていました。

厚生労働省PCR検査実施の方針転換を行ったことに伴い、石川県も230カ所の診療所でPCR検査の実施が可能なようにしたのでしょう。

しかし、これは病院側が高熱の人だと保険上に連絡して欲しいという対応をしていたことにも原因があったはずです。

実際、高熱でも診察してくれる病院は待合室が閑散とすることはありませんでした。

今は、熱があると診察してくれないという噂が広まり、病院に行きたくても行けなかったことを石川県医師会は気づいていたのでしょうか?

10月頃からは、そのような噂もなくなり、病院の待合室も従来の状態に戻ってきているように感じます。

不都合なことは報道しない石川県のマスメディア

東京新聞が記事を書けたのに、なぜ、石川県内のマスメディアは沈黙していたのでしょうか?蟹のタグがフリマで販売されたとかいうニュースは積極的に行っても、本来助かったはずの命を見殺しにした件については、なぜ報道しないのでしょうか?

今回の内容は何らかの報道のタブーにひっかったのでしょうか?

考えられるのは、地方格差だと思われる内容だったということです。

死亡してからPCR検査でコロナだと判明したなんて、石川県はPCR検査も受けられないところなのか?と全国的に広まります。

だから、報道しなかったのではないかと思っています。

問題が多すぎる石川県の体制

発熱があるというだけで診療放棄をするような病院、素人でも判断できるようなことを判断できない医師、現状を理解できていない石川県医師会、必要な情報を公開しない石川県、このような問題を意図的に報道しない石川県のマスコミ。

今回の件で、石川県には色んな問題があることがわかりました。

このような問題のために、失わずに済んだ命が失われてしまったのかと思うと、石川県全体に強い怒りを感じます。