フジテレビまた不祥事
2020年7月30日午後に情報バラエティ番組「バイキング」で、本社常駐スタッフの感染が判明し、午後5時台の報道番組「Live News it!」で公表することを決めていましたが、それを知った遠藤社長が直接、強く放送での公表を拒み、ホームページで番組名を伏せて、お知らせを載せるに留めたというものです。
MCの坂上さんは夏休み
7月26日~30日まで「バイキング」MCを務める坂上さんが、夏休みというのも今回の隠ぺい工作の一つとも考えられますが、出演者には、このことを知らせていなかった可能性もあるので坂上さんも知らされていなかったのかもしれません。
そして7月31日には営業局の社員の感染についても後追いで公表しています。
7月30日公表の内容(派遣契約スタッフ)
- 弊社に常駐する派遣契約スタッフ(20代男性)が新型コロナウイルスに感染していることが確認されましたのでお知らせいたします。当該スタッフは7月28日(火)に38度台の発熱や倦怠感があったため、翌29日(水)に医療機関を受診、PCR検査を受けたところ、本日「陽性」と確認されました。なお当該スタッフは勤務時には検温の上、常時マスクを着用しており、7月23日(木)以降は出社しておらず、社内に濃厚接触者はおりません。引き続き保健所等の指示に従い、感染拡大防止に努めてまいります。
7月31日公表の内容(営業局社員)
- 当社営業局の女性社員(20代)が新型コロナウイルスに感染していることが確認されましたのでお知らせいたします。当該社員は7月25日(土)に喉の違和感や37度台の発熱等があったため、医療機関を受診、風邪と診断されましたが、その後も症状が改善せず、味覚・嗅覚障の異常も感じたため、28日(火)に保健所に連絡、紹介された病院でPCR検査を受けたところ、昨日「陽性」と判定されました。なお当該社員は勤務時には検温の上、常時マスクを着用しており、23日(木)以降は出社しておらず、社内及び仕事関係者に濃厚接触者はおりません。引き続き保健所等の指示に従い、感染拡大防止に努めてまいります。
【出典】ニュースリリース - フジテレビ
不祥事が続くフジテレビ
フジテレビは現在、TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020問題で、責任を問われている状況です。そこに更に、遠藤社長指示による隠ぺいとなるとフジテレビの悪い印象が強まります。
ちなみに、遠藤龍之介氏は、作家、遠藤周作さんの息子さんです。
感染したのが、派遣契約スタッフまで含めるときりがないとか、濃厚接触者がいなかったといった理由で公表しないというのは、苦しい言い訳にしか聞こえません。
フジテレビの遠藤龍之介社長兼COO(64)が「製作スタッフの感染の放送中止」を命じた問題に、宮内正喜会長兼CEO(76)も関与していたことが明らかになった。両首脳が「隠蔽」を指示していた事になり、改めて頬かむり「体質」の根深さが浮き彫りになった。
23日以降出社していないということは、新型コロナの症状が出たので休ませたのでしょう。売れっ子の坂上さんに感染していると大変なので、事実を伝えて夏休みをとってもらう。しかし、28日に熱が出て翌日、PCR検査というのは可能性の高い人に対して行うものです。前日から発熱して、倦怠感を感じているというだけでは直ぐには実施しないはずです。この点からも23日から症状が出ていた可能性が高いと思います。
正しい判断ができない社長
そして29日に陽性だと診断されたので本来であれば、この時点で番組名も含めて公表するべきです。
しかし、社長の指示は、夕方のニュースでの放送は中止でした。
現場は適切な対応を取ろうと「判断」していたのに、その「判断」を誤った「判断」に変えたのが社長です。
視聴率を何よりも重視するフジテレビなので、判断は全て視聴率がベースになります。
昔のフジテレビって、視聴率より面白いものを作るという意識が強かったはずですが、視聴率が取れなくなってからは、いかに興味を引くか?ということに一生懸命です。
判断するには、ベースとなる「考え」、「方針」というものが必要なんですね。
不祥事を起こす企業というのは、それがないんですね。
フジテレビの企業理念は「挑戦と創造」です。
そしてフジテレビの行動宣言として以下の3つがあります。
- 社会的責任:メディアの持つ社会的影響力の大きさを自覚し、公平公正で信頼できる情報を発信します。
- 社会貢献:「心に響く」コンテンツを創造し、文化・教育・環境など多様な分野に貢献します。
- 明るい職場:働く人たちの個性と能力、多様性を尊重し、自由闊達な職場をつくります。
行動宣言に従って判断していれば、今回のような判断は絶対にありません。
それも、企業のトップである、社長が従わないというのは、言語道断です。
きっと、遠藤社長は企業理念も行動宣言も覚えていないはずです。
覚えていれば、こんな判断はしません。
フジテレビの長い冬はまだまだ、続きそうですね。