レトルトカレーを食べることが増えた
コロナ渦で手軽に食べられる、レトルトカレーを食べることが多くなりました。
外出を極力減らすため、買い物に行く頻度を減らすことも必要だという考えからです。消費期限の長い冷凍食品やインスタント食品といったものを買い込んでおけば、買い物に行く頻度は自然と減ります。
同じようなことを行っている人は、少なくないように思います。
レトルトカレーより家で作ったカレーの方が具も色々と入れられるので美味しく仕上がるし、栄養も偏らないという考えもあるのですが、今は、栄養バランスはサプリメント等で補ってエネルギー源を安全に確保するというのが大切だと僕は考えています。
でも、食事って、そういう理屈ではなく、やはり美味しいものを食べたいですよね。
しかし、カレーライスに関しては、具がゴロゴロしているようなものより、ルーだけという感じのものが僕は好きなんです。
このため、ルーが主体のレトルトカレーというのは「僕」には合っているんですね。
最初に食べたレトルトカレー
レトルトカレーと言って思い出すのは、やはり大塚食品の「ボンカレー」です。
理由は「ボンカレー」が最初に食べたレトルトカレーだからです(笑)
手軽に昼食としてカレーが自宅で食べられるということで、休みの日の昼食で、よく出されました。
そんなボンカレーですがカレーのルーがパウチに入っているので、腐らせないようにするために、防腐剤が入っているから体に悪いといったことを言われた時代がありました。
実際には、防腐剤や保存料等は含まれていないので、ボンカレーのパッケージには今でも「保存料・合成着色料不使用」と記載されています。
バーモントカレーですが、最初は甘口でしたが、徐々に大人の中辛に変わっていきました。きわめて美味しいというわけでもなく、ジャガイモ、ニンジンがゴロゴロ入った僕の苦手な具沢山カレーだったのですが、今となると懐かしい味です。
「レトルト」ってどういう意味?
レトルトは「高温殺菌釜」のことです。
元々は、下図のようなガラス製の実験器具のことで、retortというのは、蒸留器・蒸留装置の意味です。
- 化学実験においてレトルト(英: retort、蘭: retort)とは、物質の蒸留や乾留をする際に用いられるガラス製の器具を指す。形状としては、球状の容器の上に長くくびれた管が下に向かって伸びているもの。蒸留させたい液体を入れて球状の部分を熱すると、蒸気が管の部分に結露し、管をつたって容器に取り出したい物質が集められる。
- レトルトは錬金術で広く用いられたため、錬金術師を描いた数多くのデッサンやスケッチにレトルトも描かれている。
【出典】レトルト - Wikipedia
日本では、レトルト食品と呼んでいますが、日本だけのもので、欧米では、「retort pouched food(リトートパウチトフード)」と呼んでいるそうです。
レトルトカレーは、以下のような工程で作られます。(大塚食品の場合)
- 原料:使用する野菜は国産品のみ
- ジャガイモの芽取りは全てて作業
- 牛肉は赤ワインでソテー
- オリジナルのレシピでスパイスを調合
- カレーソースには、あめ色のたまねぎ
- ソテーした肉は混ぜずに、個別にパウチに充填
- 密封したパウチを高温加圧殺菌
- 人と機械の目による異物混入の厳重チェック
- 出荷したあと、時間が経過しても品質に変化がないか検査
- 最後は、消費者の方が箱を開けた状態でレンジでチンするだけ
調理したカレーは、パウチに詰めて密封した上で、高温高圧で殺菌するので、保存料は不要なのです。
ボンカレーは、「大五郎、三分待つのだぞ」のCMで有名でしたが、今はレンジに箱を開けた状態で入れて、1分40秒待てば良くなっています。
お湯が不要で調理時間も短縮。
便利になったものです。
ボンカレーじゃないボンカレー!
じゃがいも、にんじん、牛肉、とにかく具が多い!
そして、味も香りも、これまでのボンカレーではありません。
The ボンカレーのキャッチフレーズのようになっている、二段仕込みって何?
- 一次加熱 香味野菜とフルーツをじっくり炒めてコクと旨味を引き出す。
- 二次加熱 牛テールスープ、ブイヨン、カレー粉、自家製バタールウ等を加えて最適なとろみになるまで加熱
- 最後に粗挽きにした6種類のスパイスとカルダモンを加えて芳醇な薫りに仕上げます。
これって三段仕込みでは?って気がしました(笑)
価格も当然、高額で500円越えです。
いや、いや、これはボンカレーではないですよ。
味が違いすぎて、ボンカレーファンは認めてくれないと思います(笑)
色々なレトルトカレーが発売
しかし、レトルトカレーは今は、色々なものが出されています。
一番、勢いがあるのは「無印良品」でカレー専門店を超えたと言っても過言でないほどの45種類のカレーを販売しています。
特にグリーンカレーは売れ筋の1つです。
レトルトカレーは、今は日常生活食品なのでスーパーで買えないと困ります。
このため、スーパーに置いてない無印良品のものは、どうしても買う機会が減ります。
日本で一番売れているレトルトカレー
最近は、咖喱屋カレーをよく購入していました。
これ、日本で一番売れているそうです。
ここまで、ボンカレーを押しておいて、今更何を?って感じですが、ボンカレーは「ボンカレー」の味で家で作っているカレーとは味が違うんですね。
ところが、咖喱屋カレーは食べ慣れた「ハウス」のレトルトカレーということもあって、子供の頃に食べていた家カレーを思い出す味なんですね。
しかも価格も100円するかしないかの低価格です。
でも時々、ボンカレーが食べたくなる時があるので1か月に1回位はボンカレーは食べています。
冒険して見つけた2品
最近、レトルトカレーで冒険をするようになりました。
冒険の中で、見つかったのが以下の2品です。
1つ目は、イオントップバリュープライベートブランドの「ビーフと野菜のスパイス香る ビーフカレー(中辛)」です。
これ、最初買う時に勇気が必要でした。
なぜか?
価格が異常に安いんです。
100円どころではなく、78円で販売されています。
そして、当然のように、お湯でもレンジでも作れます。
普通、こんなに安くて美味しいの?って疑ってしまいますよね?
箱はなくて、パウチだけですが、箱はどうせ捨てるだけなので、箱がないというのは願うところです(笑)
実際に食べてパウチを開けるとスパイスの良い香りがしてきます。
100円以下のカレーで香りにまでこだわっているようです。
肝心の味ですが、凄く美味しいというわけではないのですが、価格を考えると美味しく感じられる味です。
コストパフォーマンスという点では最高の1品だと思います。
次に凄いと感じたのが、S&Bが販売している、神田カレーグランプリで2013年にグランプリに輝いた「日乃屋の和風ビーフカレー」です。
神田といえばカレー激戦区です。
このため、神田カレー街と言われる程の店舗があり、公式ページに掲載されている店舗だけでも、522店舗あります。
その中で、グランプリを取るというのは並大抵のことではありません。
日乃屋カレー神田は、座席数が7席の小さな店です。
ただ、秋葉原で食べた、味の薄いルーではなくスープのようなカレーがトラウマになっていますので、神田カレーグランプリでグランプリを獲得と書かれてあっても、少しだけ疑いは持ちました(笑)
金沢カレーもレトルトが販売されていますが、とにかくコッテリなので、最近は、ちょっと食べる気になれなくなっています。
さて、肝心のレトルトカレーですが、普通に店で出してもわからないのでは?という程、完成度は高かったと思います。
見た目は和風ですが、口にするとスパイスの香りが鼻に広がり、辛さがガツンときます。
人は見た目で判断するなよって感じで刺激的なカレーです。
とにかく、色々なものが入っています。
和風ということでみりん、かつおエキス、他にはココナッツミルク、トマトペーストも入っていますが、これらが、どう活かされているのかは僕の理解を超えているので解説不能です(笑)
和風というのは見た目だけで中身はスパイシーなカレーなので、辛いのが苦手な人は食べない方が良いと思いますが、僕は夜食べるカレーとしてもいけそうなので最近食べた中では一番です。
とんかつを乗せると丁度良い感じになるかもしれません。
色々なものが入っているためか、価格は高めに設定されていて300円を超えます。
残念なのは、ビーフカレーといいつつも、ビーフは存在感が薄かったので、ビーフなしのカレーにした方が良いかもしれません。
実は、日乃屋さんのレトルトカレーよりもルーだけだけでいうと超えているカレーがありました。
これさえなければ、文句なしの1品
それは成城石井のスパイシーカレーです。
これ、出来上がってパウチを開けた時のスパイシーな香りが強烈です。
そしてトマトベースに玉ねぎが入ることでスパイスが複雑な味になっています。
ルーもとても食べやすいので、レトルトカレーとは思えないほどです。
更には、化学調味料、動物性由来の原料を一切使っていないということなので、健康面でもこだわりが伺えます。
価格は400円越えです。
これだけ、絶賛しているのに、なぜ、選ばなかったのかというと、「ガルバンゾビーンズ」つまり「ひよこ豆」が、これでもか!ってくらい入っているんです。カレーに具、特に芋・豆類は不要というのが僕の持論なので、致命的でした。
豆さえなければ、最高のレトルトカレーだったと思います・・・
レトルトカレーの何が進化しているか?
一番の進化は、電子レンジに対応したことだと思います。
お湯で温めることができるなら、電子レンジでも大丈夫だろうと思うかもしれませんが、パウチは熱を伝えやすくするためにアルミフィルムが使われていました。パウチに入れたまま、電子レンジで加熱しようとすると、アルミフィルムが放電し火花を発します。するとアルミ箔がひび割れます。そして熱せられると水蒸気が発生しパウチの中で溜まっていき、その内、破裂してしまいます。
これを回避するためにアルミをやめてプラスチック製のパウチに変えました。
そして加熱されて蒸気が発生すると、蒸気口が開いて蒸気を逃がすようにしました。
これにより電子レンジに入れても破裂することなく、温めることができるようになったのです。
もう一つはレトルトカレー特有のレトルト臭が軽減されたことです。
レトルト臭というのは、食品が高温にさらされる際に発生する、独特の蒸れたような・こもったようなにおいのことです。
中価格帯以上のレトルトカレーだと、豊かなバター感やスパイスの香りといった特定の原料の風味でにおいを包み込むマスキングという方法でレトルト臭を軽減することができます。スパイシーなレトルトカレーが美味しく感じるのは、この手法によるものですね。
レトルトカレーのレベルがどんどん上がっていることもあり、今はカレールウよりレトルトカレーの方が、売り上げが多くなっているそうです。
カレールウを買って作るとどうしても余ってしまうので夜だけではなく朝もカレーということにもなります。
そしてレトルトカレーだと「家族の好みの違い」問題も解決できます。
辛いのが好きな人、辛いのが苦手な人、具が多いのが好きな人、具がないのが好きな人・・・好みは様々です。
しかし、レトルトカレーなら、1人ずつ好きなものが食べられます。
価格面でもトップバリューのビーフカレーなら、一人78円で、4人家族でも税込みでも336円です。カレールゥの方が安いかというと、カレールゥは具などを買って調理しないといけませんから、レトルトカレーの方が結果的に安くなります。
具が寂しいというのであれば、とんかつやコロッケ等をトッピングしてあげれば解決です。
そうです。
レトルトカレーの進化で凄いのは価格が異常に安くなっている点です。
高級志向のものもありますが、1食当たり100円程度のものも沢山あります。
そして味も悪くありませんので、工夫次第では従来の家カレーと同等以上のものにすることだってできます。
レトルトカレーの良いところは手間をかけずに美味しく食べられるということです。
今後、カレーに限らず、保存技術が進化していけば、お店の味が自宅でという商品が増えていくと思います。
パスタ、ピザ、うどん、蕎麦、もしかすると寿司もあり得るかもしれません。
2020年11月23日現在で新型コロナの終息が見えない状態です。
飲食店も今後、テイクアウトだけではなく、保存食での通販にも力を注いでいく必要があるのかもしれません。