西武グループ新型コロナの影響で業績悪化
西武グループも新型コロナの影響で業績が悪化しているとのネットニュースが目に入りました。
東京プリンスホテルの土地は増上寺が所有していた?
西武といえば、何年か前に、タクシーに乗った時に運転手の方が西武グループの堤康次郎氏が増上寺の土地を乗っ取ったという話をされていたのを思い出しました。
タクシーで芝公園の横を通っている時に、土地って所有権があると言ったもの勝ちなんですよという話を始めました。
突然、どうしたんだろ?と思っていると、増上寺の土地は西武が所有しているというんですね。確かにあの土地の周辺にはプリンスホテルが2つあるので、そうなんだぁと思っていたのですが、よく考えると、増上寺って徳川家の菩提寺なので徳川家が所有していた土地だということに気がつきました。
そこで、増上寺の土地は徳川家所有なので、今は増上寺が所有しているのでは?と尋ねると、増上寺に堤康次郎氏の息のかかった人物を送り込んで、土地の権利書を盗ませたというんですね。
2つのプリンスホテルが建っている土地は元々増上寺が所有していたそうです。
そして増上寺に対して土地の所有権があるなら証拠を見せて見ろといって訴訟を起こし、権利書は持っていれば所有者を書き換えることができるので堤氏名義に書き換えて増上寺の土地を奪ったというんです。
芝公園と呼ばれている場所ですが、下図のような配置になっています。
どういうこと?
現在、プリンスホテルが建っている土地ですが、元は徳川家の墓地でした。
版籍奉還により徳川家の土地は政府に返却され皇族の土地となりました。
この土地を、後続より1950年から1954年にかけて6回に分けて購入したのが堤氏ということのようです。
そして増上寺は、都市計画法により国有地の無償譲与許可により使用していました。
堤氏は、増上寺に対して増上寺の所有の土地だというなら、証明してみろと訴訟を起こしました。
東京空襲で土地の権利書なんて燃えてしまっています。
堤氏は長期戦に持ち込み、資金力のない増上寺が和解するしかなように追い込み、和解が成立しました。
その後、現在のプリンスホテルを建築するまでに10年以上を要しましたが1964年にようやく東京プリンスホテルの建築が始まりました。
プリンスという名前がついているのは皇族の土地を買って建てたからですね。
更に2002年には東京プリンスホテルパークタワーの建築が始まりました。
こうして、西武グループは、増上寺の土地以外にも、皇族の所有となった土地を次々に買い取り、プリンスホテルを建てたということになります。
結局は、タクシーの運転手の方が言われていたような非合法まがいの方法ではなく、表面的には合法的に手に入れたようになっています。
堤康次郎氏とは?
堤康次郎氏は、実業家を目指しましたが、失敗の連続で最後に託したのが不動産事業です。これが成功し、政治家を目指します。
地元滋賀県から衆議院議員に立候補し土地改革の政策が受け入れられて当選します。
1964年4月24日に東京駅の地下道を急いでいた途中に昏倒し緊急入院し、同年4月26日に心筋梗塞で死去しました。
東京オリンピックに向けて建築した東京プリンスホテルでしたが、堤氏は完成を見ることなく他界したというのは、増上寺との因縁を感じました。