たばこ屋
昔は、どこにでも「たばこ屋」があったと思います。
そして、決まって、「たばこ屋」と呼んでいたのではないでしょうか?
もちろん、「たばこ屋」にも店の名前はありました。
でも、覚えていません(笑)
僕の「たばこ屋」では、「たばこ」以外にも、切手、バスの回数券、雑誌、お菓子、パン、飲み物、日用品のようなものも置かれていました。
まるで、今のコンビニのような存在でした。
店の広さは普通のコンビニの4分の1ほどのスペースです。
時々、「たばこ」を買いに行かされて、手間賃だということで、お釣りで週刊少年ジャンプを買っていました。
今では子供がお使いだといっても「たばこ」を買うなんてことはできないと思いますが、昔は普通に買うことができました。
たばこ屋には、優しい「おばさん」、怖い「おばあちゃん」、時々、何も知らない「おじさん」がいました。
ほとんどは、優しい「おばさん」が店にいましたが、運が悪いと怖い「おばあちゃん」が出てきました。
怖いといっても、怒鳴るとか、大声で叫ぶとかそんな感じではなくどちらかというと無言の圧っていうやつです。
「おじさん」が出てくると大変です。
何しろ、商品の値段がわからないのですから(笑)
値段の書いてあるものならいいのですが、菓子パンなどは値段が書かれていなくて、奥にいって誰かに聞いてあたふたしていました。
週刊少年ジャンプの思い出
週刊少年ジャンプって当時は毎週火曜日に発売だったのですが、金沢では1日遅れの水曜日に店頭に並んでいました。
ガラス窓のところに週刊誌は平積みされていたので、外からでも確認することができて新しい号が発売されると表紙が変わっているので、変わった表紙を見ると「ワクワク」して表紙を見るだけでも楽しみでした。
金沢駅に行くと、火曜日に買えるので偶然、金沢駅に火曜日に行けることがあると必ず買って帰り1日得した気分で更に翌日、1日早く知った漫画のストーリーを学校で自慢げに話していたことを思い出しました。
返信用封筒の思い出
ある日、ラジオ放送局に、受信報告書を送り、ベリカードを送ってもらうために、返信用封筒が必要だということで、たばこ屋に買いに行きました。
僕は、「変身用封筒」をくださいと伝えました。
※僕の中では「返信」ではなく「変身」だと思い込んでいました。
優しい「おばさん」だったのですが、「へんしんよう封筒」はないねぇという答えでした。
「どこに行けば売ってますか?」と尋ねると・・・
「郵便局」だね。
最寄りの郵便局は距離でいうと1Kmくらい先だったので歩いて向かいました。
郵便局でも、「変身用封筒」をくださいと伝えたのですが、窓口の方は首をかしげて、「へんしんよう封筒」?そういう封筒はないねぇという答えでした。
窓口の人が「へんしんよう封筒」って知ってる?と奥にいる人に聞くと、奥から出てきた人が、その封筒は何に使うのかな?と聞かれたので、受信報告書をラジオ局に送り、ベリカードを送ってもらうためだということを伝えました。
すると、それは指定された大きさの封筒に自分の住所を書いて切手を貼って入れることだと教えてくれました。
その時は、「返信用封筒」という新しい言葉を知り、何となく大人になった気分になりました。
昔はインターネットというものがないので、「返信用封筒」がわからなければ店や郵便局に行って聞くしかありませんでした。
今では考えられないことですが、それが昔は当たり前だったわけです。
「たばこ屋」の今
こんにちは!といって店に入ると、こんにちは!という言葉が返ってきて、「今日は何を買いにきたの?」と聞いてくれて、欲しいものを伝えると店の中から持ってきてくれました。ジャンプの新しいの入ってきたよと教えてくれたりもします。
今のように黙って店に入り欲しいものを探してレジに黙って出してお金を払って出てくるということではありませんでした。
そんな「たばこ屋」も今では店を継ぐ人がいなくなり廃業しました。
自販機だけが店の前に残っている状態です。
自販機も飲料水だけで、たばこの自販機は無くなってます。
店の前を通っても週刊ジャンプはありません。