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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

リニア新幹線工事を静岡が認めないのは?

リニア新幹線の工事を静岡県が認めないという報道をしていましたが、次は静岡県内の住民が工事の差し止めを求めて訴訟を起こすということです。

リニア中央新幹線建設工事を巡り、静岡県内の住民らが、JR東海に対し県内区間(10・7キロ)の工事差し止めを求める訴訟を静岡地裁に起こすことが15日、市民団体への取材で分かった。早ければ9月にも提訴する。静岡県内では、県が工事による大井川の流量減少を懸念し、JR東海と対立。10・7キロのうち静岡工区と呼ばれる8・9キロが着工できていない。

 市民団体「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」の関係者によると、大井川の水や南アルプスの動植物に影響を及ぼす懸念を主張するという。

www.toonippo.co.jp

どうしてなんだろう?と調べてみると、上記の記事に書かれている、大井川の流量減少、それによる動植物への影響というのは建前で、今回のリニア新幹線、新幹線の「のぞみ」が静岡県を通過するだけで静岡県内の駅で停車しないことが本音だという記事までありました。

流石に、そんなことは、ないと思うんですよね。

問題になっている工事の箇所は下図の赤線部分になります。

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【出典】リニア中央新幹線建設に係る大井川水問題の現状・静岡県の対応

 

JR東海は、動物・植物の確認調査まで行っています。

確認調査(動物)

  • 鳥類・昆虫類・魚類・底生動物
  • 山岳トンネル上部における沢周辺の動物
  • 大井川水系源流部及び支流部における動物

確認調査(植物)

  • 保全対象主
  • 山岳トンネル上部における沢周辺の植物
  • 大井川水系源流部及び支流部における植物

【出典】https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/efforts/shizuoka/_pdf/survey_results.pdf

そして静岡県は、公式ホームページで以下のような内容を公表しています。

リニア中央新幹線は、国民生活及び経済社会を支える大動脈となるとともに、大規模災害時における防災力の強化に大きく寄与するものです。しかし、地質構造が複雑で、大井川の源流となる南アルプスにおける、大深度での大規模トンネル工事は、水資源や自然環境への深刻な影響を与えるおそれがあり、多くの県民から不安の声が寄せられております。このため、静岡県では、環境影響評価における環境保全措置の内容等を検証する「中央新幹線環境保全連絡会議」を設置しました。「中央新幹線環境保全連絡会議」では、有識者等を委員とする2つの専門部会を設け、科学的根拠に基づき、大井川水系の水資源の確保及び自然環境の保全等に関してJR東海と対話を行ってきました。
  • 2018年12月28日、県からJR東海に対し、専門部会委員をはじめ利水者や関係市町等の質問事項をまとめた「水資源の確保及び自然環境の保全等に関する質問書」を提出いたしました。その後、質問事項に対するJR東海の回答について、専門部会を8回開催するなどして、JR東海との対話を行ってきました。
  • 2019年4月末をもって、質問事項に関する議論が一巡したことから、環境へのリスク評価や保全措置が不明確又は内容が十分ではない点について、県は6月6日に、「中央新幹線建設工事における大井川水系の水資源の確保及び水質の保全等に関する中間意見書」を取りまとめ、JR東海に発出しました。
  • JR東海の回答が9月6日に提出されたため、9月12日、13日、専門部会合同会議を開催し、国土交通省立会いの下で科学的見地に立った対話を行いました。この対話を踏まえ、未だ検討が不十分である47項目を「引き続き対話を要する事項」として取りまとめ、9月30日にJR東海に送付いたしました。
  • 「引き続き対話を要する事項(47項目)」に対する再見解への意見
    水資源(PDFファイル)
    生物多様性(PDFファイル)

今後は、「引き続き対話を要する事項」について、県民の皆様の不安が払拭されるよう、専門部会において、JR東海との対話を進めてまいります。

【出典】静岡県/リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応

中国上海のリニアは30Km程度の距離ですが、2004年から既に開業しています。

これに対して、日本のリニア新幹線は20年以上経過していますが、まだ工事さえ完了できない状況です。

慎重なのは日本の良い点ではありますが、あまりにも長くなりすぎると技術の陳腐化が進み、時代遅れになってしまう可能性もあります。

反面、国があてにならないということで、JR東海は単独で行っているところもあり交渉・調査全て自社対応になるのでしょうから大変だと思います。

ここまで工事を進めて、開通ができないというのは、JR東海にとって最悪のシナリオなのでルートを変えても開通させる選択をするはずです。

ルートを変えることで東京ー大阪間の移動時間は長くなると思いますが、工事の許可が下りなければ、それも仕方ないことになります。

今回の件は、可能性の問題になりますので、いくら交渉を行っても結論は同じです。

JR東海とすればルートを変えるしか選択肢は残っていないので、移動時間を犠牲にしても早々に開通させる選択しかないと思います。