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ホテルの概念を変えてくれたリッツ・カールトン(大阪編)

目が覚めて自分の家でないことに気が付いた。

ワインを飲み、気持ちよくなって眠ってしまい、目が覚めるとテレビでは、加藤ローサさんが主演のドラマ、女帝が放送されていました。大きなベッドで部屋の中は西洋風で自分の家でないことに気づきました。その日は大阪に出張で金曜日だったこともあり一泊して帰ることにしました。夕方の5時過ぎに終わったので日帰りでも良かったのですが、どうしても宿泊したいホテルがあったのです。それが、リッツ・カールトンです。

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※イメージ画像です。

初めてのリッツ・カールトン

リッツカールトンホテルと言えば世界的な一流ホテルで、日本で「おもてなし」という言葉が流行する前から「ホスピタリティ」が素晴らしいと有名なホテルです。日本では大阪にあるという事で、機会があれば宿泊したいと思っていました。

出張は東京ばかりで、大阪に私用で行くこともありませんでした。

このため、この間にリッツカールトン伝説が入ってきて期待ばかりが膨らんでいきました。

リッツ・カールトン伝説

  • リッツ・カールトンはサービスではなくホスピタリティ
  • リッツ・カールトンでは、何かを依頼しても「NO(ノー)」という回答はない
  • 部屋でエアコンの設定温度・椅子などの配置を変えて使用していると、次回宿泊した時も同じ設定温・配置で部屋を準備してくれる。
  • 重要な書類を部屋に忘れてしまい、ホテルに連絡するとスタッフの方が飛行機で持ってきてくれた
  • 入社面接にはドアマンがいてピアノの生演奏が行われる。

「ホスピタリティ」という言葉ですが、日本語では「おもてなし」という風に訳されているような気がします。「おもてなし」は心のこもった待遇という意味になります。

では、サービスではなく、ホスピタリティというのはどういう意味なのでしょうか?

サービスというのはマニュアルに定められていることで、定めた方の都合に合った内容で提供するもので、誰にでも合うものではありません。これに対してホスピタリティというのは人それぞれに合った内容にして提供するものです。

以前、講演会でサービスとホスピタリティの違いを以下のように説明されていました。

講演会で水とコップを用意するだけであれば、それはサービスです。

講演が始まる前に水は冷やしておくのか?常温にするのか?水はコップに注いでおくのか、そのままで良いのか?言われる前に確認し十人十色の内容にすることがホスピタリティだということでした。

このため、リッツカールトンではコミュニケーションというのを大切にすると言われています。大阪のリッツカールトンは扉は自動ではなく手動、わかりにくい場所にあるエレベーターやロビーとこれらは考えていなかったのではなく、全て考えた結果だそうです。扉は自動ではなくドアマンが開ける、わかりにくい場所にすることで、コミュニケーションの場を作っているということです。迷っている客を見つけたスタッフは声掛けがし易くなりますし、迷っている人もスタッフとコミュニケーションを取る必要が生じます。

実際のリッツ・カールトンは?

リッツ・カールトンというのは、大阪も東京もエントランスが大通り側にないんですね。大通り側には裏口のような小さな入り口があるくらいです。

このため、僕は大阪のリッツカールトンに初めて行った時もエントランスではなく、裏口のような入り口から入っていきました。当然、ドアマンはいません、自動ドアでもないので手動で扉を開けて入っていきました。誰もいないので聞くこともできません。

僕の中でリッツ・カールトンのエントランスのイメージは以下のような感じでした(笑)

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【画像】リッツ・カールトン大阪ホームページより 

 

中に入りロビーに向かおうと思ったのですが、表示も何もありません。これもリッツ・カールトン式コミュケーションのためで意図的に表示はしていないということを思い出しました。もう一つ、リッツ・カールトンは宿泊中、自分の家だと思って欲しいという思いもあり、自分の家に表示があるのはおかしいということも理由の中にあるのでしょう。ここでも誰も人がいないので、エスカレータと細い通路が見えたので、エスカレーターで2階に進みました。2階に上がっても宴会場のような感じだったので、更に3階まであがってみましたが、宴会場のような感じです。迷ったときは戻れという鉄則で1階に戻り、次は細い通路を進んでみました。

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【画像】リッツ・カールトン大阪ホームページより 

誰もいない通路なのでちょっと、怖い感じがしましたが、進んで行き右に曲がるとロビーに到着しました。

伝説と現実は異なっていた

ロビーには沢山の人がいて、スタッフらしき人もいましたので、チェックインであることを伝えると、暫く、こちらでお待ちくださいということでロビー内の椅子へと案内されました。一流ホテルという割には狭い感じのロビーでしたが、西洋のホテルという感じ、薄暗くしている感じが何となく、安心感を与えてくれます。

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【画像】楽天トラベル

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【画像】FERIC./MAGAZINE 本質を選ぶ大人のライフスタイルマガジン

もう、10年以上前のことなので記憶が定かではないのですが、飲み物を用意してもらった記憶があります。メニューを見せて頂き、グレープフルーツジュースをお願いしますと伝えたかったのですが、なかなか言えずに恥ずかしい思いをした記憶だけが残っています。飲み終わり暫くするとフロントに案内されてチェックイン作業を行っているようですが、その方が、僕の隣にいた常連さんと思われる方と終始話をしていました。目の前のゲストには話しかけず、隣の常連と話すというのがリッツ式コミュニケーションというものなのかと理解した気になりました。

あとから知ったのですが、僕が宿泊したこの時期は、東京六本木にオープンしたミッドタウン内にあるリッツ・カールトンに大阪のスタッフの方が立ち上げのために出向いていたということでした。

ベルの方が部屋まで案内してくれるというので、お言葉に甘えることにしました。気さくな感じの方で、朝食はこちらですとか、終始説明や、質問を投げかけて沈黙の時間というのがほぼありませんでした。金沢にはスキーで遊びに行ってますとか話して間に部屋に到着しました。

初めてのホテルだったので、部屋の説明もお願いして、説明が終わるとベルの方は出ていかれました。

厚い季節だったので、とりあえず風呂に入ろうと思ったのですが、風呂上がりの飲み物を確認するために冷蔵庫を見ると色々と変わったものがありました。リッツカールトンでは缶ビール(350ml)が1本いくらするのか気になったので見てみると何と1,000円でした。冷蔵庫に入れてあるだけの普通のビールが1,000円というのは僕には価値が理解できません。近くのコンビニで買えば300円でお釣りがくるビールに1,000円を出すことに価値が見出せません。しかも、アサヒ・スーパードライサントリープレミアムモルツが同じ1,000円でした。これってリッツカールトンに限らず、どこのホテルでも同じなのですが、価格の違うものが同じ価格で販売されているんですね。

何も考えずに値決めしているということなので、僕はいい加減が値決めをしているところで何かを買うということはしたくありません。

これにつまみがあるとか、簡単には手に入らないようなビールであれば納得もできますが、どこでも買えるようなものが適当な価格設定されていることに抵抗するという意味もあり僕は風呂に入る前にコンビニに飲み物を買いに出かけました。

 

通路に出ると大柄な外国人スタッフが清掃作業?をしているようで、日本語で、コンニチハと声をかけてくれたことに驚きました。

ビジネスホテルなどでは、清掃している方が宿泊客に挨拶をするということは、当時はなくて流石、リッツだと思ったものです。

エレベーターに乗るとスタッフの方が乗ってきたのですが普通のホテルは、従業員専用のエレベータがあって、エレベータはゲスト用と分かれているはずですが、これもリッツ式のコミュニケーションの取り方なのかな?と思いながら、エレベータ内でまたスタッフの方と話していたのですが、その方は途中の階で先に降りていきました。

風呂に入り、買ってきた飲み物を飲もうと思ってテーブルの上を見ると黒いパッケージのお菓子らしきものが目に入りました。何だろう?と思いつつ封を開けると大きな煎餅くらいの大きさの丸い、チョコチップが入ったクッキーでこれが凄く美味しいのです。

あまりに美味しかったのでお土産に買えないのかな?とフロントに電話をするとホテル内のショップで販売していますということでチェックアウト後に買っていきました。

夕食をどうしたのか、覚えていないのですが、ルームサービスで済ませた記憶だけが微かにありますが、何を頼んだのか?というとコース料理だったような気がしますが、あまり覚えていないことから、印象には残らない料理だったのだと思います。

この時に料理と一緒にグラスワインを飲んで、眠ってしまったようです。

そして、21時過ぎに目が覚めて「女帝」を見ていました。

その後の、記憶はないので、おそらく、眠ってしまったのでしょう。

翌日、目が覚めて朝食に行くまで何をしていたのかは、思い出せません。

朝食のフロアが1階でしたので、エレベータに乗るとスタッフの方が乗ってきました。宿泊中何回かエレベータを利用したのですが、毎回、スタッフの方が乗り込まれてきました。宿泊客と同乗することは1回もなかったので、もしかすると1人にしないようにしてくれている気配りなのかな?と変な勘繰りをしたりしていました(笑)

この時は、初めての宿泊ということもありスタッフの方が朝食の場所まで案内してくださいました。前日に場所は聞いて知っていたのですが有り難くお言葉に甘えた次第です。

リッツの朝食は確か、3,000円以上していたかと思いますが、スクランブルエッグを注文してから作ってくれるので美味しかったですね。あとフルーツジュースも美味しかったのですが、あとの料理については印象に残っていないので、可もなく不可もなくということだったのでしょう。

正直、実際のリッツは、ハードルを上げすぎたこともあり、期待外れの面が多かったように感じます。しかし、これまで宿泊してきたホテルと比較すると、優れている点が多々ありました。

ホテルの概念を変えてくれたのは、リッツ・カールトンです。

期待外れとはいっても、かなりハードルを上げていた状態との比較で、これまで宿泊してきたホテルとは一味違っていたのは間違いありません。

人は何でも美化してしまう傾向にありますので、リッツ・カールトンでのことを書かれた元リッツ・カールトンxxxという方も過去のことということもあり、美化している点は多々あるのでしょう。実際、大切な書類だからといって、忘れ物を毎回、飛行機で持って行くなんてことを繰り返していたら事業として成り立ちません。

事実なのかもしれませんが、ごく稀なレアケースであってスタンダードではないと考えるのが普通です。

実際、会社でxxxホテルの元xxxという方に講演をお願いしたことがあります。実際にお会いしてみると接客については自分の経験談というよりも、別の方の経験談を語っているだけという印象を受けました。接客を常日頃している方は、どう反応してくれると嬉しくて、嫌なのか?ということを経験しているので自分がされて嫌なことをするはずがありません。残念ながら、その方は、口ばかりで実際の行動は酷いものでした。

講演の内容については数をこなしていることもあり、面白い内容ではありましたが、言動が一致しない姿を見てしまうと、嘘ぽっく感じられます。

一時期、元ディズニーランドxxxという方が書いた本、元トヨタxxxという方が書いた本というのが色々と出版されていた時期があります。僕も何冊か読んでみて素晴らしい内容だと感じたので著者の方のセミナーなどに参加して会ってみると、本当にこの方が書いたの?というくらい、別人のようでギャップに驚いた経験が何度もあります。

考えてみれば、自分の辞めた会社のことを本にするということが不自然なんですよね。本で書いていることが本当であれば、何故、辞めたの?ってことになります。

辞めた理由は、わかりませんが、会社側、著者のどちらかに問題があったことになります。どちらに問題があっても書かれた内容が疑わしくなります。

本を読んで真に受けてしまい、「ノー」と言わないはずのリッツ・カールトンで「ノー」と言われた、代替案も出してくれなかったと不満を感じてしまうのです。これも考えればわかることで、「ノー」と言わない接客なんてあり得ないですし、代替案が出せない場合だってあるでしょう。

そもそも、「ノー」と言われるようなことを依頼しているのかもしれません。

それにホスピタリティにしても、おもてなしにしても、受ける側の態度に問題があれば、人が行うことですから室に差が出るのは仕方ないはずです。

気持ちよくホテルで過ごしたいのであれば、あれこれ文句を言うよりも、仲良くなるべきなんです。

繰り返しになりますが、リッツ・カールトンは、現在、出版されている本の内容とは異なる点は多々ありますが、それでも気持ちよく滞在できるホテルの一つであることに変わりはないと思います。宿泊する側が提供してくれることを受け入れることができれば、自分の家のように過ごせるホテルにもなり得るということです。

 

ホテルに泊まるといふこと

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