「大学を、やめたら高卒になる」この発言に対してSNSで騒がれているとか。
これが、高卒差別発言になるというんですね。
そして、発言した方も、「高卒の人の学歴をさげすむような差別的発言」だとしてSNSで謝罪したそうです。
この件で、どんな人が騒いだのかはわかりませんが、大卒と高卒は日常茶飯事で同じようなことが起きているのではないでしょうか?
まず、大卒、高卒それぞれ、どれくらいの割合なのでしょうか?
以下は2017年時点での有職者での比率です。
- 高卒(旧制中学含む)約37%
- 大卒(短大・大学院卒除く) 約27%
【出典】e-stat 政府統計の総合窓口
現在の大学への進学率は約60%だということですが、日本全体の有職者の比率でいうと3割にも満たないということになります。
従業員が100名未満の給与所得者の割合は、約47%、100名を超える企業の給与所得者の割合いは約53%です。
就職の際の資格が大卒というのは、よく見かけますし、就職したあとも、大卒と高卒で職種が違ってきますし、実際、職場でもよく「あんな仕事は大卒の仕事じゃない」という発言を耳にします。更にいうと大卒と短大卒でも同じようなことがあります。
大卒でも技術系の会社だと理系と文系でも違ってきます。
更には資格試験でも医師、薬剤師等、大卒でないと受験できないものもあります。
「大学をやめたら高卒になる」この言葉よりも、実社会での大卒と高卒との差の方が差別のように感じます。
そもそも差別というのは、何でしょうか?
言葉の意味としては、以下の通りです。
- 差をつけて取り扱うこと。わけへだて。正当な理由なく劣ったものとして不当に扱うこと。
- 区別すること。けじめ。
【出典】広辞苑
大卒と高卒で決定的に違うのは、大卒は高卒より4年長く生きているということです。
22歳と18歳と比較すれば、学歴は関係なく22歳の方が多くのことを経験しているでしょうから一般的にはしっかりしているものです。
同じ年に入社した大卒と高卒を比べれば4年間多く生きているので差が出て当然です。
そして4年間大学で、しっかり勉強してきたなって人も当然います。
しかし、大学で何を学んできたの?という人がいるのも事実です。
電子工学科卒の新人に簡単な回路図を見せてここを流れる電流値を求めてみてというと、オームの法則がわからないようで答えられないということもありました。
高卒はというと年齢的にも精神的にも、幼い人が多いので、教えないといけないことが多いですね。
才能は感じるけど開花していないって人が
しかし、しっかりと勉強してこなかった場合には、向上心のある高卒の方が優秀な場合があるということです。
本当に高卒と大卒を比較しないといけないのであれば、同じ年の大卒と高卒でないと公平ではありません。
会社で4年間真面目に働いた高卒と、新卒の大学生を比べれば高卒の方が優秀な人もいます。しかし、残念なことに、高卒の多くは向上心のない人が多いのです。
同じ仕事をずっと、教えられた通りに忠実に行うだけなので、いつまでも自分で判断できないのです。
僕は、高卒で優秀な人を何人も見てきましたし、大卒でダメな人も何人も見てきました。結局は、何を考えて何をしてきたか?ということが重要なのだと思います。
それは、学歴だけでなく男女でも同じです。
文系を卒業したから自分は文系、理系卒業だから理系だという人もいますが、大学の4年間で人の質が決まるとは思えません。理系卒でも論理的な考えが全くできない人もいれば文系でも実に見事な論理展開をする人もいます。
とはいっても、優秀だと言われる大学出身者の方が確率的には優秀な人が多いのも事実です。10人の大卒と10人の高卒がいた場合、優秀な人の比率は大卒で5人、高卒で1人いるかどうかという感じです。
それはそうですよね。
高校生で優秀な人は大学に行く確率が高いのですから当然の結果です。
ここまでは新卒の場合で、これが中途採用になるともう学歴よりも、これまでに何をしてきたか?ということだけになってしまいます。
人は、学歴よりも生き方が重要だと思います。