300年続いた老舗百貨店が破産申告
山形県の創業300年の老舗百貨店 大沼が破産申告をしたとの報道がありました。
これで、山形県から百貨店がなくなるそうです。
金沢にも百貨店があります。大和と名鉄エムザです。名鉄エムザというのは、名前が変わっていて、昔は丸越百貨店でした。今は北陸新幹線が開通し外国人観光客など多く来店しているようで好調だという事ですが、開通前は郊外の大型ショッピングセンターに押されてかなり厳しい状態でした。山形県の大沼百貨店も新幹線開通前の金沢と同じで百貨店離れが加速し消費税の増税後は更に売上げが落ち込んだそうです。消費税が消費を抑える結果になるというのは皮肉なものです。百貨店といえば高級、高いというイメージがあります。しかし今は同じものがネットで安く買えたり、交通が発達し東京に買い物がしやすくなっているので地元の百貨店で買わなくても・・・ということになりがちです。
そんなことから、金沢の百貨店はイベント会場での物産展に力を入れています。
北海道展、バレンタインデーが近くなると、チョコレート関係ととにかく、食のイベントが目白押しです。
特に北海道展は定番で開催すれば人を呼べるイベントになっているようです。
しかし、それでも地方の百貨店は大型ショッピングセンターの影響を受けているのではないかと思います。
東京の百貨店は?
では、東京の百貨店はどうでしょうか?
大きな駅だと、百貨店と駅が一体化しているイメージがあります。
そして、東京では自家用車より電車が主たる交通手段なので、郊外の大型ショッピングセンターの影響は地方ほどは受けないように思います。
僕が見ている限りは、レストラン街、地下の食品売り場などは混雑していますが、それ以外のフロアは淋しい感じです。
今の時代、百貨店でないと買えないものが無くなってきたということだと思います。通販を使えば世界中のものが買えます。
このため、子供を連れて百貨店に行くことも減り、子供の頃に百貨店に行かないと大人になっても思い入れがないので、そのまま次の世代に引き継がれます。
そんなこともあり、300年も続いた老舗であっても破産という結果になってしまうのです。
僕も百貨店を利用する時は食事や食品の購入の時くらいで、衣料品や食器等を購入することがなくなりました。
知らない土地では百貨店が安心
只、知らない土地に行った時に安心感があるのは、百貨店なんですよね。
百貨店ってどこも同じようなフロア配置なので食事をしたければ最上階まで上がればレストラン街があります。そしてそこにはその場所を代表するようなお店が入っていますので大きなハズレはないのです。その他の商品も同じだと思います。
こんな風に思っているのは僕だけかもしれませんが、知らない土地で時間があると百貨店に行くことが多いですね。
現在は専門店化が進んだ
大型ショッピングセンターばかりが百貨店にとっての逆風ではないはずです。現在は、専門店化が進み、家具だとニトリや、家電製品は家電量販店、日常品は、ホームセンター、衣料品は、ユニクロといった感じです。専門店なので品揃えも豊富なので買いたいものが決まっている場合は専門店に行ってしまいます。
百貨店の今後
百貨店は現代では不要になってしまったのでしょうか?
好調な百貨店もあるようですが、外国人観光客に依存している点が大きいはずです。コロナウイルスで外国人観光客が減ったことで売り上げが低迷していることからも間違いないかと思います。
百貨店には外商顧客というものが存在します。
お中元、お歳暮などで利用する法人もありますし、お金持ちの奥様などの個人の方もいます。百貨店の売上の6割が外商によるものだという話も聞いたりします。
今後も外商には力を入れる必要はあると思います。
あとは、デパ地下や物産展といったイベントは人を呼べるということなら、この分野も大切にしていくべきなのでしょう。
もう一本柱となるものが必要だと思います。
衣料品が、どの百貨店も不調です。
百貨店は高いけど、好みのものがないというのが僕の感想です。
昔は、もっとセンスの良い服が並んでいたように思います。
サイズの大きいものが置いてない
百貨店に限ったことではないのですが、僕がオンラインショップを見て回っている時にふと気が付いたのですが、3L以上の服というのは売り切れ又は、取り扱いがない場合が多いことに気が付きました。単に取り扱いがないのであれば、需要がないのかと思ったのですが、3L以上のサイズが掲載されているのに売り切れになっているものが多いのです。日をあけて実店舗に行くと、オンラインショップでは取り扱い可能になっているにも関わらず実店舗での取り扱いがないのです。街中を歩いていると昔より体格の良い人が多いように思います。
これは単に肥満ということではなく、筋トレブームが影響しているのではないかと思います。筋肉が付いた分、大きめの服にしないといけないのですが、2Lまでではサイズが合わない人が多いのではないかと思います。
Lサイズまでが圧倒的に多くて、置いてあっても2L(XL)までです。
大は小を兼ねられますが、小は大を兼ねることができません。
結果、実店舗での取り扱いがないので、オンラインショップで購入することになるという流れができているのではないかと思います。
百貨店は、もっとサイズの大きい服を揃えることで新しい客層の開拓ができるはずです。駅に近い百貨店だと帰りに購入していくこともできます。
アパレル産業ってスタイルの良い人を重視したデザインやサイズ設定になっていますが、本当に顧客の需要を考えているのか?と疑問を感じました。
アイディアを絞ればまだまだ、百貨店にも生き残る道はあるはずです。