自民党の令和元年、参議院選挙公約を見ていると、アベノミクス6年の実績というページがありました。
その中に、以下の項目がありました。
家計の可処分所得4年連続増加
日本の国民総所得が過去最高
アベノミクスのどの政策で、上記に繋がったのかは、気になりますが、こちらはまた別の内容として調べてみたいと思います。
厚生労働省のHPに「国民生活基礎調査の概況」というものがありました。
1年次別の所得の状況
2所得の分布状況
3世帯主の年齢階級別の所得の状況
4所得の種類別の状況
5生活意識の状況
まず、国民は、どのように現状を感じているのでしょうか?
世帯の生活意識の年次推移のグラフは下図のようになっています。
2018年の内容を見ると・・・
大変ゆとりがある:0.6%
ややゆとりがある:3.7%
普通:38.1%
ややくるしい:33.3%
大変くるしい:24.4%
57.7%の方が苦しいと感じていることになります。
これは、2017年が55.8%なので、2017年よりも苦しいと感じている方が増えていることになります。
では日本の平均収入はどうなのでしょうか?
2017年を見ると、次のようになっています。
全世帯: 551.6万円
高齢者世帯:334.9万円
児童のいる世帯:743.6万円
児童のいる世帯が全世帯の平均所得をかなり上回っていますが、共働きによるものなのでしょう。そして高齢者世帯については、夫婦の場合の国民年金+厚生年金=25万円がベースの金額になっているのでしょう。
高齢者世帯については300万円では苦しいと思います。
しかし、全世帯平均の551.6万円だと約46万円/月です。
各種世帯別の生活意識のグラフを見ると、所得と意識のズレがあることがわかります。
苦しいと感じている割合
全世帯:57.7%
高齢者世帯:55.1%
児童がいる世帯:62.1%
公的年金・恩給が所得の100%の世帯:51.1%
所得の高い世帯があれば、低い世帯もあるのですから単純に平均値で判断できるものではないですよね。
所得の分布を見ないといけません。
平均所得金額以下の世帯:62.4%
平均所得金額以上の世帯:37.6%
所得金額の中央値:423万円
所得金額が100~400万円の世帯:45%
所得金額が300万円以下の世帯:33.6%
半分近くの世帯が、100~400万円の収入で、更に33.6%が300万円以下の所得世帯ということです。
これを見ると、所得分布と国民の意識がざっくりとですが、一致していることがわかります。
57.7%の方が苦しいと感じていることから、所得分布図で同じとなるのは、500万円以下の世帯です。
つまり、今の日本では500万円の所得では生活が苦しいと感じるということが見えてきます。
日本の国民総所得が過去最高でも、半数以上の世帯が苦しいと感じているのが今の日本なのです。
つまり、アベノミクスは、ゆとりがあると答えた4%弱の方のための政策だったということになるのかもしれません。