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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

車いすの国会議員

 重度障がい者の、れいわ新選組の舩後靖彦さんと木村英子さんが制度の壁にぶつかり、来月1日に召集が予定される臨時国会に「登院できない」と訴えています。

 2人は重い障害がある人の生活をサポートする「重度訪問介護」のサービスを受けていますが規則では働き始めると通勤や仕事中にこのサービスを受けられないことになっています。

7月29日の参議院議院運営委員会でも話し合われる予定ですが「8月1日までに結果を頂けなかった場合は、木村英子さんは、「私たちは登院することはできません」と言っています。
そして、「障がい者の人権がまだ保障されていない」とも言われています。


国会議員には、「歳費を受け取る権利」があります。
これは、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律で定められています。

第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。

歳費として認められて

経費や活動費
交通機関の無料クーポン
公設秘書の給与

・・・等

重度訪問介護のサービスは働き始めると通勤や仕事中には受けられなくなるということなので、逆に考えれば、サービスが受けられない部分は労働している部分だと解釈できます。
そうなると、通勤は国会議員としての公務ということになります。
公務扱いであれば歳費を使用しても問題ないので、歳費で公設秘書を雇うように、重度訪問介護サービスを歳費で受ければよいことになります。

しかし、権利を主張するばかりの国会議員では困ります。
国会議員は国民の代表なのです。
このために、世界的にも高いと言われている給与・賞与が支給され、そして歳費までが認められているのです。
国会議員の主な仕事は以下になるのでしょう。

・法律を作る
・予算を決める

木村英子さんは、しっかりと話すことができますが、舩後靖彦さんに至っては話すことさえ困難なようです。

国会、委員会、会議で自分の意見を伝えるためには、現状を把握するために色々な場所に出向いて話を聞いたり、どのような法律にすれば良いのかも色々と調べる必要があります。
つまり、国民の代表なのですから、自分の知識・経験・体験だけで法律にしたり、改正したりするなんてことはあり得ないのです。
国会議員としての義務を果たすことができないのであれば、そもそも選挙に立候補するべきではありません。
そして、国民も選挙の時に演説だけでなく、本当に実現できるのか?を考えて投票しないといけないのです。話題になっているからとか、良いことを言っているといった基準だけで選んだのでは国会議員としての義務を果たせない人が国会に行ってしまうことになるのです。
今回の2名はどうなのでしょうか?
重度障がい者ということを除いて考えてもどこか、違和感を感じます。

その答えは、八代栄太さんが教えてくれました。

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日本初の車いすの国会議員といえば、八代英太さんです。
タレントをされており、ステージから落下してしまい脊髄を損傷し車いす生活を送ることになりました。
その後、1977年の参議院議員選挙に、「車いすを国会に」というスローガンで立候補し見事、初当選。
参議院衆議院、合わせて28年間活動され、郵政相も務められています。
初当選の時は、バリアフリーなどという言葉もなく、国会議事堂自体が100年前の建物ですから、障がい者の方には、階段をはじめ障害ばかりだったそうです。

そのころの国会は階段だらけ。
傍聴も車いすは許されない。
それから議員会館も陳情に行くったって、正面からは入れないから、裏にまわって貨物用エレベーターに乗る。
車いすで使えるトイレはなし。
僕にとっては階段がまず障害物であると同時に、絨毯も車いすで漕ぐのが大変。
初登院はスタッフ4人ぐらいに抱えてもらってあがっていった。
これは久しぶりの放送で見ましたけどそんな状況でした

そして、八代さんは具体的に動きだしたそうです。

国会の中で車いすだからと甘えることもできないもんだから、いろんな活動をする裏打ちとして、それぞれバリアフリーにしてもらわなきゃならない。
参議院の)事務局にも相談しました。
やみくもになんでも改造すればいいってもんじゃなく、どこをどんなふうにしたらいいかは、ぼくの方が知っているわけ。
車いすという生活のなかで得た知恵があるから。
その知恵を事務局のみなさんにも話した。
いまあるトイレをどう改装したら車いすも使えるトイレになるのかということも教えながら。
議員会館にも入っていくのに裏の貨物エレベーターしか使えないんじゃどうにもならない、昇降機というものがあると。

しかし、八代さんも初当選の頃は、以下のようなバッシングを受けたそうです。

お金をかけるなら福祉は切り詰めなければいけない。
おれの税金を何千万も使うのは許せない。
障害を持つ人に何ができるんだ。

八代さんはそのようなバッシングの通りにならないように、それ以上の努力をしたそうです。議員と見劣りがしないように国会でも迷惑をかけないように。
その結果、国会はバリアフリー化され、「バリアフリー法」という法律も成立しました。国会が変わったことで役所もおのずと同じような形に変わっていきました。1人のそういう人間がいることによってバリアフリー化され、大きな波及効果となっていく。


実際にご自身で今よりも大変な環境で初めての車いすの国会議員として長年勤められた方が、今回の重度障がい者国会議員について次のように語っています。

自分が障害を持って、初めていろんなことを知るわけですよ。道にしても乗り物にしても。障害を持った人たちのところに行っていろいろ話をして突き詰めて考えていくと、何で解決すべきかってことになる。それはやっぱ政治なのよ。政治は生活だから、福祉も政治なのよ。政治が決めるんだから。

当事者というのは一番わかっている。
どうしたらいいのかというのは自分の生活の中で、いやというほど体験していますからね。
彼らによって国会で議論される。
政府を『ほったらかしにできるか』というところまで追い込めることもできるでしょう。
何よりも、人間の幸せのためだから。
万人の社会をつくるためだから。
まさに共生社会。
(当事者が国会に行くことに)バッシングはあって当然だろうが、それは国民が選んだんだから。国民が最後まで責任を持たないと。

 更に以下のようなことも語られています。

たとえば、全盲で世界のピアニストになる人もいれば、知的障害者で書道の名人になるというような人もいる。
いろんなパフォーマンスをする人もいるわけだから、そういうことを考えると、本当に人間の評価を、ただ『みてくれ』だけでするのはよくないような気がしますね。

 そして、れいわ新選組山本太郎さんに向けて以下のようなことを伝えています。

 山本太郎君に言いたいのは、彼(舩後氏)が国会活動で支障をきたさないように、万全を期してスタッフを用意しろと。
これは国がやることじゃない。
人間のサポートほど強いものはないから。
発言のやり方や議事録などそういうようなことも含めて、それはスタッフの仕事ですよ。
万全を期して彼専従のスタッフを育ててればいい。
政党の責任としてね。

これが、僕が感じていた違和感の根本でした。
当選した二名からは、全盲でピアニストになったり、知的障害で書道の名人になるような方達のように自分で努力して何かを成し遂げようという気持ちやバッシングを受けて、その通りにならないように頑張るという意気込みが感じられません。
そして、れいわ新選組も、当選した後は他人任せで自分たちで何かをしようということもなく世論を煽るだけです。
国や省庁に要望を出すだけでなく、八代さんのように健常者議員に負けないつもりで活動していく必要があるんです。
それも、当選した二人だけでなく党としてです。