税金は使うだけ
税金というと「使う」ものというイメージがある。
しかしこれからは、少子高齢化が進み税収減が加速していくので、「徴収して使う」だけではなく「お金を産む」ことにも目を向けていく必要があると思う。
そういう意味で、東京都庁にプロジェクションマッピングでゴジラを投影して観光者を集めるという事業は興味深い。
小池都知事は毎年7億円の費用に対して試算上は18億円の経済波及効果があるという。
試算の内容はというと、プロジェクションマッピングを実施した際に訪れる人の飲食や宿泊などによる消費額を推計するなどして経済効果を算出したとのこと。
しかし、実は7億円というのは東京都庁の令和5年分だけで、令和6年分更に予算が増えて9億5千万、全てのプロジェクションマッピング事業(地域での取り組み支援を含む)の令和5年が22億9千万円、令和6年で25億6千万円の予算が計上されている。
この額の場合に、経済効果は48億円以上となるのだろうか?
そもそも、電通グループ会社や、博報堂グループ会社に東京都の税金を流すためだけの事業じゃないのか?という指摘もされている。
東京都のプロジェクションマッピングは税金を大手広告代理店に配るための手段だと言われている。
事実かどうかは、自分には判断できないが議会での討議を見ていると事実のような気がした。
そうすると、東京都にとって何らかのメリットがあるからということになる。
それが都民のためになることであれば良いが、私的な利益であれば、許されることではない。
しかし、事実は、どうであれ、税金を使って、お金を産む事業を東京都が行うというのは重要なことなので、正々堂々と行えるような内容に仕上げて欲しいものだ。
稼いでいる国々
稼いでいる国というと、石油産業で稼いでいるサウジアラビアが思いつく。
サウジアラビアは石油産業で稼いだお金を国内外の多くの企業やプロジェクトに再投資している。
サウジアラビアは石油があるから特別だろ?というのであれば、シンガポールはどうだろうか?
政府系投資ファンドを通じて国内外の企業に投資を行い収益を上げている。
これにより、政府は税収だけでなく投資収益からも収入を得ている。
それなら、日本だってやっていると言われるかもしれないが、シンガポールの人口は兵庫県レベルなので、兵庫県が投資ファンドで稼いでいると考えると凄いと思わないだろうか?
中国は国有企業で利益をあげているし、カナダは、鉱業や林業からの収益を得ている。
スイスは、為替市場での介入や外貨準備の運用を通じて収益を上げ、アメリカは、 国防総省やNASAなどの技術特許を商業化して収益化している。
そう考えると、小国の日本は、税収に頼らず、自力で稼ぐ仕組みを整えていかないと、少子高齢化に対応できなくなっていくはずだ。
首がまわらなくなってからでは遅いので、一刻も早く、道を作っていかないと今の子供たちにしわ寄せがくることになるので、それだけは避けたい。