チャンスに弱い日本人
日本人というのは「チャンスに弱い人」「リスクを負ってまでチャンスを手に入れようとしない」という傾向の人が強いのではないだろうか?
日本が誇る、大谷翔平はどうだろうか?
2024年はドジャースに移籍し、怪我のこともあり打者に専念。
その結果、5月初の時点で、打率・ホームラン数・打点等を含めた9部門でトップという成績だった。
しかし、得点圏打率は0割台・・・
このため、2024年5月はチャンスに弱い「大谷翔平」と言われていた。
チャンスに強い日本人
同じ野球選手でチャンスに強い人といえば「長嶋茂雄」を思い出す。
代表的なのは、天覧試合(巨人阪神戦)。
4対4で迎えた9回裏の巨人の攻撃。
天皇、皇后両陛下(昭和天皇と香淳皇后)の退出予定時間が近づいていた。
長嶋を2ストライク2ボールと追い込んだ。
その後の5球目、村山は内角直球を投げ込んだ。
長嶋はそれを見事とらえた打球は、レフトスタンド上段、ポールギリギリに吸い込まれていった。
これが長嶋の代名詞にもなっている天覧試合でのホームランだ。
実力の王、人気の長嶋
チャンスに強いと言われた長嶋の通算打率は305.これに対して通算得点圏打率は314なので、得点圏で打席に立つほど打率が高いことになる。
1年後輩の日本のホームラン王こと、王貞治の通算打率は301、通算得点圏打率は323なので、こちらもチャンスに強いと言われても不思議ではない成績だ。
むしろ、通算得点圏打率は王さんの方が上回っている。
そう、成績的には長嶋さんより王さんの方が上。
なぜか?
王貞治がホームランを打ち過ぎたので、4番にすると敬遠されてしまうため。
王さんのあとに長嶋さんだと敬遠はできない。
そして何より巨人の4番というのは成績だけではない。
相手チームにとって一番、怖いバッターが4番でなければいけない。
王さんが怖くないということではない。
王さんと長嶋さんを比べた場合、長嶋さんの方が何をするか読めない分、相手チームに与える恐怖心は強い。
それほど、長嶋さんは、打って欲しい場面で期待に応えてくれるイメージが強かったのだろう。
日本人というのは期待されると力が出せない人の方が多いのではないだろうか?
チャンスが、おいしいと思えるか?
4対3、1点負けている場面で迎えた9回裏。
2アウト満塁、ヒットがでればサヨナラの勝ちの場面。
しかし、凡退すれば負けが決定する。
こんな場面で打席に向かうバッターが自分だったら?と想像しただけで足が震えそうだ。
そう、普通は、そんな風に考えてしまうからチャンスに弱くなるのだ。
しかし長嶋さんは違ったそうだ。
「こんなに、おいしいチャンスを与えてくれてありがとう」という気持ちになっていたそうだ。
このことからも、チャンスを、どのように受け止めるのか?が大切なことがわかる。
子供の頃からネガティブラーニング
日本では子供のころから、「悪いことをイメージする」ことを繰り替えし教えられてきた。
- 勉強しないと将来、苦労するよ
- お金を貯めておかないと老後が大変だよ
- ここで失敗したらおしまいだよ
そして、極めつけは、「最悪のことを考えて行動するように」と繰り返し教えられてきたこと。
最悪の状態を考えて行動を決めないと後悔するよってこと。
そんな風に子供の頃から育てられてくれば、チャンスが巡って来た時に、最悪のことを考えてしまうのだから、良い結果がでるはずがない。
このような家庭が日本には多いので、長嶋さんのような人ができる可能性はまずないだろうし、チャンスに弱い人が自然と出来上がってしまうのは自然なことだと思う。
まず、親がポジティブにならないと、子供に対してネガティブなことしか言わないだろうから、できるだけ早く、ネガティブラーニングからポジティブラーニングに変えていかないと日本はいつまで経ってもチャンスが弱いと言われることになる。