seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

QC活動は時代遅れなのか?

QC活動が衰退した背景

日本の製造業ではQC活動は学校のクラブ活動と同じような存在だった。

そして、なぜかQC活動は昼休みや定時後といった業務時間外に行うのが通例になっていた。

自分の場合は、12時30分までに食事をして、12時30分~13時までQCサークル活動という感じだった。

当時は、QCサークルは自主活動だと言われていた。

当時は、みんな、自主的にやっているのか・・・だったら自分も参加しないわけにはいかないという感じだった。

今、考えると、いくら休憩時間も拘束時間だとしても、食事する時間まで削って、会社の改善業務を行なっていたので業務じゃないの?と思えてしまう。

そして、2007年11月30日名古屋地裁が「QCサークル活動」や「自発的なカイゼン活動」を業務と認める判決を下した。

発端は、2002年にトヨタ自動車に勤めていた社員が夜勤残業中に急死したことになる。

行っていた業務はライン外の品質検査業務。

奥さんによると不具合がないように各所の調整で走り回り定時で帰れることは皆無で周囲の同僚達が過労死を心配するほどだったという。

原告側の計算では直前の1ヶ月の労働時間は144時間35分。労基署の計算では45時間35分。

100時間近い差は国言い分では工場内に残っていた時間には雑談の時間も含まれており全ての時間を仕事に充てていたとはわからないというものだった。

しかし、長時間拘束していたものは、「QCサークル活動」「創意工夫ていあん活動」「EX会活動」「交通安全活動」と、いずれも会社の業務と関連するものだった。

そして、QCサークル活動に至っては人事評価の対象にもされていた。

しかし、トヨタ内部では、工場の生産に直結しない「活動」は仕事ではなく自己研鑽といった扱いだった。

自分も随分前にトヨタQCサークル活動の発表を見たことがあるが、実に上手にまとめられており、発表会の資料も丁寧に作られていて、どれだけの時間を費やしているのだろうか?と気になったことを覚えている。

名古屋地裁の判決でQCサークル活動の残業代を月2時間までから上限を撤廃している。

しかし、トヨタの管理職には以下のような通達も行われていた。

  • 会合はすべて業務扱いです。
  • 但し、会合は原則として月2時間まで。完了できない場合は翌月に繰り越して行ってください。
  • 活動が過度にならないように上司が指導してください。
  • 自分達で行う勉強会は職場では実施できません。工場の敷地外で行ってください。

QCサークル活動は業務だと認めた上で、今後は職場ではなく社外で行うようにと言ってるようなものだ。

トヨタは国内だけで5000のQCサークルがある。

この判決が下されたことで、トヨタ以外の会社でもQCサークル活動は沈静化したように思う。

QCサークルが悪い方に変わっていった

そうすると、全員参加だと業務に影響が出るので経験年数の浅い入社数年の社員に限定し更に各部署から1人を出して色んな部署からの寄せ集めでQC活動を行う形式に変わった。

一応という感じで管理職が各サークルの相談役として参加する。

全員参加のQCサークルが、メンバーを絞って行ない、色んな職種の人が集まってのQCなので業務に直結するものではなくなる。

自然とQCサークルは昔ながらの慣習を継承するみたいな形だけのものき変わってしまった。

QC活動は業務時間外に行っていることもあり日数がかかる。

このため、スピードが要求される現在には合わないので時代遅れだと言われたりしているが、改善の手順を学び、実際に行ってみることができるので、高度経済成長時代の日本で品質第一の基礎を築いた仕組みであることは間違いない。

QC活動に勢いが無くなっていくのと連動するかのように日本の企業レベルが低くなっていったのは単なる偶然なのだろうか?

本当にQC活動が現代には合わないというのであれば合うように改善した活動を作ればよいはずだが、単に否定するだけで改善しようとしないのが今の日本だ。

改善提案活動については正直、効果を認めることはできないがQC活動を繰り返し行ってきたことでPDCAにより「改善」を続けていくという考え方を叩き込まれたので身体が記憶してしまっているところがあり、それが仕事を行う上で今の自分の基礎にもなっているので単に時代遅れだということだけでQC活動が無くなってしまうというのは残念だ。

QC活動は日本の高度経済成長を実現した無形の「世界遺産」として申請しても良い仕組みだと思う。