ウニは薬臭い?
ウニを食べると多くの場合、薬のような独特の味が感じられる。
高いウニほど、感じなくなるが、それでもわずかに薬のような味が残っている。
このためウニが苦手だという人は少なくない。
一番美味しいウニは?
自分もその中の1人で食べられなくはないが、ウニが美味しいとか、食べたいと思ったことはない。
ウニ好きの人に、そんなことを言うと本当に美味しいウニを食べたことがないんだろうなと言われる。
それは確かにその通りかもしれないが、高級有名寿司店で食べた時も回転寿司で食べた時も気持ちに変わりはない。
ウニは世界中で800種以上、日本近海でも150種以上の生息が確認されているとか。
しかし日本で食用のウニとなると数が減って主に以下の6種類になるそうだ。
ちなみに、1番美味しいとされるウニは?と聞かれた時に、多くの人は、根室産のエゾバフンウニと答える人が多いのではないだろうか?
自分も正直、その程度の知識しかない。
ウニの四大ブランド
しかし、ウニには四大ブランドがあるそうだ。
- まるひろ橘の生うに
- 羽立水産の生うに
- 東沢水産の生うに
- 大千の生うに
そして、四大ブランドではいずれもキタムラサキウニをメインとしている。
エゾバフンウニは、オホーツク海と太平洋からの海流が交わる豊かな海域で育ち、身の締まりがほかのウニとは別格といわれ、ウニのなかでも最高品と称されている。
味は甘みが強く味も濃厚なことからファンが多い。
これに対してキタムラサキウニは、あっさりした上品な味わい。
ただし、エゾバフンウニはキタムラサキウニよりは小ぶりで、生産量も少ないことから価格がキタムラサキウニの3倍と高い。
エゾバフンウニも生産量が多ければ、話は変わってくるのかもしれないが、生息域が限られていることからキタムラサキウニの方が需要が高くなる。
また、「あっさりした上品な味わい」の方が万人受けしやすく、「甘みが強く味が濃厚」だと好き嫌いがはっきりしてしまうというデメリットもある。
そんなことから、四大ブランドではキタムラサキウニをメインにしているのだろう。
正直、ウニをあまり食べないため、ウニの知識は乏しく、四大ブランドさえ自分は知らなかった。
ウニが薬臭い理由
ウニは水揚げ後すぐに形が崩れてしまうため、一般的にミョウバン水に漬けられる。
ミョウバンは殺菌効果があり、形崩れを防ぐ役割を果たすが、同時に独特な臭みを持っている。
これが、ウニに薬臭さを感じさせる原因の一つになる。
特に品質の悪いウニほど、形を保つために大量のミョウバンが使われることが多いので、強い薬臭さが発生してしまう。
ミョウバンは、一般的に「硫酸カリウムアルミニウム」のことを指す。
硫酸カリウムと硫酸アルミニウムが化合したもので、日本では古くから様々な用途に使われてきた食品添加物になる。
わかりやすく言うと、アルミニウムと鉄が硫酸と結合してできた物質ということ。
漬物の色を鮮やかにしたり、サツマイモや栗の煮崩れ防止、ウニの色を良くしたり、タンパク質の凝固を早めたり、微粒子を吸着して水を透明にしたりする性質もある。
ミョウバンを使わないウニ
ウニには、ミョウバンを使わない生ウニと塩水ウニも存在する。
「生ウニ」というのは、水揚げ後に殻から取り出され、最低限の加工しかされていないもの。
このため鮮度を保つのが大変なのでどうしても高価になりがちで、しょゆみ期限も短い。
塩水ウニは、水揚げし、殻から外したウニをすぐに海水と同等の塩分濃度の塩水につけ、パック詰めしたもの。
ミョウバンを使用しないため、ウニ本来の旨味と甘味が楽しめ、また塩水に浮かんだ状態であるため、型崩れや色変わりがしないのも特徴。
ただし、賞味期限が短くミョウバンを使用するものよりも高価。
ウニ本来の味を味わいたい場合は、やはり「生ウニ」が一番で次が「塩水ウニ」で最後が「ミョウバンを使ったウニ」ということになる。
薬臭くないウニが食べたいという場合は、ミョウバンを使わない「生ウニ」または「塩水ウニ」となる。
考えてみれば全く薬臭くなかった「ウニ」というのは数回しか食べたことがない。
しかし、薬臭くなかったウニを食べても「美味しい」とは思えなかったし、また食べたいとは思えない。
このため、今でも、ウニを積極的に頼むということはない。