スカイスクレイパー?
株式会社スカイスクレーパーという会社を知っているだろうか?
自分は正直知らなかった。
しかし、CoCo壱と聞いたらどうだろうか?
この名前なら知らない人は少ないはず。
そのCoCo壱の社長に22歳のアルバイト店員、諸沢莉乃さんが抜擢されたという。
しかし、これは正確な理解ではなかった。
「CoCo壱の社長」ではなく「CoCo壱のフランチャイズの社長」というのが正確な理解になる。
わかりやすく説明すると、CoCo壱のFC本部は「株式会社壱番屋」であり、スカイスクレイパーは、CoCo壱から「のれん分け」された会社になる。
スカイスクレイパーは、1都8県でカレーハウスCoCo壱番屋を中心に27店舗を運営している。
社員は41名、アルバイトが372名、総勢413名の会社になる。
ブルームシステム
CoCo壱には「絶対に失敗させない」という想いから「ブルームシステム」という独立支援の制度がある。
経験ゼロ・自己資金ゼロでも失敗させない仕組みがブルームシステム。
これは、まず正社員として壱番屋に入社し、安定した収入があるなかで、店舗のオペレーション、人材マネジメントや経営ノウハウをみっちり学んでから独立する制度。
「ブルーム」には「開花」という意味があり、当社独自の「のれん分け制度」で開花して欲しいとの想いが込められている。
そして、FCでは珍しく入社時の資金、独立後のロイヤリティが不要になっている。
【出典】ブルームシステムの特長|独立支援制度(ブルームシステム)|株式会社壱番屋
接客のスペシャリスト
スカイスクレイパーは、前社長の西牧大輔氏がブルームシステムを使用して1996年に設立された会社。
そして、諸沢さんは、高校一年生(15歳)の時に横浜市の自宅近くのCoCo壱(スカイスクレイパー)でアルバイトを始めて現在で8年目。
高校三年生の時にはCoCo壱の全国接客コンテストに出場し最終審査まで進んだ。
高校を卒業後、物心ついた時からの夢である「人の為になる事をする」を追いかけてボランティアの世界に足を踏み入れた。
しかし実際に足を踏み入れてみると心に迷いが出てきたので西牧前社長に相談した。
その時に「遠くの人を幸せにするのは素晴らしい事、だけど近くの人を幸せにする事も素晴らしい事」と言われて、私の人生に良い影響を与えてくれた皆さんのようになろうと思って、スカイスクレイパーに戻った。
19歳の時には「ココスペシャリスト」の昇給試験で全国のCoCo壱に15人しかいなかった、接客のスペシャリストに合格した。
ココスペシャリストというのは、CoCo壱番屋における全国共通の技能資格で、接客と調理の2種類がある。
それぞれ初級・3級・2級・1級・スターの順にランクアップしていき、ランクアップすると、時間給がアップする。
諸沢さんは、接客の最高ランクである「スター」に合格した。
社長になりませんか?
「スター」合格のお祝いの席で、西牧社長から「社長になってくれませんか?」と打診された。
諸沢さんも最初は冗談だと思っていた。
高卒であまり勉強も運動も、これといって取り柄がなくて、こんな私にビッグなチャンスが来て不思議とワクワクする気持ちがとても強くて、冗談でも、冗談でなくても本気にさせてやるくらいの気持ちで「はい是非」と即答したという。
直ぐに社長になったわけではなくて、社長になると決めてから約2年、社長に付いて経営について学び、2024年5月1日、スカイスクレイパーに入社すると同時に「社長」に就任するというまるでドラマや漫画のような展開となった。
なぜ抜擢したのか?
なぜ、抜擢されたのかを西牧前社長に聞くと以下のように答えていた。
若いからとかキャリアが長いからとかで、区切ってないだけです。
15歳の子が「私、店長やりたいんです」よし頑張ろうというだけで、全ての人に対してチャンスは・・・やってみたいことがあったらやろうよって。
実際、CoCo壱のJR大森駅東口店の店長は15歳で抜擢されているのでまさに有言実行という感じだ。
あと、以下のようなことも話されていた。
何を社長に求めるかなぁって書き出してみて
- うちの会社が好き。
- 僕(西牧会長)の考え方に共感して頂ける。
- 現場ができる。
- 素直であって信用できる。
これにドンピシャだったのが諸沢莉乃さんだったという。
そして社長になってもらった人を信用するより、信用できる人に社長になってもらうとも話している。
余談だが、諸沢さんは、研修を終えた新入社員に対して「まつげパーマに連れていく」という言葉を贈ったという話を前社長がしていた。
僕なら焼肉に連れていくとかだけど、22歳の社長になる人じゃないとでない発想だと思う。
年齢は関係なく彼女なら絶対に今までより良くなると思って託した。
前社長は諸沢さんに対して絶対の信頼を置いている感じだ。
どんな社長を目指すのか?
諸沢さんは以下のように答えた。
- それこそ、一緒に現場に入って、一緒にお昼ピーク回して、一緒に汗かいて、今日、頑張ったねぇ~お疲れ~とか言って、なんかちょっとラスト作業終わったあと、ラーメン食べに行ったりとか、なんかそういう遠い存在じゃなくて、近い・・・ずっと現場に寄り添って一緒に話してっていう近い社長でいたいなと思います。
諸沢さんが、今後、どんな社長になっていくのか?というより、CoCo壱がどんな風に変化していくのか?
今後のCoCo壱に注目していきたい。
以下は、前社長が新社長にインタビューする形式の動画なので紹介しておきたい。