松本清張作「ガラスの城」がドラマ化。
松本清張さんの、お名前は存じ上げている。
推理小説のイメージがあるが実際には読んだことがないので具体的なイメージが自分の頭の中で全く出来上がっていなかった。
そして、何の予備知識もなかった。
高嶋さんと波留さん?
何も知らないくせに「ガラスの城」を見ようと思った。
なぜか?
2024芸能人格付けチェックに回答者として高嶋政伸さんと波瑠さんという馴染みのないペアが出演していた。
波瑠さんは独特の雰囲気を持ってる人で、この人が出演するというだけで、どんなドラマかわからなくても何となく見てみたくなる。
同じような人が男性だと、阿部寛さん、木村拓哉さん、柴田恭平さんと色々な人がいるが、女性だと今は天海祐希さんくらいしか頭に浮かんで来ない。
番組内でドラマ「ガラスの城」で2人が共演しているという説明があって、どんなドラマなんだろう?と興味を持った。
理由はそれだけ。
少なくとも高嶋さんと波留さんの恋愛ドラマではないはず・・・
高嶋さんは最近、意地悪な役柄が多いので波留さんに意地悪なことをする役なのだろうと勝手にイメージしていた。
格付けチェックの放送日が地震の影響で元旦から6日に変わっていたので、2024年1月4日に放送された「ガラスの城」は既に終わっていた。放送後の番宣で出演する一風変わった演出だ。
まずは格付けチェックが見たかったので、ドラマは翌日、見てみようと思った。
見て面白くなければ、見るのを止めればいいだけ。
それよりもあとから見ておけば良かったと後悔する方が嫌だ。
いきなり事情聴取?
ドラマは、いきなり主演の波瑠さんが演じる女子社員が刑事の事情聴取を受ける場面から始まった。
都心に颯爽と、そびえ立つガラス張りの高層ビル。選りすぐりのエリートが集う、まさにガラスの城ともいうべき華やかさを放つ大手商社を舞台にしたドラマ。
ドラマの詳細は割愛するが、普段、ドラマの設定には寛大な自分でも、それはないだろう?と思える設定がいくつもあった。
まず、刑事が事情聴取をしている状態で犯人かもしれない相手に捜査資料を渡したり、犯人探しに興味を持った主人公と一緒に捜査するなんてことは通常では考えられない。
「ドラマなのでリアルさを求めてはいけない。夢を見ているくらいの感覚でみないとドラマなんて全て現実離れしているので見れなくなってしまう」という持論を持っている自分でも設定に現実味がなさすぎて興醒めしてしまった。
それでも、何となく惹きつけられる脚本だったので、ついつい最後まで見てしまった。
警察との接点
ドラマを見ていて思ったこともある。
大きな会社になればなるほど色んな人がいるもの。
現在勤めている会社で出世することしか考えない人、今の会社を踏み台にしてさらに上の会社へのステップアップを考えている人、逆に、できるだけ穏やかに働きたい人もいる。
つまり人の数だけ思惑が交錯している。
それでも殺人事件が起きるなんてことはドラマや映画の中だけだと思っている。
刑事事件なんて精々が夜中、会社に泥棒が侵入したといった程度ではないだろうか?
過去に何度か、刑事、警察官と話すことはあった。
といっても個人的なことではなく、業務として。
社有車の事故で、こちらに過失はないことを立証するためにドライブレコーダーの映像を見てもらったり、ひき逃げ犯が会社の前の道路を逃走していったので防犯カメラの映像を提供して欲しいといった内容まで情シスの仕事にされてしまっていたからだ。
あとは、随分前になるがホームページが悪意のある誰かに書き換えられてしまい、その際に悪質なコードが埋め込まれていてホームページにアクセスしたユーザーに感染してしまうという被害を受けたことがあった。
その時に、悪質だということで警察に通報したところ、刑事らしき人が2名来られて事情を聞かれた。
一人は、いかにも刑事といった感じで40代くらいで目つきの鋭いタイプで、もう一人は、物腰の柔らかい若い人だった。
つい、電話がかかってきたときに、「いつもお世話になっております」と言ってしまって、これでは、警察にいつもお世話になっているみたいじゃないかと内心、自分を責めていた。
どちらもコンピュータに詳しいようには思えなかった。
その時に、お決まりの海外のサーバーを経由して行っているので犯人を特定するのは難しいと言われて思わず、笑いそうになったのを覚えている。
きっと、自分の意志とは関係なく配属されて真面目に研修などを受けて勉強している姿を想像したら、つい可笑しくなってしまった。
会社で殺人事件なんて・・・
話が横道にそれてしまったので話を戻すと、会社の中で日々、起こり得るのは出世レースや、男女関係のもつれ、人間関係によるいざこざ・・・
それでも殺人事件なんてことは身近では起きるなんてことは想像もできない。
もし会社で殺人事件が起きたとなると、怖くて仕事にならないだろう。
何食わぬ顔をして近くで殺人犯が仕事をしているかと思うと、自分にも危害が加えられるかもしれないと強い不安を感じるだろう。
ましてや、ドラマのように殺人犯を探そうなんて気にはならならない。
なぜ、そんな気持ちになれるのか?
理解不能だ。
ただ、事件にならないだけで、会社の中では、実はドラマでは描かれないようなことも起きているんだろうなぁという気はする。
自分は、その手の情報は意図的に遮断するようにしているが、それでも信じられないようなことが起きているという情報が入ってきてしまう・・・
自分の会社ではないが、経理部門の人が横領で懲戒解雇、購買部門の人間が特定の業者と密な関係でキックバックを受けているといったことはよく耳にする。
また、ここでは書けないような内容もある。
情報を積極的に取りにいかない自分でさえも色々な情報が入ってくるのだから、実際には自分の想像をはるかに超えることが起きているのは想像できる。
リアルなガラスの城は小説やドラマより怖いのかもしれない。