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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

テレビのニュースは主語がないんだよ

佳子さまがペルーへ

テレビのニュースを見ていると、毎日のように、佳子さまの南米ペルー訪問の内容が報道されている。

  • ペルーに向かう搭乗した飛行機が機体トラブルで2度にわたって欠航し、50時間余り、アメリカで足止め。
  • 記念式典に出席した。
  • マチュピチュを視察した。

これだけだと、何のためにペルーを訪問されたのかが、わからない。

5W1H

ニュース原稿を書くときには、情報を正確に伝えるために5W1Hが重要だといわれていたはず。

  • When (いつ): この出来事がいつ発生したのか、いつ行われたのか?
  • Where (どこ): 出来事が起こった場所や、関連する場所はどこですか?
  • Who (誰): この出来事や情報に関与している主体や関係者は誰ですか?
  • What (何): 目的、何が起こったのか、何が行われたのか、何が関連しているのか?
  • Why (なぜ): なぜこの出来事が起こったのか、なぜこの行動がとられたのか、なぜなどの理由は何ですか?
  • How (どのように): 出来事がどのようにして発生したのか、どのような手段やプロセスが関与しているのか?

5W1Hはイギリスの新聞記者が考案したものだというので、報道の世界が始まりのはず。

それが、日本の報道では軽視されているように思う。

実際に佳子様がペルーを訪問したという以下のニュースを元に5W1Hで分解してみた。

秋篠宮家の次女・佳子さまが南米・ペルー訪問のため乗っていた飛行機が、機体のトラブルにより、日本時間の午前9時半ごろ、経由地のアメリカ・ヒューストンの空港に引き返しました。

【出典】佳子さま搭乗の飛行機が機体トラブルでヒューストンへ引き返す レーダーの一部が機能せず | TBS NEWS DIG (1ページ)

  • WHEN:日本時間の午前9時半ごろ
  • WHERE:記載なし
  • WHO:秋篠宮家の次女・佳子さま
  • WHAT:南米・ペルー訪問
  • WHY:機体のトラブル
  • HOW:経由地のアメリカ・ヒューストンの空港に引き返した。

正直、当てはめるのに苦労した。

直ぐに当てはめられたのは、WHENとWHOだけ。

WHEREに至っては全く書かれていない。

あとは、無理やり押し込んだような感じだ。

WHENも時間しか書かれていないので、日まではわからなかった。

つまり、まともに書けているのはWHOだけ。

5W1Hでニュース記事を書くような時代ではないのかもしれない。

メディアが伝えたいのは、佳子さまが搭乗した飛行機がトラブルで引き返したということだけで、何のためにペルーに向かったのか?とか、いつ、どこで、なぜ起きたのか?といったことは、書いてる方にとっては、どうでも良いことで、ただ佳子さまがペルーに向かったという報道では誰も見てくれないので、「佳子さまにトラブル」というキーワードだけがあれば十分なのだろう。

なぜペルー向かったのか?

しかし本来、報道は正確な情報が求められるものであり、なぜペルーに向かったのか?といった必要な情報が抜けてしまうというのは、どうかと思う。

調べてみると、ペルーと日本との外交関係樹立から150年の節目を迎えたことから公式訪問となったということだった。

では、具体的にどのようにすれば、良いのだろうか?

そのまま、置き換えるなら以下のようになるかと思う。

  • WHEN:2023年11月2日の日本時間午前9時半頃
  • WHERE:経由地のヒューストンの空港
  • WHO:秋篠宮家の次女・佳子さま
  • WHAT:ペルーとの外交関係樹立から150年の節目
  • WHY:機体トラブルにより
  • HOW:引き返した

5W1Hというのは、相手に情報を正確に伝える時に情報が抜けや誤解がないようにするためのチェックリストのようなもの。

しかし、マスコミは正確に伝えることより、注目されるように、むしろ誤解を生じさせるような伝え方を多用するようになった。

それは、Youtuberが、意図的に実際の内容とは異なる、誤解を生じさせるような内容のサムネで注目させようという手法に共通する。

ビジネスの世界では、How Much(いくら)を追加した、5W2Hや、さらに、How Many(規模)を追加した5W3H、Whom(誰に)、Whitch(どちら)を追加した7W2Hといったものまで登場していることからも、5W1Hのようなフレームワークの重要性は認められているように思う。

テレビのニュースは主語がないんだよ

日本では、よく主語がないということを言われる。

主語というのは、誰が?という意味で使われる場合があるので一見すると5W1Hでいうと、WHOだと思われるかもしれないが、何が?という意味でも使われる。

では、WHATに当たるものか?というとそれも違うと思う。

主語がないというのは、話の流れから省略しても伝わる場合があるからだと思う。

たとえば、以下の会話だけを読んで内容が十分に理解できるだろうか?

昨日のテスト何点だった?

70点だった。

  • 何のテスト?
  • 誰に点数を聞いているのか?
  • 70点は誰の点数なのか?
  • 誰が話している?

では、以下のような状況説明を付け加えたらどうだろうか?

同級生の男女2人が昨日の数学のテストについて話している会話になる。

昨日のテスト何点だった?

70点だった。

日本語は状況が理解できていれば述語だけで話が通じてしまう。

つまり、主語=状況とも言える。

このため、状況が共有できている条件が揃った状態で会話をする場合、主語は不要になる。

状況を伝えるために、5W1Hだったり、7W2Hといったフレームワークが必要なわけで、今のテレビのニュースというのは、日本語だと主語がないねと言われてもおかしくないようなものが多いと思っている。

佳子さんの報道の場合だと、なぜペルーに行ったのか?という内容は主語の部分であり、機体トラブルで、引き返したというのは、述語になる。

つまりテレビニュースは主語がないんだよってことになる。