一休さんのアイキャッチ映像
ふと、ある言葉が頭に浮かんできた。
アニメ「一休さん」で、CMに入る時に流れるアイキャッチ映像のセリフ。
肘枕をしながら寝ている一休さんに兄弟子達が「一休! 一休! 一休!」を慌てながら声をかける。
すると、一休さんが、「あわてない、あわてない、一休み、一休み」と笑いながら言うセリフがある。
子どもの頃は、番組の途中なのに、一休さんが横になって寝ている。
心配した兄弟子が、慌てて、一休さんに声をかけた。
一休さんにすれば自分は主役で、番組の前半15分間、全力で頑張ったんだから「一休み」させてよってことだと思っていた。
しかし、歳を取るに連れて奥深い言葉だと思えるようになった。
あわてない
「あわてる」は、心が荒れると書いて「慌てる」になる。
波が荒れている状態で船をコントロールするのは大変なことだ。
慌てて良い事なんて何一つない。
しかし、トラブルが発生したら、一刻も早く、解決しないといけない。
サーバーが突然、停止してしまった。
原因不明だ・・・
先輩たちがトラブルを解決しようと必至になって、原因を追究しようと頑張っている中で、「あわてない、あわてない 一休み、一休み」等と、一休みしていようものなら、叱られることは間違いない。
一休さんなら、どうするだろうか?
まず、慌てない、つまり、心が荒れないように気持ちを落ち着かせようとするはず。
呼吸に意識を向ける。
吸った、吐いた、吸った、吐いた・・・
心が整ったところで、何をするべきか考えて対処していくのだろう。
慌てないでと簡単に言うが、一刻を争う緊急時に呼吸に意識を向けることが、できる人が、どれだけいるだろうか?
練習もしないで、いきなり慌てないようになろうと思うことに無理がある。
まずは日常の小さなトラブルで、練習して慣れていくことで、大きなトラブルでも慌てないで済むように日々、地道に精進することが大切だと思う。
一休み
もう一つ、一休みという言葉がある。
忙しい時は、つい遅くまで残業をしたり、休むことを惜しんで仕事をしたりする。
忙しいという漢字は、「心を亡くす」と書く。
まさに、文字通り、心を亡くしている状態。
心を亡くすほど、何かをしても、やはり良い結果には繋がらない。
だから、一休みして心を取り戻そうということだと思う。
「あわてない」と「一休み」という言葉は、毎日、休みもろくに取らずに、遅くまで仕事をしている人達に伝えたい言葉だ。