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【今週のお題】三省堂国語辞典を読んでます。

今週のお題「最近読んでるもの」

「亜」とは?

最近、数分の待ち時間があると、スマホを取り出して、三省堂国語辞典を読んでいる。

特定の言葉ではなく、最初から順番に一つずつ。

最初は、あ「亜」だった。

意味は「・・・に次ぐ」

「亜」を使う言葉で最初に思いついたのは「亜熱帯」で、意味を説明して欲しいと言われると、改めて意味を考えたことがなかった。

国語辞典によれば、熱帯に次ぐという意味で「亜熱帯」のようだが、これだけだともう一つわかりにくい。

熱帯に次ぐ暑さだから亜熱帯という意味。

もう少し具体的に言うと、赤道に近い地域が熱帯に対して、赤道から少し離れた緯度でうと20~30度の間の地域のことを指す。

次にアジアは「亜細亜」と書く。

意味の通り解釈すれば細亜に次ぐものになるが、アジアに関しては、意味はなく、どうやら当て字のようだ。

古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが紀元前5世紀に著した著書「歴史」においてアッシリア帝国の西方に位置する地域を指すために使われたのが起源とされている。

※詳細は定かではない。

彼はこの地域を「アシア」と表記した。後にローマ帝国や中世ヨーロッパの地理学者たちがこれを引き継ぎ「Asia」として定着した。

日本ではカタカナが使えない時期があり、その時に、漢字名にする必要があったことから当て字で「亜細亜」となったということのようだ。

ちなみに、アジアとヨーロッパの略称は亜欧ということになる。

次に、「次亜塩素酸」

コロナ禍ではお世話にならなかった人はいなかったのではないだろうか?

亜というのは化学の世界では酸素原子が一つ少ない場合に付けるもの。

このため、下図で、亜塩素酸と次亜塩素酸を見比べると、亜塩素酸よりOが一つ少ないことがわかる。

そして、更に次が付加されると酸素原子が二つ少なくなる。

塩素酸より酸素原子が二つ少ないため「次亜」という文字が付加されていることになる。

国語辞典には使用例は書かれていなかったが「亜人」という漫画もある。

死ぬことが出来ない新しい人類が亜人

次世代の人、つまり今の人が進化したという意味で「亜」が使われている。

亜という漢字一文字でも、これだけの情報量がある。

熱帯の次に暑いから亜熱帯、酸素分子が一つ少ない塩素だから亜塩素、進化した次世代という意味で使っている亜人亜細亜のように、音だけを使いたくて当て字になってる場合もある。

このように日本語というのは、意味を知ってるようで実は知らないという言葉がたくさんあることを国語辞典を読んでいて思った。

なぜ、国語辞典は多数存在するのか?

国語辞典と言えば広辞苑だが、日本国語大辞典は全13巻で構成されている日本で唯一の大型辞典になる。

他にも、大辞泉、岩波国語辞典、集英社国語辞典、旺文社国語辞典、明鏡国語辞典、新選国語辞典、現代新国語辞典、ベネッセ表現読解国語辞典。

三省堂だけでも、三省堂国語辞典以外にも、大辞林新明解国語辞典、現代新国語辞典と大きく4種類も出版されている。

なぜ、こんなに国語辞典は存在するのだろうか?

国語辞典は言葉の先生のような存在と考えた場合、先生には色んなタイプの人がいるのと同じだと言えるのではないだろうか?

先生に個性があるように、国語辞典も個性を持たせて作られている。

新しい言葉が得意なもの、学校の教科書に出てくるような用語に特化したもの、分かりやすさを追求したもの・・・それぞれ特徴がある。

小説「舟を編む」で「島」の意味を問われて、「海にぽっかり浮かんでいるもの」と答えて叱られる場面がある。

これでは、鯨が海面に浮いていても、丸太が浮かんでいても島になってしまうからだ。

三省堂国語辞典には「四方が水で かこまれた陸地」と書かれているが、広辞苑では、「周囲が水によって囲まれた上陸地」と書かれてある。

国語辞典ではないが、全25巻日本大百科全書では「周囲を水域(海・湖・河川など)によって完全に囲まれ、かつ最小の大陸であるオーストラリアよりも小さい陸地。」詳細に書かれていたりする。

ちなみに、三省堂国語辞典は、「要するに何か?がわかる」という点に心がけて語釈を書いている。

最初に「亜」について書いたが、実際には以下のように書かれてあった。

一(接頭)
…に次ぐ
「━熱帯・━塩素酸〔=塩素酸という物質の、酸素原子が一つ少ないもの。→:次亜〕」
二(名)
〘地〙←アジア(亜細亜)。
「━欧」

【出典】三省堂国語辞典(第七版)より

これが、大辞泉では、以下のように、かなり詳しく書かれている。

常用漢字] [音]ア(漢) [訓]つぐ
1 上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。「亜将・亜聖・亜流・亜熱帯」
2 化合物中で酸化の程度の低いものを表す語。「亜硝酸・亜硫酸」
3 生物学で、生物分類上の基本単位である門・綱・目・科・属・種などの、それぞれの下位単位を表す語。「亜種・亜門」
4 アジア。「欧亜・東亜」
5 (「堊あ」の代用字)白い土。「白亜」
[名のり]つぎ
[難読]亜細亜アジア・亜米利加アメリカ・亜剌比亜アラビア・亜爾然丁

出典】小学館デジタル大辞泉

イラストと写実主義の絵

つまり、手っ取り早く、意味が知りたい時には、三省堂国語辞典のような国語辞典が必要になり、詳しく知りたいのであれば、大辞林のような辞書が必要になってくる。

それは、モナリザの絵を詳しく再現することで、どんな絵なのかを伝えるということと、イラストでこんな感じの絵だと伝えるかの違いに似ている。

何かを調べている時というのは、急いでいる場合が多い。

急いでいる時に、詳しく書かれているものを読むというのは辛い。

だから、簡潔にまとめられているものが必要になってくる。

簡潔にまとめられている国語辞典は、使用頻度の高いものや、用途に応じた内容に絞られているので、詳細に書かれている国語辞典と比べると掲載されている単語の数もかなり少ない。
だから、国語辞典は通常使いのものとは別に詳しく調べられるものが必要だった。

学生の頃は、国語辞典はどれでも、同じだろうと適当に手に取って大きな文字で書かれているもの、読みやすそうなものを選んでいた。

それが、三省堂の国語辞典で結果的に自分にあったものだったように思う。

中学1年生の時の英語の先生が英和辞典は「これが良い」と教えてくれていたことを思い出した。

その頃は、選ぶ手間が省ける程度にしか考えていなかったが、先生にすると「これが良い」と思える何かがあったのだと思う。

多分、「これが良い」という理由も話していたはずだが、当時は聞いておらず、時点の図柄と出版社、タイトルだけを記憶して買いに行った記憶がある。

その後、高校に入ると、英和辞典ではなく、英英辞典で調べるようにしなさいと言われて、英英辞典を買った。

そして国語辞典だけではなく、漢和辞典も使うようになった。

共通して言われたのは、「調べること」が大切だということ。

調べるときに、紙の辞書だとページをめくる時に、その時は関係のないことも自然と目に入って来る。

それが自然と記憶に残っていく。

これが大切だと教えられた。

しかし、今は、スマホやパソコンで、検索キーワードを入力すると簡単に調べられる。

辞書では調べられないような内容でも、Chat-GPTなら簡単に教えてくれるので、更に簡単に調べられるようになった。

今は、スマホで国語辞典を読んでいるが、やはり、紙で読むということが大切なことなのかもしれない。