ガムの需要が減った
チューインガム協会の統計データを見ていると、2004年の販売額(1317億円)から右肩下がりで、ドンドン下降し2020年には510億円にまで下がり、約6割減となっている。
【出典】日本チューインガム協会
「チューインガム」という言葉を何気なく使っているが、「チューイン」というのはどいう意味なのだろうか?
英語で書くと、「Chewing gum」となる。
噛むことを英語ではChewと言う。噛むというと、Biteという言葉も思い浮かぶかもしれないが、ChewとBiteには以下のような違いがある。
- Chew :砕くための「噛む」・・・口の中にあるものを噛む
- Bite :切ったり、千切ったりする「噛む」・・・口の外にあるものを噛む
以上から、前歯を使って噛む場合は、Bite、奥歯を使って噛む場合は、Chewということになる。
ちなみに、Gumは、ゴムという意味になる。
噛んで食べるようになった
噛むということを書いていて思ったのが、最近、自分は、しっかり奥歯で噛んで食べるようになったなぁということだ。
これを聞いておかしいと思う人がいるかもしれない。
それは、一般的には、柔らかい物を食べることが多くなり噛む回数が減っていると言われているからだろう。
確かに、蕎麦を食べている時を思い出すと、蕎麦を噛むのは、蕎麦の味を確認したいときや、蕎麦が意外と長くて一気に飲み込むことができない時に口の中で嚙み切るときだけになる。
通常は、特に何もなければ噛まずに、そのまま飲み込んでしまう。
だから、蕎麦では「喉越しがいい」という表現をするのだと思う。
「喉越しがいい」というのは、どういうことなのか?と言うと、自分なりの答えだと、以下のようになる。
食べ物の場合は噛まずに飲み込むと喉に痞えたりして咳き込むことになる。
しかし蕎麦・素麺といった麺類は、ツルツルと口の中に入り噛まなくてもまるで飲み物のように喉を通っていく。
喉が渇いている時に、水を飲んだ時に身体中に水分が浸透する感覚が喉越しだと思う。
日本では蕎麦を途中で噛み切るより、啜って切らずに口に入れる方がマナーが良いとされている。
まぁパスタでも口の中に入りきらないような量を巻き取り途中で噛み切るという場面を見かけるが、あまり見た目は良くない。
噛み切らずに、音が出ないように啜っている場合もあるが、こちらも見栄えはよくないので、一口で口の中に入れるというのは2人以上で食べる際には他の人を不快にさせないという意味で大切なことだと思う。
余談が長くなってしまったが、噛まずに食べるものが増えているので噛む回数は減っているのが普通だと思う。
ゆっくり食べれば、噛んで食べる
なぜ、噛むようになったのかと言えば、食事の量と種類を減らし、急いで食べる必要がないようにしたからだ。
外食でも家食でも同時に何種類かの料理があったとしても、出されるのは、同時のことが多い。
このため、冷めたり、温くなると美味しくなくなる場合があるので、急いで食べないといけないと慌てることになり、噛む回数がどうしても減ってしまう。
しかし、品数を減らせば、慌てずに食べることができるので、特に意識しなくても自然とゆっくり噛んで食べるようになる。
噛むことで唾液が分泌され、虫歯予防にもなり、消化にもよい。
噛むことを意識するようになったのは、ゆっくり食事をしたいという理由だけではなく、もう一つある。
コンビニで700円以上購入するとクジが引けるということで、引いたらボトルガムが当たった。
ボトルガムには100粒位入っていると思うが、毎日1粒噛んでも100日かかってしまう。
ボトルガムが家に来たことで食事の後にガムを噛むようになった。
チューインガムの味が無くなるまで噛むと1粒で100回以上噛むことになる。
これを毎日繰り返していると、噛むことが楽しくなってきた。
ゆっくり食べるようになったら、自然と噛む回数が増えたと書いたが、ガムを噛むというのも効果があったのだと思う。
ガムの販売額が減ったことで日本人の噛む回数が減っているのは間違いないと思う。
食事で噛む回数だけでは不十分だと言われている。
このため、ガムで不足する分を補うことが必要になる。
歯磨きが大好きな日本人
日本人は、子供の頃から歯磨きが習慣になっているため、世界的に虫歯が少ない国になっていても良いはずだが、実際は逆で、先進国の中でも虫歯は多い国になる。
自分は定期的に歯科健診に行っているが、それでも毎回、磨き残しがあるということで指導を受けている。
つまり、歯磨きが不十分なまま毎日、繰り返しても磨き残しのある部分が歯石やプラークとなる。
歯石になってしまうと歯医者に行かないと自分では除去できなくなる。
すると細菌が溜まりやすくなり虫歯になり、更に進行すると歯周病になる。
毎日、歯磨きをしていても、磨き残しがあれば意味がない。
キシリトール配合のガムを噛む
歯磨きだけでは、どうしても磨き残しができてしまうため、歯磨き前にガムを噛むことが歯磨きを補助してくれる。
歯にはキシリトールが有効だというのは、知られていることだと思う。
虫歯ができるのは、口の中に存在する虫歯菌が歯などに付着したたんぱく質や糖分を吸収する際に、酸を放出するので、それにより歯の表面が溶けることで虫歯になっていく。
ガムを噛むだけでも、唾液が分泌される。
唾液には、酸が中和され、酸で溶かされた歯を修復する効果がある。
キシリトールは虫歯菌が吸収しても酸を作り出すことができず、虫歯菌が鳩首したものを分解して生成するバイオフィルム(歯の表面のヌルヌル)も作り出すことができないので、できた歯垢は歯磨きで簡単に落とせるようになる。
このため、食後に5分間、キシリトール配合のガムを噛むことが歯磨きの補助になる。
歯磨き前に、キシリトール配合のガムを噛むということは、歯磨きを助ける働きがあるので、歯磨きとセットで行うことが虫歯予防に効果的と言える。
日本人は、歯磨きの方法、噛む回数が少ないといったことが、虫歯や歯周病の割合を多くしている原因だと思う。
これをキッカケに、「噛む」ことを考えてみてはどうだろうか?
ちなみに、キシリトール配合のガムを購入する際には、店頭に並んでいる市販品ではなく、歯科専用と表記されているものを購入した方が良い。
何が違うかと言うと、歯科専用には、キシリトール以外の甘味料は含まれておらずキシリトール100%となっているが、市販品にはキシリトール以外の糖質が含まれていてキシリトールの効果が100%出せなくなる。