食堂運営会社の倒産
食堂運営会社の「ホーユー」が2023年9月(夏休み明け)から契約する全国約150施設のうちおよそ半数への食事提供を中止していたことで混乱が起きていた。
突然、給食が提供されなくなったのでは、利用していた人達は、対応に困ったことだと思う。
そして破産発表となった。
破算理由は、新型コロナウイルスによる利用者の減少、物価高騰・人件費増により経営状態が悪化していたことに加えて、5類感染症移行に伴う返済猶予等の終了に伴い急速に状況が悪化し,やむなく会社破産を選択するに至ったようだ。
弊社は,学校,学生寮,官公庁,企業などの食堂・給食業務を主たる事業として,皆様に長年ご利用頂いておりましたが,新型コロナウィルス感染症の流行による利用者減少,昨今の物価高騰及び人件費増により経営状態が悪化しておりました。そのため,経営の合理化を図りながら財務状況改善の努力をしておりましたが,同感染症の5類感染症移行に伴う返済猶予等の終了に伴い,急速に状況が悪化し,やむなく会社破産を選択するに至りました。
倒産の原因は?
報道では、新型コロナウイルスの流行による利用者減や物価高騰などで、経営状態が悪化していたという内容だったが「ホーユー」のお知らせの文面からすると会社破産を選択するに至ったのは「5類感染症移行に伴う返済猶予等の終了」が致命的だったようだ。
返済猶予等の終了とあるのは、おそらく、「ゼロゼロ融資」ことなのだろうか?
「ゼロゼロ融資」とはコロナ禍により、2020年に実施された中小企業など事業者を対象とした制度で、政府系金融機関と民間金融機関から受けた融資について、公的機関が事業者に代わり3年間利子を負担し最長5年で返済猶予する実質無利子・無担保融資。
多くの企業は返済猶予措置期間を1〜2年で設定しているという。
新型コロナで学校を休校。
それでも、国などは一切の保証をしない。
国・役所・学校に振り回されたあげく倒産
コロナ禍があけてくると、次は円安が加速し光熱費・物価が高騰した。
更には最低賃金も上がった・・・
しかし、給食の1色当たりの価格は決められていて、直ぐには変更できない。
このため、値上げの申請をしても、応じる役所や学校はなかったという。
仕方なく、質を下げて出すと学生から「改善してください」と言われる。
国は物価が高騰したことに対しては何の補填もしないどころか、融資の返却期限が切れたことで返済も発生・・・
ホーユーの社長が、FNSのインタビューで、広島県の落札金額は他の府県と比べると半分以下で、全国一安い、運営できない金額で平然と落札される。と答えている。
国・役所・学校等は好きな要望を出して、言われた通りにしても、誰も助けてはくれない。
その結果、破産では、やり切れない気持ちだったと思う。
石川県の給食センターでも、同様な事情から値上げの要望が出ている。
また、これまで食べ終わった容器の回収は当日だったのが、燃料費を浮かすためか、翌日の給食を運んできた時に回収する仕組みに変わっている。
ここまで追い込まれている、給食業者をどこも助けようとしない。
ホーユーが提供していた給食・食堂は子息が経営している会社に引き継がれているらしいが、価格の見直しがされない限り、いずれ同じ結果が待っているはず。
これが、日本の実体なのか?と情けなくなってしまった。