AIの勢い
AIの勢いは増すばかり。
特にchat GPTのニュースを見ない日がない。
チェスで、世界チャンピオンに勝ったというのはもはや、大昔の出来事。
将棋や囲碁でプロ棋士に勝ったというのも今は当たり前すぎて、興味が薄れてきた。
そんな時、テレビの天気予報を見ていてふと思った。
天気予報なんて、AIが最も得意とする分野ではないか?
しかし、AI天気予報なんて言葉は一切、見かけない。
何か、AIではできない理由があるのだろうか?と疑問を感じた。
予報はスパコンに勝てない
そこで、調べてみると、「森田さんが語るAI時代の気象予報士 予報はスパコンに勝てない」」という記事を見つけた。
気象予報士のパイオニアである森田正光さんにAI時代の気象予報士の役割を聞くという記事だ。
気象予報士の仕事を教えて下さい。
予報自体はスパコンがほとんどを組み立てている。
我々はその情報を得た上で『どうしてその予報になるか』や『その予報をどう使うべきか』を伝えることが一番大事。
例えば猛暑日と予報したら日陰での行動を促すとか。
天気は変えられないが、人の行動を変えることはできる。
それによって色々なリスクをヘッジできる。
今は、AIの時代。
やはり、気象予報は、AIが行っているのだろうと思った。
予報は行わないのですか?
今でも一生懸命に予報する予報士はいるが、私自身は予報そのものに興味がない。予報精度ではコンピューターに勝てないからだ。天気予報における(人間対コンピューターの)議論はとっくに終わっている。30年も前の話だ。コンピューターよりも人間の予報が正しいと主張する人は今でもたくさんいて『森田さんの予報を教えて』とお願いされることもあるが、私自身の予報は(数値予報の情報を)スマートフォンで見て伝えていると言いたい。
30年も前に決着がついているということ?
慌てて、記事の日付を確認すると・・・「2018年8月19日」
約5年前だ・・・
Alpha Goがプロキシに勝ったと騒がれていたあとの頃だ。
何ということだ。
気象予報はとっくに、コンピュータが行っていた。
しかも、30年も前からコンピュータの予報の方が優れていた。
AIを使うまでもなかった・・・
問題とは何ですか?
ところが、コンピュータによる予報にも問題があるという。
予報を算出するまでにコンピューターが何を考えているか分からないことだ。それが分からないと、後で実はその予報がとんでもない間違いだったということがあるかもしれない。予報の背景に何があるのか、天気図などを見ながら人間の知恵で明らかにすることが必要だ。人間独自の視点を持ってコンピューターと共存すればよいと思う。
日本では気象予報は気象予報士の資格を持っている者が行わないといけない。
お天気キャスターは、気象予報士が予報した結果を伝えるのが仕事で、気象予報士の資格がなければ予報することはできない。
このため、コンピューターは予報は行うが気象予報士の確認がなければ伝えることはできない。
AIお天気キャスター
ちなみに、お天気キャスターは既に、凄い出来のAIがスイスで開発され既に運用されている。
スイスのテレビ局「エムルメディア」に登場した「Jade(ジャード)」だ。
以下のURLの動画を見て欲しい。
どうだろうか?
人間が普通に話しているようにしか聞こえないし、見えない。
AIなら病欠もないし、喉を傷めることもない。
しかも、ここまで、完成度が高いとなると、お天気お姉さんと言われる、お天気キャスターの出番は、なくなる。
AI気象予報士の課題
これで、AIが気象予報士の資格を取れるようになれば、気象予報士の確認なしで予報しても良いことになるのだろうか?
森田さんが言われたようなことはAIが発達すれば思考過程をしっかり残すこともできるはず。
もう一つの課題は現在の状況を把握した上で予報ができるのか?ということ。
例えば、同じ25℃の予報でも、春先の連日、10℃位だったのが25℃になる時と、真夏で連日40℃近くだったのが25℃になる時で、単に今日の気温は25℃ですというだけでは情報として不十分だ。
春先なら本日は暑くなりますと言わないといけないし、真夏なら本日は過ごしやすい温度になりますといった具合に人の場合だと変化が生じる。
こういった配慮を行うためには現在の情報も全てインプットしてあげる必要がある。
寒いとか暑いという感覚がなければ気が付かないことは、たくさんあると思う。
しかし、AIは短期間にすごいスピードで進化しているので、意外と早く、AI気象予報士は誕生するかもしれない。