電話をすると、プープープーと鳴ってすぐに切れてしまう。
ん?何だろう?
もしかして、着信拒否されている?
なんてことを考えつつ、自分の携帯電話の携帯電話会社のホームページを確認した。
しかし、特に障害等は起きていない。
つまり、自分の携帯電話会社側の問題ではない。
では、相手の電話会社は?
残りは2社しかないので、1社ずつ調べてみると、au でずっと障害が発生しているようだ。
障害情報:2022年7月2日 | au携帯電話
(7月2日 11時00分現在)au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について
2022年7月2日日頃はKDDIサービスをご利用いただきましてありがとうございます。
以下のとおり、本日01時35分より当社の通信サービスがご利用しづらい状況が発生しております。
現在、復旧作業に努めております。
お客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。1.日時
2022年7月2日(土) 01時35分頃から継続中2.対象サービス
au携帯電話、UQ mobile携帯電話、povo、au回線利用事業者3.影響エリア
全国4.影響
音声通話およびデータ通信がご利用しづらい状況が発生しております。
ただ事ではない・・・
これまで、かけた電話が途中で切れるなんてことは経験したことがなかった。
スマホから電話やインターネットを利用できないだけではない。
物流システムでは、ヤマト運輸で顧客がインターネット上で荷物の配達状況を確認するシステムで最新の状態に更新されなくなったり、一部銀行のATM、貨物列車の遅れにより郵便物も遅れる可能性があるとか。
気象庁の気象観測システム(アメダス)でも一部配信ができなくなったとか(全国約1300か所の内、約900か所に影響)
他にもIot関係、特にトヨタ自動車の「つながる自動車」(コネクティッドサービス)でも影響が出ている。
夕方には音声通話サービスを提供するための設備が故障したことが原因だという報道があった。
携帯電話が故障したと思ってauショップなどへ訪れる人もいたとか。
家族同士の通話料を無料にするために家族全員が、au という場合もあるが、そうすると誰も電話が使えない状態になる。
更に、固定電話がないと、緊急電話(110番、119番)に連絡することもできない。
金沢市(西日本)では、2022年7月3日 AM11時に復旧しているが、東日本では午後5時30分頃まで復旧に時間がかかるようだ。(2022年7月3日PM1時現在)
総務省は電気通信事業法上の重大な事故に該当すると発表しており、KDDIへの行政指導は避けらない状態になっている。
今回、KDDI史上、最悪の通信障害になってしまった。
では、一体、何が起きたのか?
2022年7月3日に行われた、KDDIの記者会見を見た。
記者会見の内容
- 通信障害の概要とお客様影響について
- 発生事象と原因
- 質疑応答
障害が発生したのは、KDDIの最先端のネットワークセンター「多摩第5ネットワークセンター」になる。
通信障害の概要
2022年7月2日(土)AM1時35分から全国中継網内のVolTE(ボルテ)交換機で輻輳(ふくそう)が生じたことにより、全国で音声通話及びデータ通信がご利用しづらい状況が発生しています。
- 音声通話が繋がらない
- SMS(ショートメッセージ)が送受信できない。
- データ通信の速度が遅くなる。または、データ通信中に接続が切れてしまう。
影響回線数の概要
- 発生日時:7月2日(土)1:35~復旧対応中
- 影響エリア:全国
- 影響回線数 合計:最大 約3,915万回線
内訳
ルーターの定期交換を行った際に、VoLTEで輻輳が発生してしまった。
その後、切り戻しを行ったが、輻輳により再接続要求が多発して全国で輻輳が発生したというもの。
交換したルーターの故障ではないということで、復旧を最優先で行っているので、まだ、原因調査はできていないが、おそらく交換手順または設定ミスによるものだという見解だ。
iPhoneとAndroidで、障害時の挙動が異なるということが言われていたが、理由は以下の通り。
iPhone は音声が接続できなくなってもデータ通信は止まらないような仕様になっていたが、Androidは、音声が接続できなくなると、データ通信も止める仕様になっていた。
但し、Androidでも、一部のメーカーの端末ではデータ通信が使えるものもあった。
障害による保障は?
今回、1日以上電話やデータ通信が使用できない状況が続いている。
このため、携帯電話会社としては、保障の責任が生じる。
高橋誠社長は、障害による保障の件については、以下のように答えている。
- 障害の内容をもう少し見た上で、保障については検討していくということで考えています。
記者会見を見ていると、どうしても、KDDI側の目線で見てしまう。
まだ、障害が改善されていない状態での記者会見というのは、まだ原因もわかっておらず、正直、辛いものがあると思う。
また、昨年、NTT Docomoでも同様の障害が発生したあとで、同じような障害を発生させてしまったわけなので、KDDIは何も学習していないのか?と思っている人もいるだろう。
高橋社長としては、VoLTE交換機の能力がもっと高いと考えており、十分、対応できると考えていたということだったが、実際にはダメだった。
そう考えると、やはりKDDIは何も学習していなかったということになる。
しかし、記者会見の内容を見た限り、交換手順または設定に不備があったようなので、作業ミスという感じがするので、学習以前の問題のように思う。
システム担当者は、胃が痛い土日を過ごしていることだろう。
どうしても、自分のことのように感じてしまうので、早く完全復旧して欲しいものだ。