欽ちゃんは元気
第98回欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞が2021年2月6日に放送されました。
コロナ渦ということで仮装大賞初の無観客、出場者は1人のみまたは家族だけの参加による作品のみでした。
番組の冒頭で、香取さんが会場の審査員の方々に言った言葉が気になりました。
- あのぉ審査員の方々、今日、気をつけてください。ビックリするくらいに欽ちゃん元気なんで。
正直、いつもの欽ちゃんでした。
むしろ久々にテレビで見た欽ちゃんはやはり、79歳という年齢を少しだけ感じさせる顔立ちで、元気がないようにさえ感じられました。
それなのに元気?
どこか、不自然です。
欽ちゃんは大塚さんに託した
その理由は、19番目の福岡から1人で来られたお父さん(大塚さん)の仮装後にわかりました。
大塚さんが、エプロンを外すと胸の部分を丸く、くり抜いたシャツが出てきました。くり抜いた周囲にはコーヒーカップの絵が書かれていてカップの中から胸毛が見える感じになっています。
大塚さんはまず、くり抜いた部分にクリームのようなものを均等に塗って白くします。
そして指でカフェアートのように線を入れていき、絵を完成させました。
これを見た、香取さんが、「ここに何があって行きついたのか?」という質問をしました。
大塚さんは、「お風呂に入って鏡に映る胸毛がですね、俺を仮装にしろ!って訴えかけられた感じがしまして、おお、わかったぁ~じゃあやるよって言って、今に至っております。」
これを聞いた、欽ちゃんが以下のように大塚さんに問いかけました。
- 欽ちゃん:大塚さん、今回で、あのぉ、何回目?
- 大塚さん:えっと・・・30回目になりました
- 欽ちゃん:30回・・・あっそぉ。あの遠くにいるからさ、あの、言える言葉があるんだよ。大塚さん、今回でね、私、この番組「終わり!」
- 大塚さん:あはははははは・・・・
- 欽ちゃん:お世話になり・・・
- 大塚さん:いいえ、ずっと、お付き合いください。
- 欽ちゃん:えっ?(苦笑)
- 大塚さん:お付き合いください。
- 欽ちゃん:聞こえねぇ(苦笑)、いやほんとにあのぉ、長い間ありがとう。
- 大塚さん:いえいえいえいえ・・・
- 欽ちゃん:あの、どうしてかっていうと、大塚さんだったら、なんか言えそうなんで言っちゃったけど。
- 大塚さん:いぇ、もう本当、もう、昔からお世話になってですねぇ、本当にありがとうございます、もう。
- 欽ちゃん:遠くて、聞こえない。
- 大塚さん:えへへへへ・・・
- 欽ちゃん:つまりあの、遠くにいるから言える言葉なんだ。じゃ、ありがとう。
- 大塚さん:あっ、きっ、欽ちゃん~ちょっと、それはないですよ。
- 欽ちゃん:その言葉も嬉しいよ。もう長いことねぇ、本当にねぇ、この番組を支えてくれて、ありがとうございました。
- 大塚さん:いえいえ、お付き合い願いたいと思いますけどぉ・・・
- 欽ちゃん:もう、大塚さんならね、あのぉ、その冗談にしてくれると思ってね。
- 香取さん:大塚さんのその胸毛のラテアートが出たらから、もう欽ちゃん言っちゃおうと思って・・・
- 欽ちゃん:あぁ、そうなんだよ
- 大塚さん:これで終わりですか?
会場爆笑 - 欽ちゃん:本当に長い間ありがとう。あんたには感謝する。ついでに三井君(最多出場者52回)もありがとね。どうもありがとう。
三井さんはお辞儀してます。 - 大塚さん:いぇ、帰るわけにはいかないですよ。あははは。
- 欽ちゃん:終わりだって!こういう話は、あの長くするもんじゃない。ありがとう。
香取さんも、「終わりだって」と口を揃える - 大塚さん:ありがとうございました。
欽ちゃんに何があったのかは、分かりませんが、なんらかの理由で、収録が始まる前から仮装大賞を辞めようと決意していたのでしょう。
それは、「終わり」と言った欽ちゃんの言葉を聞いた香取さんの反応から伺えます。
香取さんは、驚く様子もなく、大塚さんに対して欽ちゃんと一緒に「終わりだって」と言っていました。
そして「終わり」の報告は、これまでに何十回と参加してくれた参加者に行おうと決めていて、19番目の大塚さんのコメントを聞いて、この人だと決めたのでしょう。
しかし、大塚さんは、いきなり、そんな大役を任されてしまい驚いたことでしょう。
二人のやり取りを見ていて、こっちがハラハラしました。
会場にいた審査員の誰かが任されたとしても、反応に困ったはずです。
そんな大役を素人さんに託すというのは、いかにも欽ちゃんらしい考えだとも思いました。
大塚さんとのやり取りのあと、番組中で欽ちゃんの「終わり!」については、触れられることはなく、そのまま終わりました。
欽ちゃんと言えば、「素人さん」での番組を作る天才でした。
仮装大賞もその一つです。
欽ちゃんは、1985年3月に当時のレギュラー番組を全て降板して休養を宣言したのですが、仮装大賞だけは司会として出演していました。
その理由も欽ちゃんの番組は欽ちゃんがやめると言えば終わりだけど、仮装大賞は素人さんが頑張った番組なんだから勝手にやめるなんて言えないと説得されたからだそうです。
欽ちゃんの真意は?
そんな欽ちゃんが今回は、「終わり!」と言ったのですから、どうしようもない事情があったはずです。
事情はわかりませんが、それでも、欽ちゃんの「終わり!」は受け入れるしかないと思っています。
今回の仮装大賞は、大人数が参加できず、仮装大賞の醍醐味である大勢参加による感動作品を見ることができませんでした。
そして、欽ちゃんは「遠くにいるから」という言葉を、何回も話されていました。
前回、優勝した学校の先生が、今回は児童達が参加できないので、先生だけが参加していましたが、残念な結果でした。
仮装大賞への参加希望者も年々、減ってきているそうです。
色々な事が重なり、欽ちゃんとしては、仮装大賞の役割は終えたと思っているのかもしれません。そして欽ちゃんは番組の終了を提案したのかもしれません。しかし、あと何回かで100回になる長寿番組ですからテレビ局としては、100回は達成したいと考えるでしょう。その結果、受け入れられなかった。
だから、欽ちゃんは「終わり!」という選択を番組の主役である「素人さん」に報告したのだと思います。
しかし、真意は欽ちゃんの中です。