時代劇がない
何気なくテレビを見ていましたが、民放局のテレビドラマで、時代劇がなくなっていることに気がつきました。(今更ですが・・・)
時代劇はベテラン俳優・女優の存在が必要ですし、セットを作るのもロケも場所が限られてくるので費用面でも大変です。
それなのに、若い人はほぼ見ませんので、テレビ局にすれば費用対効果の面で決して良いカテゴリーではないはずです。
このため、最近の民放局のドラマといえば、若い人が主演の10台~40台以下の人をターゲットにしたようなドラマばかりが目立ちます。
以下は、2021年冬ドラマの一覧ですが、主演が50歳以上というのは、5つしかありません。しかも、テレビ朝日とテレビ東京だけで、他のキー局では0です。
- 監察医 朝顔2
- アノニマス
- でっけぇ風呂場で待ってます
- 青のSP学校内警察・嶋田隆平
- オー!マイ・ボス!恋は別冊で
- ゲキカラドウ
- ウチの娘は、彼氏が出来ない!
- 相棒 season19(水谷豊)テレビ朝日
- おじさまと猫(草刈正雄)テレビ東京
- 遺留捜査(上川隆也)テレビ朝日
- にじいろカルテ
- 知ってるワイフ
- 江戸モアゼル
- 警視庁強行係樋口顕(内藤剛志)テレビ東京
- 俺の家の話
- 24JAPAN(唐沢敏明)テレビ朝日
- レッドアイズ監視捜査班
- モコミ
- 書けないッ!?
- ここは今から倫理です。
- その女、ジルバ
- 青天を衝け
- 天国と地獄
- 君と世界が終わる日に
- おちょやん
予算が取れない
新型コロナの前からテレビの広告収入は下降気味でテレビ局としては予算の確保が大変だったと思います。
ドラマは撮影に時間も費用もかかるので、テレビ局にすると費用のかからない番組を作らないと収益が得られません。
このため、出演者がいればセットも何もいらない旅番組・グルメ番組というのは、安定した視聴率を稼げるので、費用対効果の面でも最適な番組だと思います。
これも、新型コロナの影響で野外ロケは、感染リスクを考えるとこれまでのように簡単にはいかなくなってしまいました。
万が一、ロケに行った店などから感染者やクラスタ感染が発生すると、テレビ局も非難されることは間違いありません。このため、旅番組、グルメ番組は再放送が増えています。
もちろん、再放送では視聴率は伸びません。
当然、スポンサーも集まりません。
広告収入が減るので予算をかけられない、予算をかけられないから面白い番組が作れない、視聴者が減るので、更に広告収入が減る。完全に負のスパイラル状態です。
広告収入が減っているので、芸能事務所は契約タレントを集約しないといけません。ピークが過ぎたギャラの高いタレントはテレビ局は敬遠しますので、タレントのリストラを行います。仕事が減ったから契約を打ち切ったでは、事務所のイメージが悪くなるので、マネージメント業務が継続できないような理由を見つけて契約を打ち切ることが増えているように思います。
そこへ、GoToトラベルの一時停止、更に1都3県で緊急事態宣言が出されて、住民に対しては不要不急の外出、飲食店は営業時間の短縮を求められテレビ局としてもロケがしにくい状態だと思います。
そんなことから、今年に入って2021年3月で長寿番組が終了するという報道が多くなってきました。
『グッとラック!』や『サワコの朝』(ともにTBS系)をはじめ、『メレンゲの気持ち』、『火曜サプライズ』(ともに日本テレビ系)など、春の改編期を前に2021年3月をもって終了する番組が続々と発表されている。
そんな中、数年間にわたってお茶の間を席巻してきた“知的な”人気者2人の番組にも終了がささやかれているという。制作会社関係者が話す。
以下は、現時点で、2021年3月までに終了することが決まった番組の一覧です。
- メレンゲの気持ち(日本テレビ)・・・出演者ギャラ
- 火曜サプライズ(日本テレビ)・・・ロケができない(新型コロナによる)
- とくダネ!(フジテレビ)・・・出演者ギャラ
- グッとラック!(TBS)・・・打ち切り
- 爆報!THEフライデー(TBS)・・・打ち切り・出演者ギャラ
- 噂の!東京マガジン(TBS)・・・出演者ギャラ
- サワコの朝(TBS)・・・スポンサー降板
- これって私だけ?(朝日放送テレビ)・・・編成上の理由
- 朝からみのもんた(読売テレビ)・・・MC体調不良
- ちちんぷいぷい(毎日放送)・・・打ち切り
- ミント!(毎日放送)・・・ちちんぷいぷいの終了による
なぜ、終了することになったのか?理由は一つでは、なさそうですが、一番多いのは、広告収入が減ったことでギャラの高い出演者を使えなくなったというのが一番なのではないかと思います。番組によっては新型コロナのためにロケが思うようにできず、番組の質が落ちてしまうからと終了する「火曜サプライズ」のような事例もあります。あとは、思うように視聴率が取れなかったので打ち切りというものが多いかと思います。
テレビのCMは高い
東京のキー局で、CMを1回流すためには、約80万円程度必要です。
これ以外に、CMの制作費や、タレントを採用するなら出演料も必要になってきます。
これに比較するとGoogle検索や、Youtubeでの広告費は1日の上限を1000円に設定しても、1か月で約3万円です。
しかも広告をクリックしたり、一定時間以上視聴しなければ、広告料に加算されません。何より、適切な人に対してのみ表示されるので、テレビCMのようにどの時間帯に流すのか?どんな番組で流すのか?といったマーケティング調査なども極端な話だと不要です。
このため、手軽に始められるので広告代理店に依頼しなくても広告が出せてしまいます。成果がでるかどうかは別ですが・・・
テレビは、広告収入が減ったと頭を抱えているだけでは、広告収入では生き残れなくなると思います。
終了するのは番組だけでなく、テレビ局自身が終了という可能性も十分あり得ると思います。