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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

人体振動学って?

電車に乗ると眠くなるのは?

電車に乗っていると、何故か心地よくて眠くなることがあります。

気がついたら降りるべき駅を過ぎてしまって慌てることもあります。

決して静かで快適な環境だとは言えませんが、眠くなってしまうのは何故でしょう?

色々と調べると共通するのは、子供の頃の記憶と振動です。

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電車に乗っているときの振動が母親の胎内にいたときの振動と同じだから、その時の事を思い出して眠くなるとか、1秒間に1回揺れる周期が揺りかごで揺らされている状態に近いからとか説は色々とあります。

最近、睡眠に注目され枕外来が人気で予約が取れないとかいう話もあるので、電車の揺れをベッドや布団で再現できると快適な睡眠が得られそうな気もします。

しかし、振動が必ずしも快適な睡眠に影響するかというと高速道路を走る自動車の助手席に乗って寝ていると居眠り防止の段差の箇所で揺れが生じ目が覚めたり、スマートウォッチのバイブ振動で目が覚める時もあります。更には音も振動なので大きな音で目が覚めることもあるわけですから、振動が全て心地よいということではないということです。

人体振動学とは?

そして振動が人間にどのような影響を与えるのか?ということを探求する学問があって、それが人体振動学だとのことです。

人体振動学の何が凄いかというと、Amazonで書籍検索をしても1件も出てこないのです。それくらい、知名度においては低い学問なのです。

人体振動学に関する書籍は見つからなかったのですが、振動学に関する書籍は、沢山ありました。

振動とは

振動というのは、振動が進む方向により分類されます。

縦波、横波、表面波といった具合です。

縦波、横波というのは、地震の横揺れ、縦揺れのような振動で、縦波と表面波がイメージしにくいかと思いますが、縦波はバネを引っ張って離すと伸びたり縮んだりしますが、それが横向きで起きている状況をイメージすると良いかと思います。そして表面波というのは、波のように縦波と横波が干渉し合って生じる振動のことです。 

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地震でいう横揺れは振動の方向と同一方向に伝わることで地盤中に疎・密が起こり疎のところで地表面が少し下がり、密のところで盛り上がります。縦揺れは、振動の方向と直角の方向に伝わることにより、地表面に上下の変位を生じさせます。表面波は、振動の方向に対して楕円運動しながら地表面を伝わります。

このため、横揺れというのは、縦波(バネ)が左右に伸びたり縮んだりしている状態、縦揺れというのは、横波で上下に振動して上下に揺れる状態と言えます。

振動の単位

振動の大きさはdB(デシベル)で表します。

騒音を測定単位で有名ですね。

そして、1秒間に何回振動するのか?ということから周波数(Hz)も使われます。

人は、鉛直振動では、4~12.5Hz の振動が最も感じやすく、水平振動では、1~2Hz の振動が最も感じやすいということです。

このことから人は水平方向より鉛直方向を敏感に感じるということですね。

以下に震度をデジベルに換算した値と、その時の音はどれくらいの大きさかをまとめてみました。

震度7=110デシベル以上(飛行機のエンジンの近く)
震度6=105~110デシベル(自動車の警笛(前方2m))
震度5=95~105デシベル(電車が通るときのガードの下)
震度4=85~95デシベル(犬の鳴き声(正面5m))
震度3=75~85デシベル(地下鉄の車内(窓を開けた状態))
震度2=65~75デシベル(掃除機、電車のベル)
震度1=55~65デシベル(普通の会話)
震度0=55デシベル以下(静かな事務所)

【出典】東京環境測定センター

震度1は動いていると感じないレベルです。 

しかし音に例えると震度1は普通の会話レベルだということなので、人の揺れに対する鈍感さが見えてきます。

人と振動の関わり

人間と振動の関わりは、走る、跳ぶということに始まり、馬やラクダに乗るようになり、そこから、馬車、牛車、自動車、電車と色んな振動が増えていきます。

電車の振動に話を戻しますが、電車の振動というのは一定のリズム、一定の強さで起きているので心地良いんですよね。これが不規則だったり大きすぎる揺れだと逆に船酔いしときのように気持ち悪くなるわけです。

心地よい振動、気持ち悪くなる振動は人間の身体に対してのものですが、精神面に対しても影響を与えるわけです。

音も同じです。ピアノの鍵盤を子供がむやみやたらに叩けば、うるさいだけの音ですが、ピアニストが叩けば、心地よい音に変わります。

そんなピアノも自分の子供が弾いていれば、子供の上達ぶりに嬉しく感じますが、近所でその音が聞こえてくれば、やはり、うるさいだけの音になります。

それは、仮にピアニストが弾いていたとしても、眠りた時だと、眠りを妨げる音になってしまいます。 

心地よいと言われている電車の振動でも、毎日、行きたくない場所に電車で通っていた思い出がある人にとっては、嫌なときを思い出すものでしかないかもしれません。

胎内のこと、ゆりかごで揺れている時のことを思い出して電車の振動を心地よく感じるというのは、それは一番、何の心配も不安もない精神的に落ち着いていた頃のことを思い出したり、その時の気持ちになれるからという気が僕はするのですが、振動が人体に与える影響というのもあるかもしれません。

人体だけではなく、新型コロナウイルスに対しても振動が何らかの影響を与えるかもしれません。

人体振動学でノーベル物理学賞といった賞を獲得する人が出てくる可能性も十分あるので、今、研究している方には期待したいと思います。

音と振動の科学 (おもしろサイエンス)

音と振動の科学 (おもしろサイエンス)

  • 作者:山田 伸志
  • 発売日: 2015/01/28
  • メディア: 単行本