石川県には日本海側初のビール工場があった
小松に行くのに北陸自動車道(高速道路)を使った。
白山市に入ると、右側に窓がほぼない、大きな建物がみえてくる。
ここには以前、キリンビールのビール工場が稼働していた。

石川県にビール工場
キリンビール北陸工場は、北陸三県の新潟県の一部に出荷するビール(「一番搾り生ビール」「ラガービール」など6銘柄)の生産工場として石川県と旧松任市が誘致し1993年5月24日、日本海側初のビール工場として操業を開始した。

しかし、2010年8月31日で閉鎖となり、現在は、シャープディスプレイマニュファクチャリング株式会社の 白山工場に変わっている。
ビール工場が閉鎖
2009年10月26日に中期経営計画が発表され、その中には以下のような内容が含まれていた。
- 生産部門では、長期的な企業の競争力と生産性の継続的な向上を目指し、栃木工場(栃木県塩谷郡高根沢町)、北陸工場(石川県白山市)の2工場再編成によって、生産能力の適正化を図ります。2010年最盛期後を目処に生産を終了し、栃木工場のRTD機能など移転が必要となる工場機能は、他工場への集約を検討していきます。
【出典】キリンホールディングス_ニュースリリース_2009.10.26_2010-2012年キリングループ中期経営計画(「KV2015ステージII」)
近隣に他の生産拠点があり規模が小さいため閉鎖ということのようだ。
誘致しておいてフォローなしの地元行政
これを知った、当時の石川県知事、白山市長が怒り心頭だという報道がされていた。
誘致の際に工業団地を格安の価格で提供したにも関わらず、事前に工場閉鎖の連絡がなかったことや、誘致したものの、キリンビール北陸工場での地元雇用は10人に満たず、それも正規雇用ではなかったという点も不満に感じていたはずだ。

そんなことから、石川県や白山市もキリンビールの消費に関しては協力的ではなかったのかもしれない。
キリンビール北陸工場が稼働したあとも、石川県が主催する懇親会や白山市が主催する会合で、キリンビールが優先されて出されるということは、ほぼなかったという。
キリンビール側すれば約40億円を投じて建設した北陸工場なのに県も市もキリンビールの消費を増やすような努力を全く支援してくれなかったのだから不信感を持ったとしても何ら不思議ではない。
それでも、キリンは、地域貢献の一環として、17年間の操業を終えて閉鎖するキリンビール北陸工場(白山市)のビール醸造設備を地元で日本酒を製造ずる酒造メーカー5社に格安で譲渡する「キリンの恩返し」を行っている。
損して得を取れ
それぞれ、言い分はあるとは思うが、少なくとも、石川県・白山市に関しては、企業を誘致したいのであれば、誘致したあとのフォローまでしっかりと行うべきで、地元での雇用が少ないからと支援をしなければ、それは悪評として他の企業にも伝わっていく。
その結果、石川県に誘致されても、キリンビールの二の舞になるといった感じで敬遠されることになる。
損して得を取れではないが、自分たちの得ばかりを考えていたのでは、損得に関しては百選錬磨の民間企業には太刀打ちできないだろう。
行政は、目先の得ばかり得ようとするのではなく長期的な視点で得を得られるように考え方を変えないとキリンビールの二の舞になる。