まだ新紙幣を発行する日本
2024年7月3日から新紙幣が発行される。
券売機、精算機(セルフレジ等)を使用している店舗などでは機械の入れ替えや、紙幣の読み取りを行うセンサーの交換等で対応しなければいけない。
券売機は数十万円から数百万円するものまであるので、店舗側にとっては大きな失費になる。
2021年11月1日には500円玉が新硬貨に変わり、今回は紙幣が変わり、機械の入れ替え費用が大変なので、これを機に現金を取り扱わない、キャッシュレス決済だけにする店舗も増えているようだ。
なぜ、紙幣や硬貨を新しくしなければいけないのか?
財務省のホームページを見ると以下のようなことが書かれてあった。
国民の皆様にお金(紙幣や貨幣)を安心して使っていただくために最も重要なのは、偽造されたお金が出回らないようにすることです。万が一、偽造されたお金が広く出回ると、国民の皆様が手に取ったお金を信用できなくなったり、場合によっては被害を受けたりしてしまいます。
そうしたことを防ぐため、紙幣については、これまでも概ね20年毎に改刷(紙幣の偽造防止技術やデザインを新しくすること)を行ってきました。
(1) 現在発行している紙幣は、2004年に発行を開始して以来、20年近くが経過し、その間に民間の印刷技術が大幅な進歩を遂げていること、
(2) 目の不自由な方や外国人のためにも、ユニバーサルデザインの考え方を踏まえた紙幣デザインが世界の潮流であること
などを踏まえ、より偽造しにくく、誰にとっても使いやすい紙幣となるようにするため、一万円券、五千円券及び千円券の3券種の改刷を実施することとし、2019年4月9日に発表しました。また、五百円貨幣についても、2000年に発行を開始して以来、約20年が経過することから、今般、紙幣の改刷に合わせて、より偽造しにくくするための改鋳(貨幣の素材や偽造防止技術等を新しくすること)を実施することとしました。
つまり、民間の印刷技術が向上してくると、偽造されたお金が作られてしまう可能性が高くなるため、そうならないように紙幣については、20年を目安として改刷を行ってきたということになる。
どうやって機械の検証を行うのか?
ふと、気になったのが、券売機や精算機は新しい紙幣に対応するためにどのように検証を行っているのだろうか?
新しい紙幣は当然、流通していないので、メーカーなどに対しては事前に新紙幣を貸し出してくれたりするのだろうか?
日本銀行は、これまでに4回、新しい日本銀行券に関するサンプル閲覧会を開催している。
これは、財務省および独立行政法人国立印刷局とともに、銀行券取扱機器(券種識別機器を除く。)を製造している企業または銀行券取扱機器の製造に関連する団体向けに実施したもの。
サンプル閲覧会の際に、新しい券売機・精算機などを持ち込んで検証するということのようだ。
- 2021年11月22日 新しい日本銀行券に関するサンプル閲覧会の開催(第1回)
- 2022年 3月14日 新しい日本銀行券に関するサンプル閲覧会の開催(第2回)
- 2022年 9月 5日 新しい日本銀行券に関するサンプル閲覧会の開催(第3回)
- 2023年 1月10日 新しい日本銀行券に関するサンプル閲覧会の開催(第4回)
既に新紙幣対応済みと表記されたシールが貼られている自動販売機を見かけるので検証は随分前に完了しているということなのだろう。
具体的にどのような識別方法で紙幣を判別しているのかはわからないが、数が多いので、致命的な欠陥が見つかれば大問題になるので、関係者は新紙幣が発行されるまでは、心配で夜も眠れないのではないだろうか?