セキュリティとシステム障害
証券会社や銀行のシステムというのは、利用する側から見ると実に使いにくい。
二段階認証だということで、メールやショートメールで認証コードが送られてくるが、一般的には数字4桁~6桁程度のものが送られてくるが、酷いところだと、英数字しかも英字に至っては大文字小文字を混ぜてしまうので、それをスマホで入力すると記憶するのが大変なので、メモ帳などに書き出さないといけない。
メモ帳に書き出させるような状況なら、それで何とか対応できるが机などがない状態だと画面を切り替えながら少しずつ入力していくことになる・・・
こんな仕様を考えた人は絶対に自分では使っていないのだろう。
そもそも自分が関与したシステムを個人で使うことは制限されているだろうから、そとそも自分で使うつもりがない。
使うつもりがないから使い勝手が良いとか悪いなんて考えないのだろう。
システム開発者にすれば、使い勝手より考えないといけないのは「システム障害」と「セキュリティ」
「システム障害」により、システムが止まったり「セキュリティ」に問題があり不正が発生したり情報漏洩が起きればシステム開発側の責任になる。
しかし開発を委託した側、つまり、証券会社や銀行側が使いにくいものだと黙っていないだろう?と思うかもしれないが従業員もシステムに関与している人であれば自社のシステムの利用を制限されることは当たり前。
それよりも、自分の責任を問われるセキュリティを重視したくなるのが心情なのだろう。
つまり、システム開発者と同じ目線なってしまう。
このためシステムの開発会社から「それではセキュリティが保てない」などと言われたら無理に仕様変更をさせて不具合が出れば今度は依頼した側に責任が移動することになる。
使いやすいは二の次
このような背景の中で作られるシステムが使いやすいはずがない。
特に、大きなお金を取り扱う銀行や証券会社にすれば利用者が使いやすいかどうかなどは二の次だ。
結果、セキュリティを厳しくする=使いにくいシステムだと思っているかのような仕様が完成する。
使いにくい、わかりにくいとは思っていても、誰も何も言わない。
更に迷路のような仕組みにしておけば、それでセキュリティが強化されるかのような錯覚に陥っているかのようなシステムも見かける。
このため、証券会社や銀行のシステムで凄いと思ったものは一つもない。
それよりも、これは欠陥だろう?と思えるような内容が修正されないままで運用されているものが当たり前のように存在する。
問い合わせが増える
使いにくい、わかりにくい、システムなので、マニュアルも当然、わかりにくい。
どうでもいいようなことに文字や絵をたくさん使って肝心なことについては書かれていなかったり、情報が圧倒的に少なくなる。
当然、問い合わせは増える。
そうすると、メールやWEBフォームの問い合わせが増えてくるので、サポートする側はキャパオーバーするので、次にどうするか?というと、問い合わせを複雑にするということ。
まず、電話番号を大きく表示して電話をさせるように仕向ける。
電話なら回線数で問い合わせ件数の制限をかけられる。
酷いところだと、固定電話はフリーダイヤルでも、スマホからはフリーダイヤルに接続できないかのような説明を付加して、0570のナビダイヤル、つまり1分毎に20円料金が発生する、かけ放題が使えない番号に誘導する。
そうすると、余程のことがないと電話なんてしない。
このことに苦情を告げると相手から電話をしてきたり、0800から始まるスマホからも無料で接続できる番号を知らせてきたりする。
だったら、最初から、ホームページに掲載しておけよと思うが、そもそもが、問い合わせ件数を減らしたいのだから知らせるつもりがないのは明白。
問い合わせフォームへのリンクが何度も画面をスクロールするとようやく右下に小さく表示されるようにして、問い合わせフォームはあるが、わかりにくいようにするというのも常套手段になっている。
一言で言えば、「自分達のために全てを意図的にわかりにくくしている」ということになる。
原因は明白
結局、セキュリティとシステム障害を最優先にしているために、使い勝手が疎かになり、わかりにくいシステムになってしまう。
すると、必然的に問い合わせが増える。
1日に対応できるキャパは決まっているので、件数が多くなりがちなフォームやメールでの問い合わせの数を減らそうと、今度は問い合わせをわかりにくくすると共に、問い合わせ件数を制御できる電話での問い合わせを勧めようとする。
電話はなかなかつながらない、フォームやメールでの問い合わせ方法はわかりにくしているので、問い合わせることができずに利用者はイライラすることになる。
イライラしている状態で電話がつながれば口調が荒くなる可能性は高まる。
モラハラ被害だとか言っているが、そもそものキッカケはモラハラを受けている側にあることに気が付いていない。
システムをわかりにくいものにすることで、完全な悪循環に陥ってしまっている。