今週のお題「これって私の地元だけですか」
東京の子
子供の頃、夏休みに東京から親戚の子(兄と弟)が金沢に遊びに来た。
せっかくなので、海のある民宿に1泊しようということになった。
民宿について、親戚の子と話していると弟が兄に何やら耳打ちをしている。
すると、兄の方が「じぃ」って何?と聞いてきた。
「じぃ?」最初、何のことかわからなかった。
- 自分:「じぃ」?
- 兄:「いいじぃ」(笑)
- 弟:「いいじぃ」(爆)
- 自分:「なんや?それ?」
まだ、わからなかった。
- 兄:「いいじぃ」(爆)
- 弟:「じぃって何?」(笑)
二人で大笑いしている・・・
何度も「いいじぃいいじぃ」と言ってくるが、サッパリわからない。
何となく、イライラしてきた。
すると、親戚の子の母親が、それ金沢の方言で、「ね!」って意味で語尾につけるんだよ」と言った。
- 自分:「方言?」
- 母:さっき、お兄ちゃんが見せていた「超合金」を見て「それいいじぃ~」って言ったよね?
- 自分:「うん」
「超合金」というのは金属で作られた子供の手のひらの上にも乗せられる、小さくて重量感のあるロボットヒーローの人形のこと。
自分の中では「いいじぃ」は日常的に使用している、普通の言葉だった。
標準語だと「じぃ」は、「ね!」で、「いい」と合わせると、「いいね!」という意味になる。
自分が「いいじぃ」と言ったことを聞いて、二人に笑われていたことが、わかってショックを受けた。
自分が話しているのは、ずっと標準語だとずっと思っていた。
それが「金沢弁」?
自分は「金沢弁」で話していたのかと・・・恥ずかしくなった。
それから、兄と弟は「じぃ」が気に入ったようで、何にでも「じぃ」を付けてきた。
- 「おいしいじぃ」
- 「おもしろいじぃ」
弟がテレビ見つけると・・・
- 「テレビ見るじぃ」
と言ってきた。
これは何か違和感を感じた。
普通は「テレビを見る」と言っているが、あえて何も言わなかった。
いや、恥ずかしくて何も言えなかった。
恥ずかしい・・・
とうとう、バカにされているような気分になってきた。
東京も方言あるはずだと、ふと思った。
二人と話しながら、二人の言葉に聞き耳を立てていた。
すると、時々「じぃ」ではなく、語尾に「さー」が付くことに気がついた。
- 「昨日さー」
- 「それでさー」
といった具合だ。
これだ!と思って、「さー」って何?と言ってやった(笑)
兄は、標準語だよと返してきたが、親が、それ「東京弁」だよとフォローしてくれた。
つまり方言だ!
一矢報いたようで、うれしかった。
これが、今回のお題を見て、最初に思い出した、金沢だけですか?という、遠い夏の日の思い出になる。