コロナが開けて花火大会も再開
コロナ禍で、ずっと中止だった花火大会も、コロナ明けとなり、2023年は石川県でも毎週のように花火大会が開催されるようになった。
昨年までは、人が集まらないように花火を打ち上げたりしていたので、花火師の方達も大勢の人に花火を見てもらえて、嬉しく思っていると思う。
そんな中、2023年8月5日 東京・板橋区の「いたばし花火大会」の会場で、河川敷の枯草が焼ける火事があり、大会は途中で中止になったとのこと。
5日午後8時すぎ、板橋区舟渡で「花火大会の河川敷で枯草が燃えている」と119番通報があった。
花火を開催するものが火災を起こすというのは、あってはならないこと。
とはいっても、毎年、どこかの花火大会で何らかの事故が起きているので、花火大会を無事故で終わらせるというのは、至難の業なのだろう。
福知山市の花火大会の教訓は?
花火大会の事故と言えば、2013年8月に発生した京都府福知山市の花火大会を思い出す。
花火大会会場でベビーカステラを販売する屋台の店主が、発電機にガソリンを給油するためにガソリン携行缶の蓋を開けたところ、大量のガソリンが噴出して爆発した。
この爆発により花火の見物客3名が全身火傷を負うなどして死亡した。
また、59名が重軽傷を負い、露店3棟が延焼した。
死者3名、59名の重軽症者を出した大きな事故だったので、福知山市の花火大会は、あれから10年が経過するが、未だ再開されていない。
福知山市の花火大会の事故を契機に、祭礼、縁日、花火大会その他の多数の者の集合する催しにおける火災予防対策の充実強化を図るため、火災予防条例が改正されている。
しかし、火災予防のための計画書は提出することだけが重要で内容については、おそらく消防では十分に確認していないのだろう。
板橋区の発表は?
主催である板橋区が発行した公式文書を確認すると以下のように記載されている。
概要
令和5年8月5日(土)に開催した第64回いたばし花火大会において、プログラムの1つである花火「大ナイアガラの滝」実施中、「大ナイアガラの滝」付近の下草が燃え、河川敷の約2,000平方メートルが延焼しました。 なお、火災発生に伴うけが人の発生はありません。
発生原因
志村消防署及び志村警察署において調査中。
公式見解
皆様が楽しみにしていた花火大会で火災を発生させてしまい、大変申し訳ありません。消防・警察による調査を踏まえて、今後はより安全な実施に努めてまいります。
何ともあっさりした内容で、とても反省しているようには感じられなかった。
けが人も出ていないということから、これくらいの事故は当たり前ということなのだろうか?
映像を見ていると「大ナイアガラの滝」が終わったあと、何やら火がついているのが確認できた。
公式文書では、「大ナイアガラの滝」付近の下草が燃えと書かれているが映像を見ていると、「大ナイアガラの滝」の真下に火花が落ちているのが確認できた。
風が前方から後方に向かって吹いていて、後方には枯葉が残っていた。
当日の映像を見ていると河川敷から川に向かって強い風が吹いていた。
風の吹き方によっては、火花が前後方に飛び散る可能性はあったはず。
なぜ、花火を行う下だけでなく、後方の草も除草しなかったのだろうか?
枯れ草の上に火花が飛び散れば燃え移ることは容易に想像が付く、
このため、あれは不慮の火事ではなく、起きて当然の火事だと言える。
厳しいようだが、板橋区の対応を見る限り、これでもまだ甘い気がする。