日本維新の会の代表が共産党に・・・
2023年7月25日に公開された、Youtubeの「ABEMA的ニュースショー」で、日本維新の会の馬場代表が、共産党について聞かれて「日本からなくなったらいい政党ですよね」といったことを話している。
以下は、その時の動画のリンク。
おっしゃっていることが、この世の中ではあり得ない。
この世の中にあり得ない空想の世界を作って、こんなんなったらええなということを真剣に真面目に考えている人達。
わかりやすいのは、地方議員さんとかでこんな道路作ったらダメでしょ?税金の無駄遣いや、もっと福祉にまわせと言っていて、道路ができて式典があったら「いの一番」に来てるからね。
【出典】【過激発言】「立憲民主党は叩き潰す」「共産党は日本から無くなっていい」日本維新の会 馬場代表に真意を直撃|ABEMA的ニュースショー
共産党の反応は?
この動画での発言を受けて、日本共産党は以下のような対応を行った。
維新の会に抗議文を持っていき撤回を求めた。
共産党が維新の会を批判したことを理由に(発言)されているようですが、政党間でお互い厳しく批判するというのは、当然そういう権利はあるわけですし、選挙で我々維新に対して、選挙で審判を下そうということは主張している。
そういう政党間の論争と、「日本から亡くなった方がいい」と存在そのものを否定する議論というのは本質的に異なる議論だと言う風に言わなければいけません。
それが民主主義を否定する暴論だという我が党の指摘に対して維新は全く反論できなかった。
【出典】維新発言撤回を求め抗議文 民主主義の根本の問題 2023.7.26
共産党って共産主義だよね?
日本は資本主義の国。
そんな国で共産主義を主張するというのはどういうことなのだろうか?
社会主義、共産主義というのは、財産や利益は個人のものではなく国(社会)のもの、みんなのものという考え方。
国民は、みんな自分の家族なので、働いて稼いだお金、財産は全て、家族である国に渡すというもの。
これが、資本主義の国では、全て個人のものになる。
国にとって大切なことは国民全員(国民の代表)で話し合って決定するのが民主主義。
以上を踏まえて、共産党の考え方(下記)を読んでみて欲しい。
私たちは、人類は資本主義をのりこえて、さらに発展した社会をつくることができる、と確信しています。
それは崩壊した旧ソ連や現在の中国とはまったくちがいます。
自由・人権・民主主義、生活と権利を守るルール、個性の発展──をすべて引き継ぎ、さらに開花させる。
生活のための労働時間を大幅に短くし、自由な時間をふやして、だれもが自分の能力と可能性を全面的に引き出せるようにする。
こうした社会主義・共産主義の社会を、日本共産党は本気でめざしています。まずは資本主義の枠内で民主主義を徹底する社会を実現し、そのうえでさらなる社会発展に挑戦する。「共産党」の名前には、こうした私たちの理想と決意がこめられています。
簡単にまとめると以下のような感じ。
- 資本主義の良い点は全て引き継ぐ。
- そして労働時間を大幅に短くして自由な時間を増やす。
- すると誰もが自分の能力と可能性を全面的に引き出せるようになる。
これだけで、資本主義の良い点を引き継いだ共産主義や社会主義が実現するのだろうか?
マルクスの資本論
上記には続きがある。
資本主義社会を研究しつくした「マルクス」は研究の成果を資本論としてまとめた。
その中で、資本主義は人類の歴史で一時的、経過的なもので、奴隷制から封建制、封建制から資本主義へと発展していったように、やがては高度な社会に交代せざるを得ないというのがマルクスが到達した結論。
なるほど、資本主義が発展した結果なら、資本主義にも問題点はあるので、当然、次の姿があるはず。
資本主義の先を見ているのは共産党だけ
資本主義では労働者は資本家から搾取され、資本家は労働者から搾取を続けることになる。
100円の売価で、原材料費が50円、労働者の賃金分が30円とすると利益は20円。
これが資本家が搾取する額になる。
ところが、労働者は歩合制ではなく、賃金制なので、100個売れても100個売れても得られるのは決められた賃金まで。
つまり、労働者には賃金分を超えた分が売れたとしても、それは、全て資本家のものになり労働者には還元されない。
資本家は働くことなく利益だけではなく、賃金分以上の個数が売れた場合には、賃金分のコストさえ自分の収入にしてしまう。
これを搾取という。
現在、労働力を提供し給料で生計を立てている者にとっては、当たり前のことだと思うかもしれないが、よく考えたら、労働者には利益が還元されていない点だけでも不公平極まりない仕組みということになる。
労働者にとって不利益な資本主義が続くはずがないというのがマルクスの考えになる。
そして、そんな資本主義の先を展望しているのは共産党だけ。
これが、共産党の主張になる。
ところどころ、雑な部分があるものの、大枠としては正しい主張だと言える。
これが、細かい点まで綿密に検討され修正することができれば、共産党の主張は無視できなくなる。
そのためには、マルクスの「資本論」は現代に合わない部分もあるので、まず、その是正が必要だと思う。
共産党に資本論を修正するだけ、資本主義を熟知している者がいるのかどうかが、共産党の存続を決めるのかもしれない。