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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

テラスハウス訴訟について思う事。

2020年にフジテレビの恋愛リアリティーショー「テラスハウス」に出演した、女子プロレスラーの木村花さんが2020年5月23日に命を絶った。

これは、制作側が対応を怠ったため、交流サイト(SNS)で誹謗中傷を受けたからだと言われている。

木村花さんの母親である、元女子プロレスラー木村響子さんがフジテレビと制作会社(旧:イースト・エンタテインメントと、イースト・ファクトリー)の3社に対して約1億4000万円の損害賠償を求めて訴訟した。

その第1回口頭弁論が2023年7月12日に東京地裁で行われた。

何があったのか?

自分は恋愛ものが苦手なので、「テラスハウス」という番組は全く見ていない。

この訴訟に関する事件についての報道がされていたことは知ってはいたが、経緯などは全く把握していなかった。

このため、木村花さんが番組に出演して何らかの問題発言を行ってしまい、SNSで炎上してしまい精神的に追い込まれたという認識だった。

このため、訴えるのであれば、テレビ局や制作会社ではなくて、SNSで書き込みを行った人達ではないか?と疑問に思っていた。

しかし、第1回口頭弁論の報道を見ていて、自分の間違いに気がついた。

テラスハウスは「恋愛リアリティーショー」という点が焦点の一つになっていた。

そこで、何があったのかを調べてみた。

大まかな流れは以下の通り。

  1. 木村花さんが「命より大切にしていたプロレスのコスチューム」シェアハウスの洗濯機の中に入れたままになっていた。
  2. シェアハウスに一緒に住んでいた男性が、自分の洗濯物と一緒に洗って乾燥機で乾燥させた。
  3. 木村花さんが「命より大切にしていたコスチューム」が縮んでしまい使い物にならなくなった

  1. これまでに、男性に対して積もり積もった不満もあって、木村花さんは激怒した。なぜ確認もしないで洗濯・乾燥をしたんだ?と男性を猛烈に批判し、最後には被っていた帽子を脱がせて投げ捨てて部屋を出ていった。
  2. しかし、このシーンが番組で放送されると、SNSでは「命より大切なものを洗濯機に入れたままにする方にも問題がある」と男性の方ではなく、木村花さんに批判が集中してしまった。

木村響子さん側の主張としては、訴状の中で、テラスハウスの制作側は「リアルであることを積極的に宣伝し、出演者が標的になりやすい構造をつくっていた」と指摘している。

少し、補足すると、番組は「恋愛リアリティショー」として放送されているものだから、視聴者は「出演者の生の声で、やり取りがされている」と認識してしまう。

ドラマや映画であれば、脚本や台本があってなので、視聴者側も本心だとは思わない。

しかし、「恋愛リアリティショー」と強調していることで、視聴者は出演者の本心だと思ってしまう。

木村響子さんは、花さんは番組で放送されたような言動をする子ではないので台本、または演出があったということを主張している。

まだ公式ページが残っていたので、番組紹介を確認した。

すると以下のように書かれている。

新シーズンの舞台は東京!2020年、世界中から熱い視線が注がれるTOKYOで、台本のない男女6人の新たな青春の日々が始まります。

【出典】TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020 - フジテレビ

公式ページ内に「恋愛リアリティショー」という言葉を見つけることはできなかったが、「台本のない男女6人」と書かれてあるので、台本のあるドラマや映画ではなく、台本がないリアルな話だと思ってしまうだろう。

訴えられた側の主張は?

この件に対して、フジテレビ側も検証を行っていて、以下の文書を2020年7月31日に公表している。

本資料は、「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」の出演者である木村花さんが亡くなられたことを受け、本番組の制作過程、及び制作業務に関連する対応について行った検証報告です。

【出典】TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」検証報告(PDFファイル)

検証点

  • 本番組は、毎回冒頭に「台本は用意していません」というテロップを表示しており、予め創作した台本は存在せず、番組内のすべての言動は、基本的に出演者の意思に任せることを前提として制作されていました。 
  • 撮影準備の関係で帰宅時間を調整してもらったり、食事のシーンで、料理のクローズアップを撮影するため、食べ始めるのを待ってもらったりすることがありました。
    番組内における出演者の行動やロケ、イベント等の企画については、制作側の事情で撮影が困難な場合や、番組のイメージや世界観を大きく損なう場合、安全面や著作権保護等への配慮が必要な場合、コンプライアンス上の問題がある場合等に、実施を止めて頂くことがありました。
    出演者の意思に基づいており、出演者の意思に反して指示、強要するようなことは確認されませんでした。
  • 一部メディアからの報道で、スタッフが木村花さんに対してビンタをするよう指示、強要したという内容があったが、指示・強要、或いは指示、強要するのを聞いたという証言はありませんでした。
  • 制作スタッフは、大切なコスチュームを台無しにされた木村花さんの怒りは妥当なものであると感じており、木村花さんのこの行為(帽子を取って投げ捨てた)について、多くの批判が寄せられることは予見できなかったとしています。

  • SNSでの炎上については、毎回、出演者のSNSの状況については、複数の制作スタッフが、すべての出演者のSNS(TwitterInstagram)をフォローし、確認していました。 (DMの内容は本人しかわからないのでスタッフは把握できなかった)SNSの炎上への対応については、本番組では出演者全員に対して、SNSの使用上の心構えを説明し、アドバイスをしていました。 また、出演者のSNSに脅迫や殺害予告など危険性のあるメッセージがあった場合には、弁護士を紹介して法的対応を検討し、また警備員を配置し、警察に相談するなどの対応を図っていました。しかし、それ以外の場合には、出演者とも話し合った上で、沈静化するのを待つという対応がほとんどでした。 

  • 本番組は、コロナウイルスの影響により3月28日から収録を中止しており、出演者は共同生活をやめ、全員が番組の撮影から離れ、各自の生活に戻ることになりました。 木村花さんのSNSに批判的なコメントが増えたのは、3月31日に38話を配信した直後でした。

どちらの主張が正しいのか?

この文書を読む限り、フジテレビ側は出来うる限りのことを行っていたように思う。

そうすると、木村響子さん側が主張している点と、フジテレビ側の調査結果は真っ向から対立する結果になる。

フジテレビの文書によれば、コスチュームに関する内容は以下のように書かれている。

  • 2020年1月21日の制作スタッフや出演者のLINEのメッセージの記録によれば、当日午前中、テラスハウスにいた他の出演者から、前日より旅行に出かけていた木村花さん宛に、木村花さんが洗濯機の中に置き忘れたと思われる衣類が、男性出演者の衣類と一緒に洗われ乾燥された状態で置いてある旨の連絡が入ります。

やはり、木村花さんが、洗濯機の衣類(コスチューム)を置き忘れたことで一致している。

洗濯機に入っていれば、持ち主が不在であれば、取り出して避けておくという選択もあると思うが、そのままにしておくのが忍びなくて、一緒に洗ってしまう気持ちはわからなくはない。

洗濯機に入っているということは、そのまま洗濯機で洗うつもりの衣類だと判断できる。

洗濯ネットに入れるべきものであれば洗濯ネットに入れているはず。

洗えば次は乾燥させないといけないので、乾燥器を使って乾燥してしまう人もいるだろう。

コスチュームを洗濯する場合、手洗いする人と、洗濯機で洗う人がいるようだ。

また、乾燥についても、普通に乾燥機を使用している。

このため、木村花さんが怒っていたのは、大切な衣装を「本人に確認なし」で行ったことに対してではないだろうか?

おそらく、木村花さんが洗濯してい場合でも、洗濯機で洗濯して、乾燥機で乾燥していたのではないだろうか?

勝手に洗濯して乾燥した結果、何も問題がなければ、怒りの持って行きどころがなくなる。

そのため、勝手にやった結果、起きてしまった悪い事実が欲しかった。

プロレスラーの衣装でよく使用されている素材(レオタード素材)は洗濯機を使用しても乾燥機で乾燥させても大丈夫だということ。

レオタード素材は、元々、身体に密着するものなので、通常は縮んだ状態になっているはず。

あくまで、憶測になるが、自分は、「縮んで使い物にならなくなった」という点に疑問を感じた。

しかし、だからといって誹謗中傷を行って良いということにはならない。

木村花さんにとって、もう一つ不幸だったのは、帽子を脱がせて投げ捨てた行為の意味が伝わっていなかったこと。

男性は謝罪している側なのに、帽子をかぶったままというのは、失礼だと木村花さんは思っていた。

しかし番組内では視聴者に伝わっていなかったので単に帽子をはぎ取り投げ捨てたように見られてしまった。

被害者同士で争っている場合ではない

繰り返しになるが、責められるべきなのは、SNSで誹謗中傷した人達であって番組を放送したフジテレビでも、番組を制作したイースト・エンタテインメントと、イースト・ファクトリーではないと思う。

むしろ、被告になっている3社も、SNSが登場したことで、テレビ番組を制作するだけではなく、番組終了後にSNSでのチェックを強いられるようになっている。

それでも不幸な結果になれば訴えられてしまう。

今回は、訴えられている方も加害者ではなく被害者だと言える。

被害者同士が争っている場合ではない。

早々にこの裁判に決着をつけて、本来、罪に問われるべき者に対して訴訟するべきではないだろうか?

木村響子さんは、フジテレビ、制作会社と一致団結して、SNSで誹謗中傷を行った人達を訴えるべきだ。