なんて読む?
「手水舎」って何て読むのか?って聞かれて即答できる人は、どれくらいいるだろうか?
そもそも、読めない人は、「手水舎」が何なのか?さえわからないはず。
神社に入口にある、下図のものといえば、分かる人は格段に増えるのではないだろうか?
「神社に入る前に手や口を清める場所」だということは知っていても正式名称に関しては馴染みがないので、「手水舎」という言葉さえ見たことも聞いたこともないかもしれない。
では、何と読むかというと、これが、ややこしい。
神社本庁、石川県の白山比咩神社では「てみずや」
【出典】参拝方法 | 神社本庁
【出典】Shirayama Hime Jinja Shrine
【出典】Illustrated Map-Naiku-(English)
そうかと思えば、「手水舎」は一般的に、「ちょうずしゃ」あるいは「ちょうずや」と読むことが多いと書かれている場合もある。
【出典】「《手水舎》の正しい読み方」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
chatGPTでは、以下のような答えが返ってきた。
- 手水舎の正しい読み方は「てみずや」です。
こんな状態で、さぁなんて読む?と聞かれても困る。
問題は二つ。
- 手水は、「てみず」か「ちょうず」か?
- 舎は、「や」か「しゃ」か?
手水
まず、手水から確認したい。
全国の神社に対して管理を行なっている、神社本庁と神社の総本山である伊勢神宮が「てみず」と読んでいるのだから「てみず」で間違いない。
舎
次に舎。
さぁ困った。
舎という漢字は、建物を指し「屋」と同じ意味となり「や」と読む。
「しゃ」と読む場合は社と同じ意味になり組織や企業といった時になるらしい。
だったら、手水舎は建物なので、「や」ってこと?
しかし「社」は「やしろ」とも読む。
この場合、神が祀ってある建物という意味になる。
神社の「社」は、正に「やしろ」の意味で使われているのだろう。
結論
いや、まてよ、手水舎は神が祀られているわけではない。
ただの建物。
だったら。「てみずや」で良いだろう。
こんな感じで結局「てみずや」で落ち着いた。
手水の作法
最後に、手水の作法を紹介したい。
手水は、本来、禊(みそぎ)を簡略化したもの。
禊とは、川や海の清い水につかり身体を洗い滌(そそ)ぎ、罪や穢れを祓(はら)い清める行為なので、禊の代わりということを認識しておく必要がある。
- 右手で柄杓を持って、たっぷりと水をくみ、左手を清める
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手を清める
- 再び、柄杓を右手で持ち、左手で水を受け口をすすぐ
※柄杓には直接、口をつけない - 柄杓を右手に持ち替えて、改めて左手を清める
- 残った水で柄杓の柄を洗い清めて柄杓を元の場所に戻す。
日本語には読めない漢字は多いが、答えが4つもある言葉というのは珍しいのではないだろうか?
いやいや、もっと多い言葉があるという人がいたら、是非、教えて欲しい。