世の中に良いことをしたい
「PRESIDENT Online」の中に、就活面接で「世の中に良いことをしたい」と語る学生を必ず落とす役員の"納得の言い分というタイトルの記事を見つけた。
「世の中に良いことをしたい」と思っている人は自分より他人で志が高いはずなのに、なぜ採用しないのか?それに対して、「納得の言い分」という一文をタイトルに付加することで興味を持たせる。
よくあるキャッチだと思っているのに、つい興味を持ってしまう自分が情けない。
とある会社の役員は「世の中に良いことをしたい」と言って志望してくる学生は採用しないと明言していました。ほとんどの場合、そういう学生にはビジネスで稼ぐ視点が欠落しているから、だそうです。あなたはこれから企業人になるのですから、日本人にありがちな「お金の話を避ける」のではなく「稼ぐこと」を意識しなければなりません。
ですので、志望動機には必ず「ビジネス視点」を盛り込んでください。
採用されなくてよかったのでは?
一読した時には「なるほど」と思った。
しかし、直ぐに採用されなくてよかったのでは?とも思った。
不採用にするという「とある会社」の企業理念には「ビジネスで稼ぐ」といったことが書かれてあるのだろうか?
そんなことを企業理念にする会社なんてまずないだろうし、あったとしても、そんな企業で働きたいとは思わない。
むしろ「お客様のため」、「お客様に役立つ」といった稼ぐといったこととは無縁な言葉を積極的に使ったものにしているはず。
「とある会社」の役員なら、それは、どこの会社も同じようなものだというかもしれない。
そう、それは人も同じ。
企業は利益を得なければ存続できない。
それは、人が食べたり、飲んだりしないと生きていけないのと同じ。
面接で、食べていくために御社を選びましたなんてことを言う必要はないし、そんなことを言えば逆に変な人だと思われるだろう。
「世の中に良いことをしたい」と言った人にとって、その言葉は本心なのかもしれないが、企業理念のように、採用されるために受けの良い言葉を選んで言っただけの可能性だってある。
「とある会社」の役員が、どこの企業も同じだというなら、面接を受けた人だって同じなのではないだろうか?
採用しないという人こそ不採用
つまり、どっちも、どっちということになる。
そもそも、企業理念の言葉は建前で、本音は稼ぐことを最優先するような会社なら採用されても、やりがいが感じられるような仕事はできないだろうから、不満を抱えての日々が待っていたはず。
そんな会社に採用されなくて良かったと思う。
企業は、誰かの役に立つこと、必要とされる商品やサービスを提供するから存続できるのであって、誰からも必要とされなければ存在する意味がない。
それを二の次にして「稼ぐ」ことが大切だというような企業には必要性を感じない。
「世の中に良いことをしたい」と発した発言が本心かどうかは確かめなければいけないが、本心だったら企業の根本に関わる内容をしっかり押さえている人になるので不採用どころか採用するべきだと思う。
本心でなかった場合は、とある会社の役員がくだした不採用に同意する。
ただ、本心かどうかを確認せずに採用しないといった「とある会社」の役員さんは、「儲けることが最優先のようだ」
個人的には、そのような人こそ不採用にするべき人だと思う。