肉アレルギー
夕方のニュースを見ていた。
ふと思ったのが、ニュースキャスターを務めている人って確か、子供の頃から肉アレルギーで肉が食べられないと言ってた。
肉だけではなく、米・小麦もアレルギーがあるということだった。
子供が大好きな「ハンバーグ」を食べることができなかったというのは、辛かったことだろう。
しかし、肉アレルギーでも、「肉のエキス」「加工品」、「牛肉、豚肉、鳥肉も十分に加熱したもの」なら食べられる場合が多いらしい。
山羊は肉を食べられないのだろうか?
そんなことを考えていると、ふと頭に浮かんできた。
- 「山羊」は「肉」を食べられないのだろうか?
食べられないのであれば「肉アレルギー」だから?
「山羊」といえば、草食動物なので「肉」は食べないと思い込んでいた。
しかし、動物である限り、「たんぱく質を構成するためのアミノ酸」は必要だ。
植物性たんぱく質として「大豆」があるが、山羊は「大豆」を食べているのだろうか?
山羊は反芻動物
調べてみると、山羊というのは、「反芻(はんすう)動物」だという。
反芻というのは、一度、咀嚼したものを、再度、口の中に戻して咀嚼することを示す。
人間は、「草」を食べても消化することができない。
「草」はセルロース(繊維質)を中心とした炭水化物でできているが、人間はセルロースをほとんど消化することができない。
しかし、草食動物と言われる動物は、消化できてしまう。
なぜか?
牛には胃が4つあるというのは有名だが、山羊にも牛と同様に胃が4つある。
食べた草は1つ目の胃で半分ほど消化される。
そして、2つ目の胃で再度、口へ戻される。
再度、咀嚼したのち、3つ目、4つ目の胃で消化される。
このため、何も食べていないのに突然、咀嚼を始めるのは、2つ目の胃から戻されたものを咀嚼しているということになる。
一つ目の胃には微生物がいて食べたものに含まれているたんぱく質は微生物によってアンモニアに変えらる。
そして、微生物は、アンモニアと、食べたものに含まれている炭水化物(繊維やデンプン等)をエサにして増殖する。
この微生物が、セルロースを分解してくれることになる。
セルロースを分解してくれた微生物は4つ目の胃まで流れていき、山羊のたんぱく源となる。
草からたんぱく質を摂取できる実に合理的な仕組みができている。
肉食動物は?
逆に肉食と呼ばれる動物は、草を消化する仕組みはないが、肉は草食動物のような仕組みがなくても、すぐに消化できる。
しかし、肉食動物も肉だけでは栄養バランスが取れないために草を食べる必要がある。
しかし、消化する仕組みがないので、草食動物を食べることで間接的に摂取する。
草食動物の身体の胃の中には消化された草が残っている。
肉食動物が獲物の腹から食べるのは、胃の中の消化された草を得るためではないか?と言われている。
この仕組みも、ある意味、合理的だと思う。
草食動物は、草を消化して必要な栄養を摂取できるようにできており、肉食動物は草を消化できる動物の肉を摂取することで必要な栄養を摂取できるようになっている。
うさぎは肉を食べる
しかし、草食動物も肉を食べることはでき、実際に、「うさぎ」が死肉を食べたり、共喰いをすることもあるとのこと。
だからといって、「うさぎ」が肉食動物なのか?というと、人間が草を消化できないのと同じで、動物性たんぱく質を消化できるようにはできていないので、肉ばかりを食べていれば栄養が取れないばかりでなく、消化不良で肉が残ってしまい、腸が詰まってしまうことにもなる。
草食動物は、「草」、肉食動物は「肉」を効率よく消化できるようになっているので、普段食べないものを大量に食べると消化不良を起こすということになる。
結局、山羊は肉を食べるのか?
山羊も死肉を食べるという報告もあるようなので食べることはできることになる。
しかし、歯は、草をすりつぶしたり、噛み切れるような構造になっているので、肉を食べるのには適していない。
また、草といった植物を消化して生きていけるように出来ているので、肉を食べなくても生きていける。
逆に肉を食べてしまうと体内の微生物バランスが崩れてしまい、病気になる可能性があるので、草以外は食べさせない方が良い。
これが答えになるかと思う。
人は肉食?草食?
人間は、草食動物でも、肉食動物でもなく、「雑食動物」に分類される。
つまり、植物、動物共に食する動物になる。
言い換えれば「肉」のみ、「植物」のみでは、全ての栄養が接種できるようにはできていないことになる。
どちらかしか食べないというのは人の構造に合わないことになるので、栄養が偏ることになる。
今回、動物というのは合理的な仕組みで生きていることを知り驚いた。