総務省が2021年1月19日に2021年分の政党交付金の受け取りを8政党が届け出たと発表し、共同通信が各党への配分を試算した結果が報道されていました。
共産党は、政党交付金を受け取る資格はあるにも関わらず受け取っていないということで好感を持ちました。
NHKから国民を守る党、れいわ新撰組も、6000万円以上が交付されているので、うーん・・・って感じです。
政党助成制度
全部で300億円以上?って凄い額ですが、これなんなん?
票集めのためにばら撒くお金のこと?とか思ったりしました。
総務省のホームページをよると、政党交付金というのは政党助成制度のことのようです。そして以下のようなことが書かれてあります。
政党助成制度とは
- 政党助成制度は、国が政党に対し政党交付金による助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした制度です。
政党交付金の対象となる政党
「 健全」って言葉が2回も使われているってことは、政党交付金がなければ「不健全」になるということですか?
この制度は、1995年に、特定の企業や団体からの献金によって政治家が不正をおこなうことを防ぐ目的で導入されたものです。
でも、お金をあげるから悪いことするなよ?って感じで、だったら悪いことをすれば、お金をもらえるという風にも受け取れます。
- 政党交付金を受けようとする政党は、その旨の届出をすることで、交付を受けることができます。
- 政党交付金の総額は、最近の国勢調査の人口に250円を乗じて得た額を基準として、国の予算で決まります。(平成27年国勢調査人口により算出すると約318億円)
- 各政党に交付される政党交付金の額は、政党に所属する国会議員の数と、前回の衆議院議員総選挙、前回と前々回の参議院議員通常選挙の際の得票数によって決まります。
- 各政党への政党交付金の額は、毎回1月1日を基準日として算出し、年4回に分けて交付されます。(衆議院議員総選挙又は参議院議員通常選挙が行われた場合は、選挙後に選挙基準日が設けられ、以降の交付額は改めて算定されます。)
選挙基準日
- 総選挙若しくは通常選挙の翌日又はこれにより選出された改選後の国会議員の任期の初日のうちいずれか遅い日
政党交付金の計算方法
- 250 円 × 127,094,745 人(平成 27 年国勢調査人口)=31,773,687 千円
政党交付金の使途
じゃあ、健全になるという政党交付金って何に使われるの?って疑問が当然出てくる。
- 国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならないとされています。
- 政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないように、政党交付金を適切に使用しなければならないとされています。政党交付金の使途の適正については、使途の報告を通じて広く国民の前に明らかにして、国民の批判と監視の下に置くことにより、これを図ることとされています。
【出典】政治資金規正法のあらまし
つまり、何使っても良いってことですか・・・
自由に使えるお金は不健全
しかし、政治家というのは不正をおこなうのが仕事だとも思えるようなことを、やってくれます。
自民党が、河井案里氏側に1億5千万円という異例の額を資金提供したことが問題になっていた時に安倍前総理が、政党本部から政党支部への政治資金の移転は何の問題もない。政治資金の運用は党本部に任せていると言ってたけど、移転した政治資金を使って、2019年7月の参院選広島選挙区で広島県内の地方議員や首長ら94人に投票や票の取りまとめを依頼し、計約2570万円の報酬を渡して公職選挙法違反で逮捕されているんですよね。
使途に制限をかけず自由に使えるお金を使って、逮捕者が出ているのに、自民党には何の制裁が行われることもなく、今年も満額で政党交付金が支給されるというのは、おかしくないの?って強く感じます。
政党交付金がなければ、もしかすると、河井氏に1.5憶も渡すことができず、事件を未然に防げたのではないか?という気もします。
1.5億円は「広報費」で、党勢拡大のための広報紙を3~4回、広島県内の全世帯に送った費用に充てられたと説明していました。
広島県の令和元年の全世帯数は、1,245,185です。
約125万としてちらし1部に仮に10円かかったとして、1250万円、それを3回ですから3,750万円です。残りの1憶以上は何に使われたの?って思います。
自民党本部は、1.5億円も何に使ったのか?確認をしていなかったのでしょうか?
自民党本部は全てをわかってやっていることなので、確認の必要なんてないんでしょうね。だから、見つかっても本部は知らないよってことになります。
政党交付金は何に使われているの?
政党交付金は、会計帳簿を作成して公表されるものです。
どの政党も、政治資金の7割~8割が政党交付金によるものなので、自民党広島支部(河井案里側)に渡されたというお金も政党交付金から出されているはずです。
【出典】総務省|政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書
しかし、自民党本部での会計帳簿では支部への移転、広島支部では広報費として計上されているので表立っては問題はないことになります。
政党交付金は何に使っても良いことになっていますが、これも問題で、正しい手段で資金を得るだけでなく、使い道についても制限をかけて、監査しないと選挙がらみ不正はなくならないのです。
日本で長年続いてきた、選挙の仕組みを変えない限り、票を獲得するために不正を行う者は出てきます。
このため、日本の政治は選挙が中心です。
票を入れてくれた地元の人に国民の税金を使って還元する。
票を集めてくれた旅行業経営者の方に国民の税金で還元する。
不特定多数の会社員は税金を搾取されるだけで還元なんてされません。
何とも不公平な仕組みだとは思いませんか?
しかし、これが日本の仕組みです。