携帯電話ショップでマイナンバーカードの申請手続き?
政府がマイナンバーカードを普及させたいということで携帯電話ショップでも申請手続きができるように休日も営業している携帯電話のショップでも申請手続きができるようにすることを検討しているとか・・・
- 政府がマイナンバーカードの普及促進に向け、携帯電話のショップでも申請手続きができるようにする方向で検討していることが2日、分かった。カードを発行する地方自治体の窓口はその多くが平日しか対応しておらず、休日も営業している携帯ショップを活用すれば申請がしやすくなる。携帯業界も前向きで、政府は今年度中にも正式に協力を依頼し、早ければ令和3年度中の実現を目指す。
- 政府は既にマイナンバーカードを申請できる全国の郵便局で、5年に1度必要なカードの本人情報の更新など、これまで自治体職員しかできなかった一部の業務を委託できるよう今年の通常国会に関連法案を出す方針だ。ただ、政府関係者によると、携帯ショップで行うのは申請手続きだけで他の業務は伴わないため、法改正は必要ない見通しという。
【出典】マイナンバーカード、携帯ショップでも申請 政府検討 休日対応で普及促す - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
申請手続きだけなら、コンビニの前等に設置されている証明写真機「Ki-Re-i」でも行えます。実際、僕も申請は、「Ki-Re-i」で行っています。
問題なのは、その後です。
マイナンバーを受け取りに行くのは本人確認のため本人が役所まで取りに行く必要があるのです。
更には、5年に1度はマイナンバーの電子証明書の更新手続きと20歳未満の方は、写真も更新する必要があります(20歳以上は10年に1回)
5年~10年に1度、会社を休んで役所に更新手続きに行く必要があることも問題です。
更新・マイナンバーの受取が携帯電話ショップで行えるというのであれば、まだ、話になりますが、申請だけだというなら、そんなのは無駄!と言いたいです。
問題点は、そこじゃないでしょう?
何よりも問題なのは、マイナンバーカードを所有していても、何も便利にならないということです。
ふるさと納税を行なう際も、以下のような作業が必要です。
- ワンストップ特例申請書にマイナンバーを記載し捺印。
(下図左側 赤枠部分) - マイナンバーカードの裏表をコピーして指定の用紙に貼り付ける。
(下図右側 赤枠部分) - 指定の封筒に入れて糊付け。
- 封筒が別納でなかったり、切手が貼られていないと、切手も貼る。
マイナンバーを記入する作業が増えるだけで、利用する側は何のメリットもありません。
個人番号通知書との違いは、マイナンバーカードをコピーするか、運転免許証をコピーするかの違いだけです。
これでは、マイナンバーカードを作る意味なんてないので、個人番号通知書があれば十分です。
マイナンバーカードを持っていても、カード情報を読み取れるスマホや、ICカードリーダーがなければ、無用の長物です。
そもそも、マイナンバーカードの内容を読み取る場面なんて確定申告の時くらいです。
それも確定申告が不要の会社員だと、そんな場面もありません。
マイナンバーカードを持っていてもメリットが全く感じられないのに、普及するはずがないんです。
普及させることに税金を注ぐのであれば、まずマイナンバーカードを持っていると便利になるようにして欲しいものです。
マイナンバーカードのメリットとして、以下のようなことが言われていますが、実際に使えるシーンなんて、ほぼありません。
- 身分証明書として使える → 運転面協商を使う方が多い
- オンライン申請に使える → これまでに1回しか使ったことがない
- コンビニなどで各種証明書を取得できる → 取得することが1年に1回もない
マイナポイントが使えるというのも、ありますが、上限が5,000ポイントまでで、それも継続されるわけではないので、メリットとは言えません。
現状、こんな状態でマイナンバーカードを作っても、更新作業が増えるだけです。
将来的には健康保険証、運転免許証も兼ねられると言われても、今は兼ねられないので、そうなってからでも遅くはありません。
先に記載した、ふるさと納税での事例がマイナンバーカードの実情です。
考え方(運用ルール)がアナログに基づいたものですから、デジタルツールを持っていても運用はアナログになります。
運用ルールもデジタルに準じたものに変えなければ、アナログでの運用になるのは当然なんです。
考え方もデジタル化
これを菅総理に伝えても、将来的にはマイナンバーカードだけで行えるようにする方向でデジタル庁を立ち上げようとしているという答えが返ってくるだけでしょう。
こんな回答が返ってくる時点で、考え方がアナログなんです。
だったら、マインナンバーカードだけで行えるようにしてからマイナンバーの運用を始めてくださいってことです。
スマートフォンで、5G対応のものを購入しても、5Gが使えなければ意味がないのと同じなんです。
政府が行っていることは、まだ5Gは使えませんが、将来的には使えるようになるので、まず5G対応のスマホを購入してくださいと言ってるのと同じです。
申請手続きを郵便局や携帯ショップで行えるようにする前に、マイナンバーカードが便利に使える環境を構築するのが先で、話は、それからでしょ?という感じです。
マイナンバーについては、民間ではあり得ない発想です。
アナログ頭の総理大臣がデジタル庁だとか言っても、マイナンバーカードと同じように、使いたいと思えないものができるとしか思えません。
COCOAの失敗
これを証明してくれた例が、COCOA-新型コロナウイルス接触確認アプリです。
不具合ばかりで、使えないものが出来上がりました。
更に、以下のバージョンに対応しているスマホでないとインストールさえできません。
5~6年前に購入したものだとインストールさえできないのです。
若い方だと、平均3~4年でスマホを変えるかもしれませんが、高齢者の方は、5年以上は普通に使います。高齢者の方はインストールしたくてもできない方もいることになります。
これは、COCOAの責任ではなく、COCOAが使用している、APIを開発した、AppleとGoogleによる制限ですが、民間が使用するものではないので、古いOSでも動作することを強く要求するべきでした。
COCOAは、少しでも多くの人にインストールしてもらわないと効果が出ないものだったはずです。
COCOAも専門チームが開発したはずですが、それでもボロボロの結果でした。
利用者が普通に使って発見できるような不具合が発見できないというのですから、基本的な動作さえ検証できていなかったことになります。これで、外部に現れてこないような内部処理部分がしっかり検証されているとは思えなかったので、がっかりした記憶があります。
これも菅総理に言わせれば、この失敗を踏まえたのがデジタル庁だというのでしょう。
しかし、COCOAが、なぜ失敗したのか、把握できているのでしょうか?
原因も調査せずに対策だけ行うなんてことは、誰が考えてもあり得ません。
デジタル庁で問題は全て解決する?
デジタル庁を作れば、問題が解決すると思っているのだとすれば大間違いです。
デジタル庁の目的は、国会で、GoTo事業、持続化給付金事業でシステムに関わる部分で税金の無駄遣いを指摘されたので、無駄をなくすという目的でデジタル庁を作ろうということだと思います。
これぞ、まさにアナログです。アナログの発想です。
おそらく、菅総理の経験と勘による思いつきなのでしょう。
思いつきで、デジタル庁が成功するとは思えません。
そもそも、普通の会社では定年どころか、再雇用も終了しているような年齢の方が国の舵を取る総理大臣になっている時点で間違っています。
デジタル的な考えができる方なら、高齢なので適切な判断・発想ができないということを理由に、総裁選に出馬するはずがありません。
今は平常時ではなく、緊急時なのです。
瞬時に適切な判断ができないと致命的な結果に繋がります。
国会議員に定年がない
実質、国会議員には定年がないので、定年を設定するべきです。
正確には、衆議院議員の比例代表では73歳定年制、参議院議員の比例代表では70歳という定年制は、ありますが、これさえも撤廃するべきだという意見が出ている状態です。
水は流れていないと凍ってしまうように、国会議員も同じような人の繰り返しでは同じことしか繰り返しません。
国会議員の定年さえ設定できないようなアナログ的思考で、何がデジタル化?って感じです。
以上のような理由から、デジタル庁を設立しても失敗するのは目に見えています。
まず、アナログ的な思考しかできない国会議員だけではなく、デジタル思考ができる方が国会議員になれるような環境を作らないと何を行っても失敗するだけです。
国会議員も60歳を超えたら現役議員から退くように法改正をしないと、金権政治が続くだけです。
菅総理は、ハンコの廃止といった枝葉の部分ばかり見て、メスを入れようとしていますが、幹の部分を見てもらわないと本質は変わりません。
マイナンバーカードに時間を割く余裕なんてないでしょ?
マイナンバーカードについては、正直、今、議論するべき内容ではないと思います。
選挙に当選することしか考えていない与党議員、与党を引きずり下ろすことしか考えていない野党議員。正直、どちらも不要です。
派閥だけではなく、与野党の壁さえ越えて話し合いを行い、今の日本を任せることができるのは誰か?という点を協議してもらい、派閥・与野党の壁を抜きにした内閣を決めるべきだと思います。
日本の全力で立ち向かわないと、事態は悪くなる一方です。
マイナンバーカードに時間を割いている余裕なんてないはずです。