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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

インドのマイナンバー「アダール」

インドはIT大国

インドは、英国の植民地だったこともあり英語が公用語のようになっている。(正式な公用語はヒンズー語)

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米国とインドの時差は9時間30分で、インドが進んでいる。

米国が19時ならインドは翌日の早朝4時30分になる。

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これが、どういうことかと言えばソフト開発の場合なら、次のようなことになる

米国19時に依頼を完了しておく。

インドは、翌朝から依頼事項を進める。

仮にインドでの作業が18時30分に完了すれば米国時間では前日の朝9時になる。

つまり、自分達が寝ている間に作業が進めることができるのだ。

内容次第では24時間体制で仕事を進めることができることになる。

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何より英語でコミュニケーションが取れるので言葉の違いによる解釈違いが出にくい。

更にインドのIT技術者は世界トップレベルのスキルを持っている。

おまけに、コストも安い。

ザックリ計算すると、米国の約三分の一になる。

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米国から見れば、インドのIT技術者は最高のパートナーだと思う。

米国から色々な案件がインドに委託されたはずだ。

このため、インドは、日本よりも遥かにレベルの高い、IT大国になった。

ITエンジニアの数では、米国が圧倒的な数を誇る。インドは米国の次に多い2位、日本は中国の約半分の人数で4位。

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インドのマイナンバー「アダール」

そんなインドでは、日本のマイナンバーに相当するものが存在する。

名前は、「アダール」日本語だと「基礎や土台」という意味になる。

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日本のマイナンバーより早い2010年から運用が始まっていて2017年時点で99%以上が登録済みだというので、7年でほぼインド国内に浸透したことになる。

日本でマイナンバーの運用が始まったのが2016年1月1日なので、既に5年経過したが、2021年4月1日時点でマイナンバーカードの普及率は28.3%という状態だ。

アダールは日本と違い、登録は任意となっている。

それでも、99%以上の登録者数ということは、それだけのメリットがあるからだ。

インドでは戸籍がないため本人確認が難しいという背景があった。

本人確認が難しいので、銀行口座さえ開設できない。

そうすると、携帯電話の購入も出来ないことになる。

このため、国が福祉サービスを提供しても、なりすましや、横領による不正受給が横行して本人に支援が届かない問題もあった。

アダールにより、銀行口座の開設、携帯電話の購入、福祉サービスが適切な人に提供できるようになった。

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日本のマイナンバーは行政手続きの合理化を目的としたものなので、国民にとってメリットは感じられないが、インドでは国民に直結するメリットがあったので、強制でなくても、99%以上も登録したのだと思う。

アダールは生体認証、マイナンバーはパスワード認証

アダールは、本人確認のために作られたものなので、指紋、虹彩認証と多岐に渡る。

しかし日本のマイナンバーは中途半端なので、選挙の投票にさえ使えない。

日本のマイナンバーカードはネットでの本人確認を想定していないのでカードに写真を印刷して、それで本人確認を行う。

人間の顔なんて時間と共に変化するのだから本人確認に利用しようとする発想が古い。

現在、日本ではパスワードだけでは、信用できないからメールアドレスに何桁かの数字が送られてきて認証を求める二段階認証に切り替わってきている。

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しかし、携帯会社が変わりメールアドレスが変わると登録していたメールが受信できないので本人確認ができない。

しかも、メールアドレスを変更しようとすると、登録していたメールに2段階認証のパスワードが送られてくる。

MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用して携帯番号を変えずに携帯電話会社を変える場合、同時に、変更前のメールと変更後のメールが使えないので、変更する前に、一度、パソコンで使っているメールアドレスなどに登録を変更しておく必要がある。

これを怠ると、電話を行い、書面でメールアドレスの変更を行うといった面倒な処理が必要になる。

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電話はフリーダイヤルではなく有料の番号の場合が増えている。

それでも、仕方なく電話をすると、なかなか繋がらず繋がったかと思うとオペレーターは何度もしばらくお待ちくださいと電話を保留にしてしまう。

これでは、電話会社の回し者ではないのか?と疑ってしまう。

だったら無駄な電話をさせずに、WEBから登録した住所を入力すれば登録された住所と照合して一致したら郵送する様にしてくれれば良いのではないか?

二段階認証は安全か?

そもそも、スマホを盗まれてしまった場合、二段階認証のメールやSMSもスマホで確認できてしまうので意味をなさない。

スマホにアカウントを登録していないメールアドレスを用意すると、今度は2段階認証のメールを外からアクセスできないので、スマホともう一台の端末を持ち歩かないといけなくなるので、これでは本末転倒だ。

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日本の2段階認証は、無駄が多くてセキリュリティ的にも弱過ぎる。

そんなものを、強要されるのだから溜まったものじゃない。

二段階認証なんてやめて欲しい、だったら生体認証にしてくれと言いたい。

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しかし、顔認証はマスクをしていると顔の半分が隠れてしまうので、不一致になる。

それでも、マスクを外すだけで認証ができるので、2つの端末を持ち歩くよりはましだ。

指紋認証は、ゼラチンなどで指を偽装することで本人以外でも認証できてしまう。

指紋認証はセキリュリティ的に弱い事もあってiPhoneは顔認証に切り替えたのだろう。

日本のマイナンバーカードは、一度はパスワードの設定や本人確認に役所に行かないといけないので、その時に顔や指紋を登録することもできるはずだと思うが、何故かパスワードしか設定しない。

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本人確認ができないマイナンバーカード

この時点で日本とインドで大きな差が生じている。

パスワードでは、本人確認ができない。

例えば、選挙の投票でマイナンバーカードを利用しようとすると、パスワードしか登録されていなければ、本人確認が不十分になる。

パスワードであれば家族に教えたりすれば家族が代理で投票出来てしまったりする。

このため、マイナンバーカードを活用しようとした場合、本人確認の仕様を組み込まないといけないが、日本は役所間での二重入力を避けようという発想だけで作ってしまったので、このような結果になってしまった。

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国民目線で作られた、アダールカードと、役人目線で作られたマイナンバーカードで普及率が雲泥の差となるのは、当然のことで、今、また日本は、出来損ないのマイナンバーカードを何とか、普及させようという理由だけで健康保険証の代わりにできるようになったが、これも、マイナンバーカードを所有していれば、自動で健康保険証として使えるようになるわけではなく、自分で、登録申請をする必要がある。

それもマイナンバーカードの内容を読み取れるICカードリーダーとパソコンなどが必要になる。

マイナンバーカードで全ての情報が繋がるなら、申請なしで健康保険証として利用できるようにもできるはずだ。

しかし、別途申請が必要ということは繋がっていないからではないだろうか?

どこまで、日本はデジタルと言いながらも、アナログから抜け出さないのか?と呆れてしまった。