seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

アルプスの少女ハイジ【第一部】

アルプスの少女ハイジ展が2020年12月25日(金)より金沢市めいてつ・エムザで開催されています。

f:id:seege:20201227115834p:plain

催事名

口笛が聞こえますか?
感動のあの名場面に出逢える。
テレビ放映45周年を記念した特別企画展【ファイナル】が金沢にて開催!!

1974年に放映が始まった「アルプスの少女ハイジ」は、初めてロケーションハンティング(現地取材)が行われた日本長編アニメーションで、舞台となったスイス・アルプス地方の風景や食事など綿密に描かれたその世界観は、45年の時を経ても全く色あせることはありません。

開催場所

内容

会場には作画監督の小田部(こたべ)さんの原画をはじめ、舞台となったスイスの村の設定画、アルプスの雄大な自然を描いた背景原図、台本など約400点が並びます。ハイジの気分が味わえる記念撮影スポットも設けられています。

2019年に始まった国内巡回展で、今回が最後の会場となります。

来場者が原画や絵コンテを眺めたり、登場人物のパネルの前で記念撮影することができます。

期間と日時

  • 2020年12月25日(金)~12月31日(木) 10:00~18:30
  • 2021年1月2日(土)~1月13日(水) 10:00~18:30
入場料
  • 大人600円 / 高校生以下300円 / 未就学児 無料

アルプスの少女ハイジ展 | めいてつ・エムザ

僕は再放送で、アニメを見て、ハマってしまった記憶があります。

アニメ版のあらすじ

ハイジは、デリフリ村で生まれ、1歳の時に両親を亡くしてしまいます。

おばさんのデーテに引き取られます。

しかし、デーテおばさんは、ドイツのフランクフルトで良い働き口を見つけましたが、ハイジが一緒だと動きが取れないということで、5歳の時に、アルムの山小屋にいる、おじいさんのところへ連れていかれます。そして、アルムの山小屋で、おじいさん(アルムおんじ)と二人の生活が始まります。そこで、おじいさん、ヤギ飼いのペーターとその家族、犬のヨーゼフ、山羊のゆきちゃんを始めとした動物達から、様々なことを学んだり、経験して健やかに育っていきます。

f:id:seege:20201227132042p:plain

ハイジが8歳になったときに、フランクフルトに行った、デーテが帰ってきて、ハイジを騙してフランクフルトの貿易商・ゼーゼマン家に連れて行きます。

そこで、足の不自由な「クララ」に出会い、フランクフルトでの生活が始まります。クララの父、おばあさま、主治医の方はとても良い人でした。しかし、執事のロッテンマイヤーがハイジに勉強や、厳しい躾を行い、更には、アルムの山のことを話すと、ハイジが帰ってしまうのではないかと心配するからということで、アルムのことを話してはいけないと言われます。ハイジもクララに心配させてはいけないとアルムのことを話したり考えないように我慢をしました。その結果、強いホームシックになってしまい、夢遊病になってしまいます。夢遊病になった原因を知ったクララの主治医は、ハイジを直ぐにアルムの戻すように指示します。ハイジはアルムの山に帰り、クララはハイジに会いに、アルムの山に行きます。アルムの環境が歩けないと諦めていたクララに練習をする気にさせました。そして、最後は、クララが歩けるようになりフランクフルトに戻るというものです。

一言でいうと、ハイジの日常生活を描いたストーリです。

原作を読むまで僕は、アルプスの少女ハイジを、このような物語だと思っていました。

スイスでは放送されていない

アルプスの少女ハイジのアニメは、ヨーロッパでも放送され大人気でした。

しかし、ハイジの舞台となったスイスでは、これまで一度も放送されていないそうです。そして、これからも、放送するつもりは、ないということです。

しかし、本や実写版の映画はスイスでも親しまれています。

なぜでしょうか?

日本で作られたアニメ版は「現実が美化されてしまっている」というのです。

原作に忠実に再現されなかったことがスイスの知識人には受け入れられなかったということです。

もう一つ、内容に関してではなく、「コミックやアニメ」に対してスイスの知識人が懐疑心をもっているという事情もあるようです。

原作を読んでいないと、あの名作の良さがわからないのか?と思ってしまうかもしれません。

アニメ版とは本質が違う原作

ハイジの作者である、ヨハンナ・シュピリゲーテのファンでした。

そして、以下の小説を捩󠄁ってハイジのタイトルにします。

  • ヴェルヘルム・マイスターの修業時代
  • ヴェルヘルム・マイスターの遍歴時代

ハイジでは、以下のように第1部と第2部にタイトルがつけられています。

第1部:ハイジの修業時代と遍歴時代

第2部:ハイジは習ったことを役立てることができる

ゲーテのこれら2つの小説は、人格形成小説だと言われています。

このため、ハイジの原作はアニメ版とは全く認識が違ってきます。

アニメには描かれなかった「喪失と再生」の物語
世界的な人気を誇る日本のアニメ作品が、ゲーテによる教養小説の流れを汲み、19世紀のヨーロッパ社会や宗教観を色濃く反映した原作をもとに作られたことは、あまり知られていない。登場人物の心の葛藤や闇、豊かな宗教性・自然観にも焦点を当て、アニメには描かれていない原作の深淵な魅力に迫る。

原作のあらすじ

おじいさんは、立派な農園の長男として生まれました。

しかし、若い頃に遊びで財産を使い果たし行方をくらまし、

ナポリで傭兵(雇われの兵隊)になります。

十数年後、トビアスという息子を連れて帰ってきます。

しかし、村人たちは、おじいさんを受け入れてくれませんでした。

これに腹をたてた、おじいさんは、デリフリ村に移り、トビアスと暮らします。

ビアスは村の人に好かれますが、でも、おじさんのことは、傭兵時代に人を殴り殺したという噂もあって誰も信用しませんでした。

ビアスは、大工になりアーデルハイド(ハイジの母)と結婚します。

しかし、トビアスは事故死、アーデルハイドも後を追うように亡くなります。

みんな、おじいさんが神様を信じないで生きてきた罰だと言うようになります。

その結果、おじいさんは、アルムに上がり、神様とも人間とも仲たがいをしたまま暮らすようになります。

そんな、おじいさんの所へ、おばのデーテはハイジを預けにいきます。

おじいさんには、「とっとと帰れ」と言われ、デーテはハイジを置いて帰っていきました。意外にもおじいさんは、ハイジに優しく接し、アルムでの二人の生活が始まります。

ハイジはペーターと山の牧場に行くようになります。

ペーターと仲良くなったハイジは、ペーターから、目が見えないおばあさんに会いにきてくれるようい頼みます。おばあさんと仲良くなりました。

おばあさんが小屋はガタガタで、もうすぐ壊れそうだというので、ハイジはおじいさんに頼んで小屋を治しにきてもらいます。

おじいさんは、小屋の中には入らず、小屋の外側だけを治します。 

ある日、おばのデーテがフランクフルトから帰ってきます。

そして、フランクフルトのお金持ちのお嬢様の遊び相手としてハイジを連れていこうとします。

おじいさんがいなくなった隙に、ハイジにはフランクフルトに行けば、ペーターのおばあさんに白パンを買ってきてあげられると言って連れて出します。

フランクフルトに着いたハイジは、足の悪いクララと一緒に遊んだり、勉強したりすることになりました。また、そこにはロッテンマイヤーという冷たい感じの執事がいて、ハイジに対して厳しい指導を行います。

ハイジは8歳でしたが、文字を読むことも書くこともできませんでしたが、クララの家庭教師からABCの基礎から習うことになります。

しかし、日々、アルムに帰りたいという思いが強くなっていくハイジは、とうとうペーターへのおばあさんのために取っておいた白パンを持ってアルムに帰ろうとします。

しかし、玄関でロッテンマイヤーに鉢合わせして見つかって持っていた白パンは捨てられます。希望を失ったハイジの前にクララのおばあさんが現れます。

おばあさんは、「緑の牧場に動物たちと羊飼い」の絵が載った絵本にハイジは夢中になり、絵本を読みたいと思うようになります。

この絵本は、新約聖書ルカによる福音書」の中に登場する「放蕩息子のたとえ」と呼ばれる物語が書かれたものです。

そして、1週間後に字が読めるようになったのです。

次におばあさんは、ハイジにお祈りの仕方を教えてくれます。

そして、「神様には何でも話してもいいと言われます」

ハイジはお祈りをするようになりますが、お祈りしても、すぐに叶えられなかったから祈るのをやめてしまいます。

そんなハイジにおばあさんは次のように言います。

  • 神様はあなたに必要なものがちゃんとわかっていらっしゃるから、きっとこうお考えになったのよ。
  • 「ハイジには、祈っているものを与えてあげよう。
  • でも、それは、あの子にとっていい時期、それを本当に喜べる時にしよう。
  • だって、今わたしが、あの子の欲しがっているものを与えてしまったら、あの子はきっと後になって願いがかなわないほうがよかったと気づくだろう。
  • そうしたらあの子は泣いて、こう言うだろう。神様がわたしの求めたものをお与えにならなければよかったのに!
  • そうやって神様は、あなたが神様をちゃんと信頼して、毎日そのみもとへ行き、お祈りして、足りないものがあるときにはいつも神様を見上げるかどうか、見ておられるのよ

そして、ハイジは字が読めるようになり、クララに本を読んであげるといって、1冊の本を読み始めました。その本には死にそうなおばあさんが出てきました。

読んでいるうちにペーターのおばあさん、そしておじいさんも死んでしまい、アルムに戻っても一人ぼっちになってしまうのではないかと不安になり泣き叫びました。

そんなハイジからロッテンマイヤーは大騒ぎするなら本を取り上げると言われ、どんな本を読んでも泣かないようになりました。ハイジは、食欲はなくなり、やせ細っていきます。ハイジは夢遊病になってしまいます。

夢遊病で屋敷を歩き回るハイジを幽霊と勘違いしクララが怖がります。

クララの父であるゼーゼマンが帰国し家に戻ってきました。

友人でクララの主治医でもあるクラッセン先生と一緒に幽霊の正体を確かめようとします。正体がわかり、クラッセンは、夢遊病だと診断し、故郷に戻してあげることしか治療方法がないとゼーゼマンに伝えます。

ハイジは、アルムに帰れることになりました。

ペーターのおばあさんには、たくさんの白パンを渡し、おじいさんの元に向かいます。

おじいさんは、小屋の脇のベンチでパイプを吹かして座っていました。

ハイジはおじいさんと叫びながら、抱きつきました。

ハイジは、フランクフルトで文字が読めるようになったので、ペーターのおばあさんにずっと読んで欲しかった、賛美歌集の詩を読んであげました。

そしておじいさんには、お祈りについて話してあげました。

  • もし神様が、わたしが強くお願いしたことをすぐにかなえてくださっていたら、こんなにすてきなことは起こらなかったわ。わたしはただすぐに家に帰ってきただけで、おばあさんに少ししかパンを持ってこられなかったし、本を読んで元気にしてあげることもできなかった。

しかし、おじいさんは神様に忘れ去られた者は一生そのままなんだと呟きます。

そして、ハイジは、クララのおばあさんにもらった、「放蕩息子のたとえ」を読んであげます。おじいいさんは、「いい話だ」と言ってはくれましたが、何かを考えているようでした。その晩、おじいさんはハイジの寝顔を見ている内に自分の心の変化に気づきます。翌朝、おじいさんは、ハイジを連れて教会に行きました。

村人もそんな、おじいさんを見て噂ほど悪い人ではないことがわかり、歓迎してくれました。

そして、おじいさんは、神様や人間と仲良くすることが、こんなにもいい気分になれると思えるようになったのです。

そして、おじいさんは、牧師さんの助言に従って、冬は山のふもとに住み、ハイジを学校に通わせることにしました。

ここまでが、第一部「ハイジの修業時代と遍歴時代」となります。

ハイジ自身がフランクフルトで成長し、アルムに戻ったハイジが自分が学んだことを還元して、周囲の大人たちを再生させるという話だと言えます。

この話がヒットして続編が書かれます。