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アメリカ大統領選挙は長くて仕組みも複雑です

米国の大統領選挙ってあまり興味がなくて、とにかく長いというイメージしかありません。選挙が2020年11月なのに、2020年2月の段階で候補者が次々に敗北宣言をしていきます。まだ選挙前なのにどういうことなんだろう?とずっと思っていました。

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これは、一度、米国大統領選挙の仕組みを理解しておくべきだと考えて調べてみました。

まず、米国大統領選挙ですが以下の2つに尽きます。

  • 大統領が決まるまでが長い
  • 選挙の仕組みが複雑

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投票日は、なぜ11月の第一月曜日翌日の火曜日なのか?

米国の大統領選挙は4年に1度、夏季五輪と同じ年に行われます。

そして11月の第一月曜日の火曜日が投票日と法律で定められています。

何故、日曜日ではないのでしょうか?

これは法律ができた頃のの米国の事情によるものです。

その頃の国民は農業に従事するキリスト教徒です。

春から秋にかけては農繫期なので選挙にはいけません。

このため、農繫期が終わった、11月となりました。

そして日曜日は礼拝がありますので教会に行かないといけません。

そして米国は広いので、当時の交通手段である馬車で投票所に行くのに1日がかりでした。宿泊しないといけない人もいたので、火曜日が投票日となったのです。

更に月末は決算で忙しいので1日が投票日になると行けないので、11月の第一月曜日の次の火曜日という言い回しになっているようです。

最初に米国大統領選挙の流れを図解

米国は日本と違って、大統領を国民が選べるからいいなぁと思っていたのですが、これは間違いでした。

最初に米国大統領選の3つの特徴を記述します。

  • 投票登録を行う(有権者の権利取得)
  • 候補者を指名する代議員は投票者
  • 11月の選挙は大統領を選ぶ選挙人を決めるためのもの

この点を理解した上で、以下の図を見てください。

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STEP1:有権者登録

有権者は18歳以上のアメリカ国民で事前に登録した人になります。
しかし、米国では有権者の資格を持っているだけでは権利は得られません。
このため、登録作業が必要です。
これは、米国に有権者名簿というものが存在しないからです。
登録は居住地毎に行うことになるので、他の土地へ引っ越した場合には、その都度登録しないといけません。
そして登録を行うことで投票用紙が指定した郵送、メールといった手段で送付されてきます。
有権者の資格を持つ人種が多様化しているので投票用紙を言語別に用意する必要があります。
アメリカでは有権者の資格が事前に登録しないと得られません。

STEP2:党員集会・予備選挙(2月~6月)

米国の選挙は政党単位での候補者を選ぶところから始まります。

米国には「民主党」と「共和党」の2大政党があります。

2大政党以外にも第3党と呼ばれる中小政党がありますが、アメリカの選挙が選挙区毎の総取り方式のため、第3党が選挙人を獲得することが困難なため、大統領を目指す人は2大政党のどちらかから出馬する傾向にあります。

このため、大統領候補は事実上、2大政党からの候補者のどちらかになります。

候補者を最終的に絞り指名するのは代議員、代議員を選ぶのは有権者です。

投票者は登録した支持政党で代議員を選びます。

各党の候補者は選挙区に割り当てられた「代議員」を党員集会・予備選挙で獲得していきます。ここで代議員を獲得できなかった候補者が敗北宣言を出すことになります。

選挙区は全米の50州と首都ワシントンの特別区があります。

そして代議員が夏の全国党大会で最終投票を行い大統領候補・副大統領候補が決まります。この時に獲得した代議員の数は過半数を超えている必要があります。

3月の第2火曜日は「スーパーチューズデー」と呼ばれ、党員集会・予備選挙が集中します。

ここで事実上の候補者が絞り込まれます。

  • 党員集会:党員が議論をしながら、候補者を絞り込む方法
  • 予備選挙有権者が、投票を行う方法

 STEP3:全国党大会(8月)

各党での指名者を確定するため、全国党大会を開催して党を代表する、正・副大統領候補を決定します。

9月~10月にかけては、大統領・副大統領候補の討論会が行われます。

STEP4:一般投票(11月)

これが、大統領選挙と言われている選挙になります。

選挙といっても大統領候補を選ぶのではなく、「選挙人団」という同じ候補者を支持する選挙人が集まった団体を選ぶことになります。

 投票は州ごとに行い勝者が州毎に割り当てられた「選挙人」を全て獲得します。

選挙人の数は首都・各州の人口に応じて割り当てられます。

選挙人の総数は538人で過半数(270人)に達した人が勝者となります。

STEP5:選挙人投票(12月~1月)

ここで、選挙人が大統領・副大統領候補に投票を行い、大統領と副大統領が決定します。

一般選挙で選ばれた選挙人が投票の際に、支持を表明していた候補とは別の候補に投票した場合どうなるのでしょうか?
今年7月に判決が出ました。

米大統領選で、一般有権者の投票に基づき、正式に正副大統領を選出する各州代表の選挙人が、「造反」して、自分の意思で投票することは認められるのか。米最高裁は、「造反」選挙人に罰金や交代を求めた州の決定を「合憲」とする判断を2020年7月6日示した。

大統領選は有権者の一般投票の結果ではなく、人口に応じて割り当てられた計538人の「選挙人」が正式に決める。大半の州では、一般有権者の投票で、一票でも得票が多い候補の所属する政党がその州の全ての選挙人を指名。選挙人は正式に正副大統領を選出する際に、その州で最多得票の候補に投票することが求められている。

トランプ大統領が初当選した前回2016年の大統領選では、10人の選挙人が「造反」。一般投票結果とは別の候補への投票を表明した。ワシントン州は造反した選挙人に1千ドルの罰金を科し、コロラド州は、別の候補に投票しようとした選挙人を交代させた。

www.asahi.com

米国の大統領選のニュースが理解できている

ここまでの内容が理解できれば以下の内容が、これまでとは違った形で理解できるはずです。

今回、共和党トランプ大統領は、人気がまだ4年ありますので、共和党についてはトランプ大統領が2020年8月24日の共和党全国大会で正式指名されるはずです。

そのあとは、ハイデン氏とトランプ氏による討論会が9月10月に各1回行われます。

その後、11月の一般投票、1月の選挙人投票で米国の大統領が決定します。