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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

ドラマ「半沢直樹」のようなことが大戸屋で起きている?

貴重な定食屋さん

出張先で食事というと油ものか麺類って感じです。コンビニやスーパーの弁当や総菜も同様で、家庭料理が食べられる店というのは自分の中ではとても貴重な存在です。

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そして定食屋さんで、有名なチェーン店といえば、「やよい軒」と「大戸屋」です。しかし、「大戸屋」さんの雲行きが怪しい感じです。

2016年~2017年位からだったと思いますが、注文してから料理が出てくるまでに時間が凄くかかるようになったように思います。

大戸屋さんがレンジでチンするだけの調理ではなく手作業で一から調理をするというのは知っていますが、注文してから出来上がるまで40分もかかったのでは昼休みには利用できません。

業績を確認しても同じ頃から年々下降傾向です。

メニューも家庭料理という感じではなくなっているようで、大戸屋のホームページを見ても、さばの味噌煮定食が見つかりません。

価格についても、どうしてもやよい軒と比較してしまうのですが、大戸屋の方が高いように思います。

以下は、「やよい軒」と「大戸屋」で同じようなメニューの価格を調べたものです。

やよい軒

  • サバの塩焼定食 610円(税抜)
  • から揚げ定食 700円(税抜)
  • しょうが焼き定食 582円(税抜)
  • ロースとんかつとエビフライの定食 810円(税抜)
  • 地鶏親子丼~阿波尾鶏~ 619円(税抜)
  • 味噌かつ煮定食 780円(税抜)

大戸屋

  • さばの炭火焼き定食 810円(税抜)
  • 香味唐揚げ定食 810円(税抜)
  • 豚の生姜焼き定食 810円(税抜)
  • 四元豚のロースかつ定食 882円(税抜)
  • 炭火焼き鶏の親子丼 746円(税抜)
  • チキン味噌かつ煮定食 800円(税抜)

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値段が高くて、出てくるまでが遅い。

これでは、いくら美味しくても二度と行きたいとは思わなくなるでしょう。

コロワイドによる大戸屋の買収

そんな大戸屋を買収しようとコロワイドという企業が公開買い付けで大戸屋の株を手に入れようとしています。

コロワイドってどんな会社?

まずは、コロワイドって初めて知った名前なので、どんな企業なんだろうと調べてみると、設立は1963年4月なので、かなり古くからあるようです。どんな商売をしているのかと見ていくと・・・

かっぱ寿司ステーキ宮牛角といった有名チェーン店や数多くの種類の店舗を運営している企業でした。そして、積極的なM&A(合併と買収)を行う企業だとホームページにも書かれています。

そしてコロワイドの会長というのは、暴君として知られているようで過激発言で問題にもなっているようです。

以下は2017年に「商魂」という社内報に挨拶として会長が書いて掲載された内容です。

■挨拶

未だに挨拶すら出来ない馬鹿が多すぎる

お父さん、お母さんに躾すらされたことがないのだろう。

家庭が劣悪な条件で育ったのだろう。

閑散とした家庭環境の中で育ったのか。

蚊の鳴くような声で・・・挨拶

個人的に張り倒した輩が何人もいる。

人の声の大きさは、生きる証。生命力の証。

5年たって、ようやく挨拶する女性がいる。

今更・・・ここは、大学の同好会でもサークルでも更生施設でもない。今更、この手合いには、挨拶は返しません。

私が嫌いで、嫌悪感すら感じるのだろう。

そのアホガ、なぜ会社にいる?

辞めて転職したらいいのに、この会社を買収時、面接をしなかったことが、一番の原因だろう。今更、その程度に私に逆らっても始まらない。所詮、コロワイドが買収した会社。生殺与奪の権は、私が握っている。さあ、今後どうする。

どう生きて行くアホ共よ。

 

この件がSNSで拡散されてコロワイドはホームページで謝罪文を掲載したそうなので事実で間違いないということです。

しかし、会長独特の言い回しであり、ビジネス・商売の基本となる考え方を述べたものですという内容でした。

大戸屋も何とも、大変な会社に狙われたものです。

大戸屋では?

大戸屋のホームページを見ると株主の皆様へというタイトルで以下のような内容が書かれてあります。

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。また過日の定時株主総会では多くの株主の皆様のご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

当社取締役会は、株式会社コロワイドにより発表された当社株式に対する公開買付けが、当社及び株主の皆様の利益にならないものと考え、社外取締役を含む全会一致で反対を決議いたしました。

株主の皆様におかれましては、本ウェブサイトをご高覧いただき、
本公開買付けに応募されないようにお願い申し上げますと共に、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契約の解除を行っていただきますよう、お願い申し上げます。

今後も、株主の皆様からのご期待に応えるべく、社内一丸となって企業価値の持続的な向上に努めてまいります。ご理解ご協力のほど心よりお願い申し上げます。

代表取締役社長
窪田健一

【出典】大戸屋 | 株主の皆様へ お知らせとお願い

コロワイドでは?

これに対して、コロワイドのホームページを見ると、確かに公開買い付けの内容が公開されています。

株式会社大戸屋ホールディングス株式(証券コード : 2705)に対する
公開買付けの開始に関するお知らせ

  • 公開買付者は、本日現在、対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)1,387,900 株(所有割合(注):19.16%)を所有する主要株主である筆頭株主です。公開買付者は、2019 年 10 月1日に、対象者の主要株主であった三森三枝子氏(譲渡株式数 946,300 株)及び三森智仁氏(同405,500 株)より対象者株式 1,351,800 株(所有割合:18.66%)を取得した後、断続的に対象者株式を取得し、本日現在において、1,387,900 株を所有するに至りました。

【出典】https://ssl4.eir-parts.net/doc/7616/tdnet/1858850/00.pdf

コロワイドは、M&Aの会社だと断言しています。大戸屋サイドはコロワイドによるM&Aは大戸屋にとって利益にならないと断言しています。つまり敵対的買収だということです。それなのに、大戸屋創業家の株がなぜ、コロワイドに売却されているのでしょうか?

大戸屋の内情

大戸屋の現在の社長は窪田健一氏です。2012年4月に社長に就任し、会長兼社長であった三森久実氏は会長となりました。その後、2014年に久実氏の息子である智仁氏が久実氏の後を継ぎたいということから、久実氏の後押しもあり常務兼海外事業本部長に就任。しかし智仁氏によると、前海外事業本部長は引継ぎを一切してくれなかったとのこと。そして窪田社長、前任者、智仁氏の3人で会食をした時に、引き継ぎがないことを話すと口論となり、窪田社長から智仁氏には常務兼海外事業本部長は務まらない。反抗するなら明日から会社に来なくてよいと言われました。(窪田社長はそんなことを言った記憶はないと否定してます)このことがきっかけで、窪田社長と智仁氏の関係が悪化しました。

窪田社長は、当時の相談役に相談したいと打診しました。相談役は智仁氏にそのことを連絡してきました。

智仁氏も関係が悪化して困っているということを告げると相談役は俺が何とかしてやると仲裁を買って出てくれました。

窪田社長にとって、相談役は頭が上がらない存在でしたので、智仁氏は取りなしてもらえるだろうと期待していたようです。この相談役は大戸屋のメインバンクだった銀行で常務まで務めた方で、それが大戸屋の会長として就任してくれたのですが、久実氏の期待とは違ったので相談役に退いてもらったという、いきさつのある方です。自分を降格した久実氏をよく思っているはずはありません。

相談役が智仁氏に言ってきたのは、メインバンクが大戸屋の不採算事業のことを知って融資を引き揚げる可能性があるということでした。屋台骨を揺るがすほどの損失ではないので問題に値しない内容だったので智仁氏はメインバンクに直接確認したところ、「そんな事実はない」と言われたそうです。

2015年7月27日に、会長の久実氏は、57歳の若さで亡くなりました。

久実氏が所有していた株は、妻の三枝子氏と子供の智仁氏が相続することになりました。

会長が亡くなったことで、2015年11月に臨時取締役会が開催され智仁氏は常務から外され、相談役だった人は相談役兼最高顧問となりました。

更に創業者功労金を出すための臨時株主総会が2015年12月に開催される予定でしたが、中止となりました。

労金が出なければ相続税の支払いに支障が出ることを狙ったものなのでしょう。そして相談役からは会社が相続した株を買ってやると言われました。

何とか銀行から資金を借りることができたので株を売らずに済みましたが、次は海外への赴任を求めてきました。今の状態で日本を離れてしまうと何をされるかわからないということで、海外赴任日の直前である2016年2月24日の取締役会で智仁氏は辞任届を出しました。その後、2016年5月18日に会社がリリースした役員の新人事案を見ると新任取締役として相談役をはじめ、新しい面々が並んでいました。久実氏に降格させられ、久実氏のことをよく思っていない人が復帰したりと相談役の思い通りになる人が集められたということです。

その人事案では、社外取締役に相談役からの求めでおじの教雄氏が入っていました。智仁氏は「おじさんが取締役になると、創業家とうまく関係構築ができているという会社側のパフォーマンスに使われるから、取締役にならないで」と引き止めたのですが、教雄氏は「おれが会社を守る。智仁が帰ってこれるように何とかする」と引き受けました。

結局、相続税が支払うことができなくなったこともあって、三枝子氏と智仁氏は相続した株のほぼ全てを2019年10月にコロワイドへ売却してしまったのです。

とここまでが大戸屋創業家と経営陣の内幕です。

【出典】大戸屋の三森智仁氏が語った内紛の内幕:日経ビジネス電子版

大戸屋半沢直樹はいるのか?

これが事実だとすれば、ドラマの半沢直樹のようなことが、現実に大戸屋内で繰り広げられていることになります。

大戸屋が窪田社長と相談役の体制に変わってから売上・利益・客足共に減少傾向です。窪田社長の戦略が、どうであれ結果が出ていないのは明白なので、2016年5月の人事は失敗だったと言わざる得ません。前社長に降格させられるような人が経営陣に戻って業績が良くなるはずがないのです。

では、智仁氏が仮に社長にして経営を立て直すことができるのか?というと窪田社長や相談役に好き勝手なことをされてしまうような方に、人力や能力があるとは思えません。

窪田社長は、仮にも前社長の久実氏認められて社長に就任した方ですから能力はある方なのだと思います。しかし今の窪田社長は、会社の経営を悪化させるような人事を行ってしまったのです。そんな人に社長としての資質があるとは思えません。

つまり現在の大戸屋には半沢直樹のような人はいないのです。

そして買収を計画しているコロワイドの会長は暴言で問題になるような方です。

何よりコロワイドの経営状況も下降気味です。

となると、大戸屋コロワイドによる買収が回避できたとしても、回避できなくても、良い方向には向かないということになりそうです。

ドラマだと最後は、