京都亀岡市でレジ袋禁止条例?
京都の亀岡市がレジ袋禁止条例の素案を発表しました。
2020年8月から実施したいということで、店の規模に関わらず一律に実施です。
この条例の目的は、以下の通りです。
プラスチックは、その優れた汎用性、実用性から私たちの生活に密着し、私たちもプラスチックの利便性に依存してきました。結果として、多くの使い捨てプラスチックが私たちの暮らす環境を汚染する一因となり、海洋プラスチック汚染という地球規模の環境問題へとつながっています。
そこで亀岡市は、亀岡市議会とともに「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を発し、2030年までに使い捨てプラスチックごみゼロを実現するため、まずは私たちの日常生活に最も密着した使い捨てプラスチックであるプラスチック製レジ袋の提供を禁止することで、市民が良好な環境のもと安心して暮らせる持続可能な街づくりを実現するため、本条例を制定しようとするものです。
【出典】
亀岡市は「母なる川保津川」のプラスチックごみが処分しても一向に減らないということが、きっかけでプラスチックごみゼロの実現に向けての第一歩として日常生活に密着したレジ袋を禁止することで市民に環境について考えてもらうということのようです。
クジラからビニール袋やレジ袋が・・・
そして世界的には、クジラの死骸の胃から、ビニール袋やレジ袋が出てきているという報道が増えています。
クジラが好むイカと間違えて、ビニール袋やレジ袋を食べてしまい、消化されず胃が詰まってしまうことで餌が食べられなくなり餓死してしまうということです。
大量のレジ袋やビニール袋が海底に
これだけではありません。
現在、大量のレジ袋やビニール袋が海底に蓄積されています。レジ袋やビニール袋は空気を通さないので土壌に酸素や栄養物が届かなくなり微生物が生きられなくなり有害物質を含んだヘドロになります。このような理由から世界的にレジ袋やビニール袋を有料化したり廃止しているのです。
レジ袋やビニール袋が川や海に大量に捨てられている現状を僕は知りませんでした。
そのような理由から日本政府もレジ袋削減しようとレジ袋の有料化を決めました。
レジ袋のメーカーは、あおりを受けて売り上げは減少方向で、工場閉鎖が避けられない状態にまで追い込まれている場合もあるようです。
レジ袋を川や海に捨てる人がいるので、このような結果になったので、人の意識を変える必要もあります。しかし減るどころか増える一方です。
亀岡市は、このような状態から仕方なく、レジ袋禁止を決めたのだと思います。
僕は、レジ袋が増えたということよりも、捨てることが大変になったことが大きな要因だと思います。
僕が子供の頃、公園にはゴミ箱が設置されていましたが、今は見かけなくなりました。自動販売機の横にも空き缶やペットボトルをリサイクルするためのリサイクルボックスが設置されていましたが、それも年々、減っています。コンビニも店舗の前に設置してあったゴミ箱が徐々に店内に設置されるようになっています。
これは何故でしょう?
「分別廃棄」が理由だと思います。
公園にゴミ箱が設置されていた頃は、「燃えるゴミ」と「不燃物」しかありませんでした。しかし、今は、以下のようになっています。(金沢市の場合です)
- 燃やすごみ(週2回)
- 燃やさないごみ(月1回)
埋め立てゴミ
金属・小型ゴミ
ライター - 資源回収(週2回)
容器包装・プラスチック
空き缶
ペットボトル
乾電池
フロン回収製品
スプレー缶・カセットボンベ - あきびん(月1回)
- その他(有料回収)
複雑なゴミの廃棄方法が不法投棄を増やした。
燃やすゴミ、埋め立てゴミは、金沢市指定のゴミ袋(有料)で捨てないといけません。
捨てるゴミは、種類毎に週2回、月1回と曜日が決められているのでその日を逃すと捨てることができません。しかも、ゴミの収集場への持ち込みは指定した時間内でないといけません。(金沢市のルールではなく町内毎のルールです)ゴミの収集場は住民が持ち回りで監視をしています。監視する時間が決まっているのでゴミ収集場への持ち込み時間が決められているんですね。ここまでしているのは、間違ったゴミが捨てられていると金沢市が回収しないで置いていくためです。
ゴミは種類毎に捨てる日が決められて、持っていく時間まで指定され、更に持っていたゴミはチェックされる。しかもゴミを捨てる袋まで指定され買いに行かないといけません。日本のゴミの分別は世界的に見ても厳しいということです。
その結果、ゴミを捨てるの面倒、捨てたいのに捨てられないという現象が起きます。
面倒だからと家庭ゴミが公園のゴミ箱に捨てられ、公園からゴミ箱が撤去され、次はコンビニのゴミ箱でこちらも店内に移動され、次は自販機のリサイクルボックスに捨てられリサイクルボックスが撤去される。自動販売機で飲み物を飲んでもリサイクルボックスがないから捨てられないので自販機の前に空き缶やペットボトルを捨てて行く。今は道路に投げ捨てられていることも多くなっています。
過剰なルールがゴミを捨てにくくして、不法投棄を増やす結果に繋がっているのは間違いはずです。
日本は、一人当たりのゴミの量(家庭ごみ)が世界的に少ない国です。(2005年時点)
以下は、家庭ごみの多いランキングです。
- デンマーク(620Kg/人)
- ルクセンブルグ(600Kg/人)
- オランダ(560Kg/人)
- スペイン(530Kg/人)
- 英国(510Kg/人)
- ドイツ(480Kg/人)
- オーストラリア(450Kg/人
アメリカ合衆国(450Kg/人) - スイス(440Kg/人)
- カナダ(420Kg/人)
アイルランド(420Kg/人)
オーストリア(420Kg/人) - ニュージーランド(400Kg/人)
ノルウェー(400Kg/人) - ベルギー(360Kg/人)
- フランス(350Kg/人)
- 韓国(320Kg/人)
- ハンガリー(270Kg/人)
日本(270Kg/人) - メキシコ(260Kg/人)
- フィンランド(230Kg/人)
スロバキア(230Kg/人) - ポーランド(170Kg/人)
【出典】環境省
ポーランドの家庭ごみの排出量は唯一200Kg/人を切っています。
凄いのは、スウェーデンで、家庭ごみの99%はリサイクルされているというのです。(一般廃棄物は一人当たり480Kgです)
これはゴミを焼却する際にエネルギーに変えていて国内32カ所に廃棄物発電所というものがあり、そこへ燃料として供給しています。更に、アルミ缶・ペットボトルについては、デポジット制度を実施することでリサイクル率が高くなっています。デポジット制度というのは、飲み物を買う時にアルミ缶、ペットボトルに「預り金(デポジット)」を店に払って飲み終わった後にアルミ缶・ペットボトルを返すと「預り金」が戻ってくるという仕組みです。
日本でも飲料の容器がガラス瓶タイプだった頃は飲み終わった瓶を店に持っていくとお金が貰えていました。
スウェーデンの「デポジット制度」は個人的に凄いアイディアだと思います。
レジ袋もデポジット制度にするべき
レジ袋も単純に有料化ということではなく、目的に合った手段を選ぶべきだと思います。有料化しても買えばいいんでしょ?ってことで減る事にはなりませんし捨てられてしまえば全く意味がありません。
真の意味で地球環境を考えていかないといけないのだと、今回、記事を書いていて感じました。
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